近藤誠医師の“がん放置”理論は現代医学への警鐘か、危険な宗教か

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 では、医療界は近藤誠氏の何を問題にしているのか。それは“がん放置療法”近藤理論の最大のポイント「がんもどき理論」だ。がんには臓器転移があるがん「本物のがん」と臓器転移がないがん「がんもどき」があり、本物のがんならすでに転移していて手術や抗がん剤治療をするとかえって命を縮めてしまう。だから、がんは放置をしたほうがいいという結論に達するのだ。“がん放置療法”の条件を満たすためには、臓器転移がない「がんもどき」の存在が大前提となるのだ。

 この理論に対し、「がんもどきは本物のがんになる可能性がある」「がんもどき理論は架空の考え方であると思う。証拠が不確かで認めることはできない」と元大阪大学教授神前五郎医師が大批判を展開した(「週刊朝日」13年8月16日号「『白い巨塔』財前五郎のモデル 94歳外科医から近藤誠医師への“果たし状”」、同9月20日号「ついに直接対決が実現! がん放置療法をめぐる大激論一部始終」)。

 たしかに、近藤氏の本をいくら読んでも「がん」と「がんもどき」の違いはよくわからない。『近藤先生、「がんは放置」で本当にいいんですか?』(光文社新書)でも、食道がんと診断されたやしきたかじん、中村勘三郎、小澤征爾、桑田佳祐という有名人の症例を解説し、やしきたかじん、中村勘三郎は「がん」であり、小澤征爾、桑田佳祐は「がんもどき」だと解説する。でも、全員、がんの摘出手術は受けており、社会に復帰したかどうかで「がん」か「がんもどき」かを分けているだけなのではないか。つまり“あと出し”なのではないかと疑念がわいてくるのだ。

 しかし、この疑念に対し、近藤氏は同書でこうはねつける。

「がんがみんな同じ性質なら、全員転移するか、全員転移しないかのはずです。それがバラバラなのは、がんがみんな同じ性質ではなく、がんには転移するものとしないものの2種類がある、ということ。そして転移するがんは最初から転移する能力を備えていて、最初にできたがんが大きくなって発見されるよりも前に、がん細胞が体中にばらまかれている。そう考えなければ、つじつまが合わないのです」
「がんもどき理論は、がんと診断された患者さんがどう行動するか、その判断を助けるための考え方です。この理論にとってある患者さんのがんが、本物のがんか、がんもどきかはどちらでもいいのです。なぜならば、もしある患者さんのがんが本物であれば、転移があるので何をしても治らないから、治療することはムダ。これに対し、もどきであれば、放っておいても転移しないので、治療の必要がない。どちらにしても、治療の必要がないわけです。そして治療を受けなければ、本物のケースも、もどきのケースも、手術や抗がん剤で命を縮めることはなく、治療を受けた場合より長生きすることができます」

 そして、現在のがん治療は命を縮め、医療界に巣くう“がん診療ワールド”を潤わせるだけだと指摘する。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

白い巨塔〈第1巻〉 (新潮文庫)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

近藤誠医師の“がん放置”理論は現代医学への警鐘か、危険な宗教かのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。がん医療小石川シンイチの記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 “G7でぼっち”菅首相フォローのため甘利明やFNNが妄想ストーリー
2 「五輪子ども動員」強行のために東京都が“キャンセル案内文書”を隠蔽!
3 五輪の有観客開催強行のため菅首相が会見で空疎な嘘を連発!
4 組織委が五輪取材の海外メディアに「隔離0日」になる“抜け穴”例文を提示!
5 葵つかさが「松潤とは終わった」と
6 G7で“借りてきたネコ”状態の菅首相をヨイショするためNHKがフェイク!
7 五輪映画監督の河瀨直美が露骨な五輪礼賛発言、反対の声を八つ当たり扱い!
8 国会延長拒否の菅政権が「土地規制法案」だけ強行採決へ!その危険な中身
9 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
10 「大阪の自宅死が全国最多」でも吉村知事を追及できないマスコミ 朝日も…
11 高須院長が田中事務局長と鈴木宗男に超法規的なリコール期限延長を陳情
12 吉村知事の大阪府は「時短協力金」支給も大幅遅れでダントツ最下位! 
13 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
14 吉本芸人「ほんこん」のサムすぎるネトウヨぶり!
15 JOC経理部長の飛び込み自殺で囁かれる「五輪招致買収」との関係,
16 平井卓也のヤクザ並み恫喝はオリパラアプリのデタラメ発注をごまかすため! 
17 五輪組織委の現役職員が異常な人件費と中抜きの実情を告発!
18 安倍首相が会見も新しい対策ゼロ! 質問打ち切りに記者から怒号
19 パブリックビューイング中止は嘘!井の頭、日比谷、上野は開催、代々木公園も
20 植村隆の名誉毀損裁判で不当判決!櫻井よしこの捏造を無視
1JOC経理部長の飛び込み自殺で囁かれる「五輪招致買収」との関係,
2五輪組織委の現役職員が異常な人件費と中抜きの実情を告発!
3炎上、竹中平蔵がYouTubeで「一部の既得権者が利益」とおまゆう発言
4「大阪の自宅死が全国最多」でも吉村知事を追及できないマスコミ 朝日も…
5変異株クラスター発生のなか…政府は病床使用率の変更
6組織委が五輪取材の海外メディアに「隔離0日」になる“抜け穴”例文を提示!
7「五輪子ども動員」強行のために東京都が“キャンセル案内文書”を隠蔽!
8G7で“借りてきたネコ”状態の菅首相をヨイショするためNHKがフェイク!
9平井卓也のヤクザ並み恫喝はオリパラアプリのデタラメ発注をごまかすため! 
10国会延長拒否の菅政権が「土地規制法案」だけ強行採決へ!その危険な中身
11吉村知事の大阪府は「時短協力金」支給も大幅遅れでダントツ最下位! 
12高須院長が田中事務局長と鈴木宗男に超法規的なリコール期限延長を陳情
13“G7でぼっち”菅首相フォローのため甘利明やFNNが妄想ストーリー
14五輪の有観客開催強行のため菅首相が会見で空疎な嘘を連発!

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄