山口敬之事件だけじゃない、裁判所ではレイプを“被害者の落ち度”とする判決が横行! 背景にある司法界の女性蔑視

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
blackbox_171019_top.jpg
山口敬之氏のレイプを告発した『Black Box』(伊藤詩織著 文藝春秋)

 本サイトでも伝えてきたように、元TBS記者の山口敬之氏が「復帰」した。山口氏は10月末発売の「月刊Hanada」(飛鳥新社)と「WiLL」(ワック)に寄稿し、つづけて花田紀凱編集長のネット番組『ちょっと右よりですが…』とネトウヨ向けネット番組『報道特注』に出演した。とくに『報道特注』ではシャンパンまで用意され、共演者から「山口さんの“おめでとう会”」という言葉まで飛び出した。

 そして、極右仲間たちにお膳立てされたそうした場で山口氏は、伊藤詩織さんの人格攻撃を織り交ぜた自己弁護を繰り広げている。しかし、本サイトが指摘してきたように、山口氏の主張だけを見ても、〈見るからに酔っ払って〉〈足元が覚束な〉いほど「泥酔」している詩織さんを自身の宿泊先であるホテルに連れ込んで性行為に及んだ、というもの。しかも、山口氏は主張のなかで触れていないが、避妊具もつけずに性交渉したことは本人も詩織さんとのメールのなかで認めている事実だ。

 さらに、一度は警察が逮捕状を出したことも事実であり、その背景にはタクシー運転手やベルボーイという第三者による証言のほか、詩織さんを抱えて引きずる山口氏の姿が映った防犯カメラ映像といった物的証拠の存在がある。睡眠、泥酔など心神喪失・抗拒不能の状態に乗じ性交におよぶことは、準強制性交等罪(旧・準強姦罪)にあたる。

 しかし、山口氏は検察審査会の不起訴相当という判断をもって「刑事事件としては完全に終結した」と主張。ネット上でも「検察審査会の判断が出たのだから山口氏は無罪」とする擁護意見が溢れている。

 だが、検察審査会の議決についても、さまざまな疑問がある。まず、議決の理由は〈不起訴処分の裁定を覆すに足りる事由がない〉という、理由になっていない理由が記されているだけ。さらにどのような証拠をもって審査されたかもわからず、その上、補助弁護人も付いていなかったのだ。このことについて、元検事である郷原信郎弁護士は「補助弁護人が選任されていないということは、“法的に起訴すべきだった”という方向において、専門家の意見は反映されていないことを意味しています」と答えている(「週刊新潮」10月5日号/新潮社)。

 一体、検察審査会ではどのような議論がなされたのか。審査会での議論内容は非公開のため知ることができないが、そもそも忘れてはならないのは、この国の司法の場においては、性犯罪に対してジェンダーバイアスによる偏見が蔓延り、男性目線の「レイプ神話」によって被害者女性こそが裁かれる場になっている、ということだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

山口敬之事件だけじゃない、裁判所ではレイプを“被害者の落ち度”とする判決が横行! 背景にある司法界の女性蔑視のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。セカンドレイプ伊藤詩織山口敬之編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 NHK新会長に安倍人脈の前田晃伸みずほ会長が抜擢された裏!
2 『ひるおび!』と恵は菅官房長官応援団!「桜を見る会」問題で露骨な菅擁護
3 世耕の不当イチャモンで『報ステ』に謝罪させたテレ朝上層部の愚
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 菅官房長官「政府支援で高級ホテル50カ所に新設」に非難殺到
6 『THE MANZAI』ウーマン村本がこだわった「透明人間」たちの思い
7 田崎史郎が御用批判に失笑の言い訳
8 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(前編)
9 安倍が国会閉会会見で「桜を見る会」に自分から触れず! 会見は出来レース
10 消費増税で景気が東日本大震災直後に次ぐマイナスに!
11 菅原経産相辞任で田崎史郎不在の『ひるおび!』が政権批判
12 安倍の成蹊時代の恩師が涙ながらに批判
13 安倍政権御用ジャーナリスト大賞(後編)
14 「朝生」で田原総一朗よりさきに「下村文科相」名前を出した出演者
15 安倍政権が「桜を見る会」ごまかしで「反社の定義は困難」の閣議決定
16 マツコ「安倍首相は馬鹿」にネトウヨが
17 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
18 報ステ後藤謙次の安倍批判がキレキレ!
19 自民党がネトサポに他党叩きを指南
20 進次郎も加担したフェイク演説
1久米宏が「テレビが反韓国キャンペーンをやってる」と真っ向批判
2安倍政権・厚労政務官が外国人在留申請で口利き「100人で200万円」
3 玉川徹がGSOMIA破棄で加熱するテレビの嫌韓煽動を批判
4明石家さんまが吉本上層部と安倍首相の癒着に痛烈皮肉!
5『ゴゴスマ』で今度は東国原英夫がヘイト丸出し、金慶珠を攻撃!
6『報ステ』の“安倍忖度”チーフPがアナやスタッフへの“セクハラ”で更迭
7『ゴゴスマ』で「日本男子も韓国女性が来たら暴行しなけりゃいかん」
8文在寅側近の不正に大はしゃぎの一方、安倍政権が厚労政務官の口利きに無視
9埼玉知事選で警察が柴山文科相への抗議を排除!柴山も表現の自由否定
10安倍首相がトランプからトウモロコシ爆買い
11菅官房長官「トウモロコシ大量購入は害虫被害対策」は嘘
12 GSOMIA破棄は安倍のせい 慰安婦合意から始まった韓国ヘイト政策
13安倍が後に先送り財政検証の酷い中身
14 GSOMIA破棄で日本マスコミの「困るのは韓国だけ」の嘘
15 松本人志や吉本上層部批判の友近、近藤春菜にバッシング、報復か
16『週刊ポスト』の下劣ヘイト記事は「小学館幹部の方針」の内部情報
17GSOMIA破棄!八代・有本ら安倍応援団は「嫌なら来るな」
18 『モーニングショー』で「暑さに耐えるのが教育」元高校野球監督は右派論客
19 古市憲寿の芥川賞候補作「参考文献問題」に選考委員が猛批判
20『関東大震災「朝鮮人虐殺」はなかった!』のデマとトリックを暴く

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄