子供たちの活躍の裏で…前妻が明かした松田優作の在日差別への恐れと日本国籍への執着

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名優・松田優作の知られざる苦悩とは…(『探偵物語』Blu-ray BOX/東映株式会社)

「松田優作の長女Yukiが6月3日CDデビュー」「年齢非公開、謎のベールが明かされる!?」

 先日、芸能マスコミが故・松田優作の長女のデビューを大きく報じた。父だけでなく母は女優の松田美由紀、2人の兄も松田龍平と翔太という人気俳優。カリスマ俳優の末っ子のデビューは話題性抜群だった。

 しかし、この報道に異論を唱えた人物がいる。松田優作の最初の妻で、小説家・ノンフィクション作家の松田美智子だ。

「優作の長女は正確にいえばYukiさんじゃありませんよね。優作にとっての長女は私の娘で、Yukiさんは次女でしょう。ただ彼女(美由紀)と築いた家庭では長女になるでしょうから、そういった意味での“長女”という表現ならわかりますが」(「女性セブン」小学館/6月4日号より)

 美智子と優作は1975年に結婚、翌年に娘が生まれている。ところが、1980年に優作は当時18歳だった新人女優・熊谷美由紀(旧姓)と不倫関係になり、美智子と別れて美由紀と再婚した。美智子はいわば、美由紀に夫を“略奪”された立場であり、“松田優作の長女”とは当然、自分の娘のことだ。こうした事情を無視してYukiを長女とする報道が歯がゆかったことは想像に難くない。

 しかし実は今回とは逆に、美智子が美由紀を激怒させたといわれる事件が過去に起こっていた。

 それは美智子が2008年に出版した手記『越境者 松田優作』(新潮社)をめぐってのものだった。そこには、彼女が松田優作と出会って、結婚し、優作が妻子を捨てて美由紀との新しい生活を選び、病に倒れるまでの一部始終が克明に描かれている。甘え、苦悩、弱さ、そして暴力……そこに描かれている優作の姿はあまりに生々しい。

 それは、優作と美由紀との不倫関係についても同様で、こんな記述がある。

〈昭和五十五年八月上旬、その日は私の三十一回目の誕生日だった。
 「カントとか哲学書を読んでいるんだ。十八歳で哲学を語るんだぜ、すごいよなぁ」
 彼女への賛美の言葉を聞いたときに気づくべきだったのに、私は鈍感だった。〉

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