ゲス川谷に松本人志とヒロミが異常に優しかった理由! 大手事務所タブー批判はやっぱり口先だけだった

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5月7日放送の『ワイドナショー』(フジテレビ)より


 新アルバム『達磨林檎』の発売日である5月10日にワンマンライブを行い、ゲスの極み乙女。の活動を再開する川谷絵音。ベッキーとの不倫でバッシングを受けただけでなく、ほのかりんととデート中に未成年飲酒させたことが発覚して芸能活動を休業、一時はこのまま芸能界追放か、とまでいわれていたが、芸能界のドン・田邊昭知会長率いる田辺エージェンシーに移籍したとたん、あっさりと復帰を果たしたというわけだ。

 しかも、この復帰に、メディアからは一切バッシングが起きない。休業を発表してもラストライブまで川谷を追い掛け回し、絶対に許そうとしなかった芸能マスコミが、田辺に移籍した途端、「早すぎる」とも「反省してない」とも言わなくなったのだ。所属プロでここまで手のひらを返す芸能マスコミの露骨さ、大手芸能事務所タブーの強固さには言葉を失うが、そんな中、当の川谷が本日、松本人志の『ワイドナショー』(フジテレビ)に出演した。

 松本人志といえば、1月1日に放送された『ワイドナショー元旦SP』で、「(テレビでは)大きい事務所のスキャンダルは扱えなかったりすることが、やっぱりある。一般の人にもバレてるから。ネットで散々、あの上位に上がっているのに、ワイドショーでは一切扱わない。この違和感は、テレビ業界の人たちも、そろそろ気づいてほしい」と、テレビの大手事務所タブーを批判し、大きな話題になった。

 権力や権威に弱い松本もあそこまで大見得をきっていたのだから、今回はさすがに多少踏み込んだ川谷批判をするだろう。そう思って『ワイドナショー』を見てみたのだが、これがびっくり。モニターには、松本のまったく笑えないヘッピリ腰ぶりが映し出されていたのだ。

 松本人志は出だしから、「ゲスが出たぞー! ゲスがいるぞー!」「ベッキーって言ったぞー」などと、若手のガヤ芸人みたいなギャグを口にしていたが、しかし、それだけ。核心には一向にふれようとしない。それどころか、東野幸治や古市憲寿が不倫のディテールにふみこもうとすると、たいした質問でもないのに、「団地のオバハンみたいなこと言うよね。すごいよ、話せへんやろ」「今日みんなスッゲーな」と、必死で話の腰を折って、追及させないようにするのだ。あげくは、川谷に向かって冗談交じりに「ごめんなさいね。ごめんなさいというか、もうしょうがないもんね」と、謝り続ける始末。

 以前は、川谷にあれだけ毒舌を吐いていたのに、この豹変ぶり。「(大手事務所のスキャンダルに)触れないことの残念さというか、結局それって、一番損すんのはタレントやと思うんです」「芸能界を誰も信用してくれなくなってくるっていうのが、僕は嫌やなって思います」などともっともらしく語っていた松本だが、やはりあれは口先だけだったのだろう。

 だが、川谷に気を遣っていたのは松本だけではない。一応、ツッコミ役を引き受けていた東野にしても、厳しい質問はせいぜい「ベッキーはテレビに出てとか記者会見して火だるまになるけど、男の方の川谷絵音というやつは、なんにも表に出てこーへんっていう、テレビ見てる人の印象はそうなんですよ」と、視聴者の声を紹介する体で川谷が矢面に立たなかったことを追及したくらい。

 しかも、川谷が「自分の中では、終わってたんですよ」「あえて言うこと自体が、なんか違うんじゃないのかなと僕は思ってて。その、毎日死ねとか、すごいくるんですけど」と、まったく答えになっていない答えを口にしても、ひたすら「なるほどなるほど」とうなずき、「なんで世の中の人はわかってくれないんだ、と」「殺人予告をしてくる人にまで謝る必要はない、と」などと、川谷の発言をフォローし続けたのだ。

 もっとひどいのは、ゲストコメンテーターのヒロミだった。実は、ヒロミはもともとゲスのファンだったのだが、昨年3月20日の『ワイドナショー』に出演した際には、川谷をこう激しく批判していた。

「映像でさ、彼らが、メンバーの人なのか、ちょっと笑っちゃってたりとかするじゃない? 俺は結構この人たち好きで、歌を買ったりしてたから、そういうのってやっぱ大人だからね、迷惑かけてるに決まってんじゃんね。だってこいつがやんなかったら、別にベッキー誘わなかったらとかね、あのー、全部こいつから始まってんのに、こいつが……こいつって言っちゃダメか(笑)」
「マッチポンプだから、自分でベッキーも誘って、結婚もしてたとかっていうのも、全部この人が始まりで、今こうなってるわけじゃん。ほんで、文春に答えたりとかして。そりゃ来るよ、取材に。コンサートで言えば来るよ。でも答えたくないとか答えない、誰に言えばいいの、何て……ってさ。で、周りがああやって茶化してんのかなんなのか、気分が悪いじゃんか、見てて」
「俺は好きで買ってたからもう買わないけどね。もう我慢して買わない」

 ところが、今回、川谷に直面すると、180度正反対にこんなことを言い始めたのである。

「なんかさ、そういうのってやっぱり伝わってないもんだね、世の中には。あのー、なんかほら、川谷君はこうさ、なんかあんまり気にしないで、どこも気にしないで飄々と生きてるような感でみんな捉えて、それでみんなゲスゲスゲスゲスってさ、もう誰もが言い出しちゃうような状況じゃんね。だけどそうやって、聞いてみるとさ」

 そのあげく、ヒロミは「結構辛い思いしたな」「今でも聴いてるよ」と川谷のことを慰め始めたのである。「おいおい、もうCDは買わないんじゃなかったのか」とツッコんだのは、筆者だけではないだろう。

「ヒロミの場合は、堺正章とのカラミもあって、田辺エージェンシーには頭が上がらない。先日のムッシュかまやつお別れ会でのスパイダースの再結成でもミュージシャンでもないのにステージに上がらされていましたしね。今回も田辺から、フォロー役を命じられていたのかもしれません」(芸能関係者)

 さらにもうひとつ、今回の『ワイドナショー』で気になったのが、未成年飲酒問題にまったく触れなかったことだ。川谷は一応、休業の理由を聞かれて、「未成年飲酒っていう法律が絡んでいたので」と答えていたが、松本やヒロミはもちろん、東野も古市もまったく触れようとしなかった。ほのかりんとの関係についても事件が発覚した時に語られていたような「ベッキーと別れたばかりなのにゲスすぎだったんじゃないの」といったツッコミも、「ほのかのほうが仕事がなくなってしまった責任をどうとらえているのか」などといったシビアな質問は一切出てこなかった。これについて、フジテレビ関係者がこう語る。

「どうも、田辺から未成年飲酒の問題は一切触れないように、というお達しが出ていたようですね。そうじゃなければ、あそこまで出演者が話題を避けるのは不自然でしょう」

 ようするに、『ワイドナショー』全体が田辺エージェンシーの言いなり、というか、ゲス極の新アルバムのプロモーションにすぎなかったのである。

 しかも、これは『ワイドナショー』だけの問題ではない。『ワイドナショー』を報じるスポーツ紙もやりとりを面白おかしく伝えるだけで、川谷批判は一切なし。テレビもこれから川谷が出演したら、『ワイドナショー』と同様、なれあいのようなやりとりを展開して、どんどん芸能界復帰を後押ししていくだろう。

 断っておくが、リテラも筆者もこれまではけっして川谷に対して批判的ではなかった。不倫や未成年飲酒も別に大した問題ではないと思っていたし、川谷の言うように謝罪なんてする必要はないと考えていた。だから、この間、芸能マスコミによる川谷&ベッキーバッシングを一貫して批判してきたのだ。

 しかし、田辺エージェンシーに移籍しただけで、ここまで扱いを一変させる芸能マスコミのやり口はいくらなんでもグロテスクすぎるだろう。視聴者も、やれ不倫だ離婚だと騒ぐまえに、もっとこの芸能界と芸能マスコミの体質に批判の目を向けるべきではないか。

最終更新:2017.12.01 04:50

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