近藤誠医師の“がん放置”理論は現代医学への警鐘か、危険な宗教か

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
kondoumakoto_01_141207.jpg
『がんより怖いがん治療』(小学館)

 近藤誠医師へのバッシングが止まらない。現在のがん治療をことごとく否定し、「がんと闘うな、放置せよ」「抗がん剤は効かない」「手術は命を縮めるだけ」「検査も不要」と主張する近藤医師に対して、医学界から次々と批判の声があがっているのだ。

 2013年8月には『「医療否定本」に殺されないための48の真実』(長尾和宏/扶桑社)、14年3月には『「抗がん剤は効かない」の罪』(勝俣範之/毎日新聞社)という批判本が出版された。週刊誌も「週刊朝日」(13年6月21日号)が「近藤誠医師ベストセラー『医者に殺されない47の心得』の真実」という検証キャンペーンを掲載。「週刊文春」13年11月14日号「近藤誠先生、あなたの“犠牲者”が出ています」、「週刊新潮」14年4月3日号「『近藤誠医師』の『がんは放置』セカンドオピニオンの功罪」と近藤理論に疑問を投げかける記事が立て続けに発表された。

 最近は「FLASH」14年11月4日号「近藤誠(元慶応病院医師)が『子宮頸ガン検査不要』と憤る理由」で「お手軽な検査を受けたら、いつの間にか子宮全摘に追い込まれてしまうこともある」「医療業界の金儲け主義」と指摘した近藤医師に対して、大阪大学産婦人科・木村正教授が「一人ひとりの女性が適切な診療が受けられるよう『診療ガイドライン』」があり、「精密に診断をしたうえで治療をしていますので決して取らなくてもよい子宮を摘出したり不必要な円錐切除をしているわけでは」ないと抗議。『女医が教える本当に気持ちのいいセックス』(ブックマン社)の著書もある産婦人科医・宋美玄(大阪大学医学部卒)も木村阪大教授側に立って、ブログに「FLASHの近藤誠氏の記事への抗議」と題した記事をエントリー。近藤氏の主張を「トンデモ理論」と断罪した。

 こうした背景には、やはり近藤医師の影響力が増大していることがあげられる。近藤誠医師と言えば、がんの放射線治療を専門とし、乳房温存療法のパイオニア。1988年に「文藝春秋」に「乳がんは切らずに治る」と題する論文を発表以来、「がんは放置せよ。抗がん剤は効かない」との持論を展開、「転移する『がん』と転移しない『がんもどき』」理論とともに、マスコミの注目を集め、医師中心のがん治療から患者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)、インフォームドコンセント(充分な説明と合意)の充実が必要と医療の転換を呼びかけ始めた。

 12年12月に初版1万部でスタートした著書『医者に殺されない47の心得』(アスコム)は100万部を超えるベストセラーに。発売した同じ月に食道がんを患った中村勘三郎が急性呼吸窮迫症候群(ARDS)を発症し急逝。この急逝を「勘三郎さんは医者たちに殺された」と徹底批判したことから、注目が集まることになった。

 以降、第60回菊池寛賞を受賞したこともあって、次々に著書を出版。13年には6冊(『「がんもどき」で早死にする人、「本物のがん」で長生きする人』(幻冬舎)など)、14年にはこれまでに4冊(『がんより怖いがん治療』(小学館)など)が出版された。

 この勢いに、医療界が「抗がん剤を拒み、放置療法を望む方が、10人のうち2、3人位ぐらいに増えている。(略)悠長なことは言っていられなくなりました」(勝俣範之・日本医科大武蔵小杉病院・腫瘍内科教授/「週刊新潮」14年4月3日号)と危機感を募らせ、一斉に批判の声を上げ始めたのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

近藤誠医師の“がん放置”理論は現代医学への警鐘か、危険な宗教かのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。がん医療小石川シンイチの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 安倍首相「桜を見る会」中止で私物化問題の幕引き図るも新証拠続々
2 「桜を見る会」で田崎史郎と産経が失笑のスリカエ詐術で安倍擁護
3 「桜を見る会」ケータリングは安倍首相、昭恵夫人のお友達の会社
4 即位パレードで安倍首相が“天皇きどり”で窓を開けお手振り!
5 葵つかさが「松潤とは終わった」と
6 警視庁捜査、ジャパンライフと安倍政権
7 即位パレードで「雅子さまの足跡」を振り返るマスコミが触れなかった深刻な事件
8 即位パレードで天皇夫妻が通った自民党本部に巨大垂れ幕!
9 即位礼に天皇の「安倍首相への抵抗」を示す招待客が
10 安倍首相「桜を見る会」私物化に会計検査院元職員も「招待範囲を逸脱」
11 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
12 美智子皇后が誕生日談話で安倍にカウンター
13 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
14 皇室記者が明かす雅子妃の真実
15 『報ステ』小川彩佳降板は政権批判が原因か
16 安倍首相「桜を見る会」の税金を使った不正が国会で明らかに!
17 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(後編)
18 マンガ『スシローと不愉快な仲間たち』第7話
19 嵐メンバーの意外な恋愛事情
20 恵俊彰が田崎史郎を「政権の代弁者」と
1久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
2安倍政権・厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」
3 玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判
4明石家さんまが吉本上層部と安倍首相の癒着に痛烈皮肉!
5『ゴゴスマ』で今度は東国原英夫がヘイト丸出し、金慶珠を攻撃!
6『報ステ』の“安倍忖度”チーフPがアナやスタッフへの“セクハラ”で更迭
7『ゴゴスマ』で「日本男子も韓国女性が来たら暴行しなけりゃいかん」
8文在寅側近の不正に大はしゃぎの一方、安倍政権が厚労政務官の口利きに無視
9埼玉知事選で警察が柴山文科相への抗議を排除!柴山も表現の自由否定
10安倍首相がトランプからトウモロコシ爆買い
11菅官房長官「トウモロコシ大量購入は害虫被害対策」は嘘
12 GSOMIA破棄は安倍のせい 慰安婦合意から始まった韓国ヘイト政策
13安倍が後に先送り財政検証の酷い中身
14 GSOMIA破棄で日本マスコミの「困るのは韓国だけ」の嘘
15 松本人志や吉本上層部批判の友近、近藤春菜にバッシング、報復か
16『週刊ポスト』の下劣ヘイト記事は「小学館幹部の方針」の内部情報
17GSOMIA破棄!八代・有本ら安倍応援団は「嫌なら来るな」
18 『モーニングショー』で「暑さに耐えるのが教育」元高校野球監督は右派論客
19 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
20『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』のデマとトリックを暴く

カテゴリ別ランキング


人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄