箱根駅伝を連覇、青学・原監督はレース中の檄もチャラかった! 駅伝選手と監督の名言集(ただし腐女子目線)

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箱根駅伝公式Webサイトより


 2016年、第92回の箱根駅伝は予想通り、青山学院大学が圧倒的な強さで連覇を果たした。1区から一度もトップを譲らない完璧な走りは、王者の風格。昨年の優勝がフロックでなかったことを証明したといえるだろう。

 駅伝ではこれまでほとんど名前を知られていなかった青学がここ数年、急速に力をつけたのは、原晋監督の手腕におうところが大きい。

 駅伝といえば、今でも根性論を前面に出す指導が主流だが、原監督は監督と選手、学年で上下関係をつくらず、部員を怒ることなんてほとんどしない。掲げる作戦名も、昨年は「ワクワク大作戦」、今年は「ハッピー指数大作戦」と、明るいというか、軽い。しかし、この明るいのびのびとした指導が選手をプレッシャーから解放し、青学を強くしたのである。

 本サイトは、昨年、駅伝監督と選手の名言を特集。その中で、原監督がレース中、選手にかける言葉もチャラかったことを暴露した。同記事には他にも駅伝ならではのグッとくる言葉や腐女子を萌えさせる言葉が満載なので、ぜひこの機会に読み返してみてほしい。
(編集部)

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 箱根駅伝がいよいよスタートする。今年で第91回目を迎える正月の風物詩だが、近年では元AKB48・篠田麻里子やグラビアアイドル・吉木りさもファンであることを公言し、ファッション誌「MORE」(集英社)でも特集が組まれるなど、“駅伝女子”も増加中だ。筆者もそのひとりで、放送中はテレビにかじりつき、予選会は現地で観戦、オフィシャルグッズのボールペンまで愛用している。

 いったい箱根駅伝の何が女子の心をひきつけるのか? 篠田麻里子は自身のツイッターで「皆さんの頑張りに励まされます(^^)」などとキラキラ女子らしい感想を述べているが、完全に萌え目線で見ている筆者からすると「妄想ポイントが目白押しなんですわ、ゲヘヘ」という感じである。

 ゲヘヘ派の駅伝女子の教祖と言えるのが、箱根駅伝小説『風が強く吹いている』(新潮社)を書き、BL好きとしても知られる作家・三浦しをんだ。三浦は『妄想炸裂』(新書館)において、箱根駅伝の萌えポイントとして「個人競技と団体競技のおいしいところがうまくミックスされている点。つぎに、選手たちがどうやら普段から団体生活を営んでいるらしい点。最後に、関係性のパターンに広がりを持たせられる点」の3つを挙げているが、まさにその通り! 観戦していても、先輩選手にタスキを渡した後輩選手が頭を撫でられていたり、ゴールした選手を仲間が笑顔で抱きとめてあげたりと、選手同士の仲のよさがうかがえるシーンが多く、腐女子としてはたまらないのだ。

 まあ、実際のゲヘヘポイントはテレビ中継でご確認いただくとして、今日はリテラらしく“言葉で萌える箱根駅伝”ということで、選手や監督の名言集をお届けしよう。

 やはり、最初はその三浦先生も熱く語る選手同士の「関係性」がうかがえる発言。『箱根駅伝 勝利の名言 監督と選手34人、50の言葉』(生島淳/講談社)に、それを代表するような名言が載っていた。

「タスキを手渡すこと、これには目に見えない力が宿っています」

 2011年に5区を走った早稲田大学・猪俣英希の名言である。ポイントは、猪俣クンの5区は芦ノ湖でゴールとなるためタスキを渡す機会がないこと。でも、猪俣は翌朝、スタート地点で6区を走る高野寛基にタスキを手渡したのだという。

「なにか、自分の気持ちを込めて、高野にタスキを渡したかったので」
 そして、猪俣からタスキを受け取った高野は6区で東洋大を追い抜き、早大の総合優勝に貢献した。

 どうですか。これ。もうたまらんでしょう。普段は「絆? ハァ?」とか思ってる筆者も、こんな話を聞かされると、「猪俣が具体的に説明しなかった“なにか”こそ、チームの絆なんですよ!」とか、熱弁をふるってしまいそうだ。

 この数年、箱根駅伝最大のスターといえば、やはり東洋大学の“山の神”柏原竜二(現・富士通)だが、この柏原も名言を残している。2011年、トップでゴールして往路優勝を決めた後に柏原はこう叫んだ。

「やったぞ田中!」

 田中とは同級生・田中貴章のことで、“山の神”として注目されるプレッシャーからシーズンを通してスランプに陥っていた柏原を優しく励ましてくれていたのだという。無事に走り終え、感謝の気持ちが募って叫んでしまった……。この台詞を聞いてテレビの前でのけぞる腐女子が続出したらしい。

 柏原が卒業年となった2012年にも田中がらみの名言が。走り終わった柏原が7区での走行を控える田中に「俺の貯金(リードしたタイム)を全部使っていい」と電話をかけ、田中は「区間賞取ったるわ!」と返答、見事に有言実行で区間賞を成し遂げた――というエピソードも。美しい友情だなあと普通に感動しつつ、「事実は小説よりも萌えなり」という言葉が頭をちらつく。おそるべし、リアル男子の友情。

 東洋大絡みの言葉をもうひとつ、再び『勝利の名言』から紹介しよう。2011年、わずか21秒差で早大に敗れた東洋大。ひとりあたり2秒と少し縮めていれば……という惜敗の悔しさから、選手たちは“1秒をけずりだす”という意識で練習に励むようになったという。部員同士で「けずれ、けずれ」と声をかけあうこともあったそうだ。そして迎えた2012年の箱根駅伝で、東洋大は2位の駒澤大学に9分以上の差をつけて圧勝。絆の勝利だ!と胸が熱くなるエピソードだ。合言葉は「その1秒をけずりだせ」に形を変えて残り続け、2014年には選手の腕にマジックインキで書かれていたが、一部の選手はチームメイトに書いてもらったのだという。想像すると顔がほころぶ光景だ。

 とまあ、ここまでは王道の名言を昇華してきたが、箱根駅伝にはもっとマニアックな萌えポイントもある。それは監督。三浦しをんや、お菓子研究家・福田里香、編集者・岡田育らの対談集『駅伝女子放談』(SHIBUYA PUBLISHING & BOOKSELLERS)でも、監督萌えトークに花が咲いている。

 例えば、スパルタ指導で知られる駒澤大学・大八木弘明監督。『勝利の名言』ではレースの最後で脚を叩く選手に対し「『叩く暇があったら、走れ!』とまで言ってしまった(笑)」と明かしているが、読んでるこっちは笑えないレベルの鬼監督ぶりである。しかし、ただ厳しいだけではない。『駅伝女子~』によると、2009年に総合13位に沈んだ際、試合後に「お前達は何も悪くない、俺のせいだー!」と大泣きしていたのだという。スポーツ漫画を地でいく熱血監督だ。眼鏡とスーツが似合うインテリ風の見た目なので、そのギャップも二次元的である。

 大八木監督と違うベクトルの厳しさを感じるのが、東洋大・酒井俊幸監督。イケメンというよりはかわいい系の見た目とは裏腹に、立ち振るまいは非常にクールで、2012年の全日本駅伝では区間賞を獲得した5区の高久龍に対して「いい走りをした」と評しながらも「あくまで駅伝ですから、先頭に立たないことには、責任を果たしたことになりません」とコメントしている(『勝利の名言』)。そんな冷静を通り越してドSな酒井監督、『駅伝女子~』では「鉄紺騎士団と冷徹な姫」と評されている。30代男性をつかまえて「姫」って……という感じだが、一目見れば納得するはずなので、ぜひ選手に紛れる姿を探してみてほしい。

 早大・渡辺康幸監督は、ふっくらした見た目通りの親しみやすいキャラクター。2010年には食べずに飲むだけという過酷なダイエットでピーク時より体重を12キロも減らしたというが、その理由は「箱根駅伝で優勝して胴上げをされるため」(しかしすぐにリバウンド)。また、『勝利の名言』においては「柏原が迫ってくる80分間、これは本当に地獄ですよ」「いやあ、柏原が卒業して本当に助かりました」と本音をぶっちゃけており、「おいおい、しっかりしてくれ!」とツッコミたくなるが、どこか憎めない、愛され系の監督だ。残念ながら今年で退任ということで、最後はぜひ、笑顔で胴上げされる姿が見たいです!

 青学・原晋監督は選手思いの優しい監督である。また、青学のイメージどおり考え方もイマドキな様子。レース中のサングラス着用の是非を問うた『スポーツ報知』の連載「箱根駅伝への道」(2014年3月6日)では、「故郷の両親や恩師に頑張っている顔を見せるべき」(東洋大・酒井監督)、「学生らしいスタイルで走るべき。ただ、選手がしっかりした理由を持って『使用したい』と言ってきたら考えます」(駒大・大八木監督)などの意見があるなか、「ファッションでもいいでしょう。駅伝は泥臭いスポーツですが、おしゃれにスマートに走る。それが青山学院のスクールカラーであり、チームカラーですから」と答えている。また、『大学駅伝決算号 2013-14』(ベースボール・マガジン社)によると、選手に対して「中継所で彼女が待ってるんだろ! 区間賞くらい取っていけ!」と檄を飛ばしたこともあったという。さすが青学、チャラいぞ(褒め言葉)!

 10区間で合計217.1Kmを走り切る箱根駅伝。ここまで挙げたような選手の関係性や監督のキャラクターを知っていると、ついつい萌え目線で鑑賞してしまうのだが、もちろんスポーツとしてもちゃんと楽しみたい気持ちはある。そこで、各大学の戦略などを調べておこうと『月刊陸上競技増刊 箱根駅伝公式ガイドブック』(陸上競技社)を開いてみた。が、東洋大2年・服部弾馬の趣味が裁縫であるという事実を知り悶絶。「男子大学生が裁縫ってかわいすぎるだろ~!」と、やはり萌えが優先されてしまうのであった。
(野島 花)

最終更新:2016.01.03 01:30

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箱根駅伝 勝利の名言 監督と選手34人、50の言葉 (講談社+α文庫)

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