はあちゅう、詩織さん…セクハラ告発者バッシングがあまりに卑劣! 加害男性でなく「女性の落ち度」が非難される理不尽

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『はあちゅうの 20代で「なりたい自分」になる77の方法』(PHP研究所)

 ハリウッドの大物プロデューサーであるハーヴェイ・ワインスタインによる性暴力告発に端を発した「MeToo(私も)」の動きが、ようやく日本でも活発化してきた。

 ワインスタイン問題以前に日本では、伊藤詩織さんによる元TBS記者・山口敬之氏からのレイプ被害告発が起こっていたが、最近では人気ブロガーの「はあちゅう」こと伊藤春香氏の電通在籍時の先輩で有名クリエイター・岸勇希氏に対するセクハラ・パワハラや、演出家・市原幹也氏による立場を利用した性的関係の強要の事実があきらかになり、SNS上では自分が受けた性被害の実態を告白する女性の投稿が相次いでいる。


 しかし、その一方で目立つのは、告発する女性たちに対する誹謗中傷や、セクハラを矮小化しようとする卑劣なバッシングの数々だ。

 伊藤詩織さんに向けられた「そもそも一緒に酒を飲んだのが悪い」という信じがたい暴言に、はあちゅうへの「売名行為だ」という糾弾に、「お前も童貞差別をしていたくせに」という“どっちもどっち”を振りかざした攻撃。性的関係の強要を強いられた女性の告白に「ただの枕営業」「自分が得をしたかっただけなのにいまさらすぎる」という非難……。

 そして、ついにはツイッター上で、「AED(自動体外式除細動器)を男性が使った場合、多くの女性がセクハラで訴えるとアンケートで答えた」という旨の投稿に2万回を超えるリツイートがなされ、「セクハラで訴えられるから女性は見殺しにしてもいい」とでも言いたげな意見が溢れ、セクハラ被害を訴える女性の身勝手さを強調させた。その後、この投稿が「嘘」であったことを投稿者本人が認めたが、セクハラ告発をバッシングする流れは勢いづいたままだ。

 一体、この国はいつまでこんなことをつづけるのだろう。いまから約20年前の1999年、大阪府知事選において横山ノック氏がはたらいた強制わいせつとセクハラ行為に対して女子大生が民事訴訟を起こした際、ノック氏ではなく女子大生への攻撃と誹謗中傷が溢れかえった。女子大生は自殺を考え、入院しなければならないほどに追い込まれたことを自著で明らかにしているが、20年経ってもこの国は、このように加害者ではなく被害者を叩きのめそうとするのである。

 性暴力やセクハラ事件の発覚で繰り返される、「派手な服を着ていたのではないか」「女の言動が誤解を招くものだったのでは」「隙を与えた女が悪い」「夜にひとりで歩いていたのが悪い」「車に同乗したのが悪い」という被害者に対する批判。なぜ、被害者にばかり非難の声があがり、加害者の非道は指摘されないのか──。

 そうした問題について、「これは男性の問題だ」という声が上がっている。女性たちからだけではない、当の男性たちからも、だ。

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