ローソンの関西2400店舗に吉村大阪府知事の顔写真入りポスター! “G20記念フェア”にかこつけ参院選前の政治宣伝

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大阪市内のローソンに張り出されていた吉村府知事の写真入りポスター


 28日に大阪市で開幕したG20サミット。安倍首相は参院選を前にしてG20の政治利用に躍起となっており、開催地での過剰とも言える厳戒態勢はテレビなども伝えているが、周辺ではもうひとつ奇妙な光景が広がっているのをご存知だろうか。

 コンビニチェーン大手・ローソンの大阪市内の店舗に行くと、維新の会の吉村洋文・大阪府知事の顔写真が中心に大きく載ったポスターが、これ見よがしに貼られているのだ。念のため、市内の別店舗もいくつか回ってみたが、やっぱり同じものが掲示されていた。

 参院選を控えたこのタイミングで、まるで選挙ポスターかのような吉村府知事の顔写真が、あのローソンで? コレっていったい、どういうことなのか。

 よく見てみると、この“吉村ポスター”には「G20大阪サミット 開催フェア」との文言ともに、吉村府長を取り囲むかたちでローソンの商品等の写真が。「大阪味」なるソース味のおにぎりや、たこ焼きの入った「大阪満彩弁当」などの商品で、これらはローソンが開発した“G20開催記念商品”という位置づけらしい。ポスター下部には、G20開催に絡んで「大規模な交通規制が実施されます!」「マイカー利用の自粛や電車の利用にご協力を!」などの告知が記されている。

 だが、驚くのはその量だ。この“吉村ポスター”は実に、大阪や京都など近畿地方のローソンの2400店舗へ一斉に貼り出されているらしい。大阪府のホームページにこう記されていた。

〈このたび、府と包括連携協定を締結している株式会社ローソンとの連携により、近畿2府4県のローソン2400店舗(2019年5月末時点)において実施される、G20大阪サミット開催記念フェアの中で、大阪府の様々な取組みをPRしていただけることとなりました。
 まず、間もなく開催されるG20大阪サミットに伴う交通規制やマイカーの利用自粛、電車の利用の呼びかけについて、店頭に掲載されるポスターやチラシで周知していただきます。〉

「包括連携協定」というのは、自治体と民間企業等が協力する官民提携の一種だ。大阪府HPでは「企業の社会的責任」や「共通価値の想像」との連携やコラボレーションによって〈社会課題の解決を図る新たな公民連携のモデルを確立します〉と謳われている。

 だが、たとえ商品や公共交通を告知するものであったとしても、どうして吉村府知事の顔をデカデカと載せる必要があるのか。

 今回のG20をめぐって大阪府は、大阪市や関西経済界とともに「2019年G20大阪サミット関西推進協力協議会」なる任意団体を構成し、関西地方の観光資源のPR等を行っているが、言うまでもなく、サミットを直接的に主催するのは国である。

 そのなかにあって、それも参院選直前に、大阪維新の会の代表代行であり国政政党・日本維新の会の幹部でもある吉村府知事の写真が前面に押し出されるのは、やはり“選挙目的”ではないか。そう勘ぐられても仕方がないだろう。しかも、大阪の政界関係者の間では「ローソンが自ら吉村府知事の顔写真を掲載したいと言い出したとは思えない、府側から要求されたのではないか」との見方も浮上している。

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