サンフランシスコ慰安婦像問題拡大の原因は日本の歴史修正主義! 公聴会で慰安婦を攻撃し「恥を知れ」と説教されていた

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

サンフランシスコ市公聴会での右派団体の発言に猛反発が

 そもそも右派は、今回のサンフランシスコ慰安婦像問題について“背景には中国と韓国の市民団体の仕掛けがある”などと言いふらしているが、それだけで立場の違う市議会が全会一致になるわけがない。

 実は真相は逆で、ここまで事態を拡大させたのは、むしろ日本のファナティックな歴史修正主義運動のほうだったのではないか。

 鍵を握っているのは、2015年、前述したサンフランシスコ市議会が慰安婦像設置支持の議決を行う前に開いた公聴会だ。2015年9月、慰安婦像設置問題に関する市監理小委員会が開いたこの公聴会には、反対側として、「歴史の真実を求める世界連合会」(GAHT:代表・目良浩一氏)をはじめ、歴史修正主義団体関係者が参加していた。同会ホームページによれば、GAHTの日本法人は右派評論家の加瀬英明氏を会長とし、元「新しい歴史教科書をつくる会」会長の藤岡信勝氏や、極右団体「なでしこアクション」の山本優美子氏らが発起人。GAHTは米グレンデール市の慰安婦撤去を求める訴訟などの運動を展開(なお一審敗訴のうえ二審でスラップ訴訟に認定されて罰金を受け、連邦最高裁の上告棄却で敗訴確定)するなどしている。

 公聴会ではまず、元慰安婦の李容洙氏によるスピーチが行われた。李容洙氏は、先日のトランプ米大統領の訪韓の際、晩餐会に招待され、挨拶の抱擁を交わした韓国人女性だ。日本の右派メディアが「反日晩餐会」(産経)、「反日政治ショー」(zakzak)などと下衆なバッシングをしかけたのも記憶に新しい。

 これに対して、GAHT代表の目良氏らは、像の設置に反対の立場から発言した。しかも、「この国で世間一般に喧伝されている慰安婦の物語の数々はまったく間違っています」「たとえば(慰安婦被害の数が)『20万人』、真実ではない。『強制連行』、真実ではなかった。『性奴隷』というのも真実ではありません」などと歴史修正主義を全開したうえで、李氏が公聴会で言ってもないことをもちだして“彼女の証言は間違っている。信用できない”と罵倒、委員長のエリック・マー氏から「目良さん、李さんはそんなことを言っていません。あなたは彼女を嘘つき呼ばわりしているのですか?」と注意される一幕もあった。

 つまり、この右派団体の元慰安婦女性へのファナティックな攻撃が逆に監理小委員会の反発を買い、「全会一致での決議」という状況を招いた可能性があるのだ。

 今回、大阪市とサンフランシスコ市の姉妹都市解消問題を機に、2015年のこの公聴会の模様を書き起し翻訳した通訳・翻訳者の勝見貴弘氏は、ツイッターでこう指摘している。

〈2年前に行われたこの3時間半ものやりとりは確実に、現在の大阪市とサンフランシスコ市との姉妹都市関係の解消に影響している。このやりとりの中で不毛な発言があったからこそ、決議は微妙な情勢で通らない筈が一点して全会一致で採択される事態となった。対立が尖鋭化したことは想像に難くない。〉

 実際、ネットにアップされたこの公聴会の映像をみてみると、歴史修正主義団体のファナティックな言動がサンフランシスコ市議らの心象を著しく悪化させたことを物語るシーンが出てくる。それは、市監理小委員会委員のデヴィッド・カンポス氏の発言だ。ここからは前述の勝見氏が非常に精緻な翻訳をしているので、それを引用させてもらうが、公聴会のすべての発言者の話が終わったあと、カンポス氏は委員席からこう語っている。

「ただ、この議場に来られた方々の中で、過去に起きたことを否定するために声を上げられた、聴衆の一部の方々に対しては申し上げたいことがあります。これは最大限の愛と敬意を込めて申し上げることですが、恥を知りなさい。恥を。過去に起きたことを否定する自分たちを恥じ、そしてここにおられるグランマ・リーさんを、勇敢にも、地球の裏側からこの地を訪れ、自らの真実を語った彼女を、個人的に攻撃したことを恥じてください」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

サンフランシスコ慰安婦像問題拡大の原因は日本の歴史修正主義! 公聴会で慰安婦を攻撃し「恥を知れ」と説教されていたのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。サンフランシスコ安倍政権慰安婦朝日新聞編集部の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 安倍が甘利明を党三役に起用、改憲の旗振り役に
2 大坂なおみの母親が日本で受けた結婚めぐる人種差別
3 “自衛隊OB軍事評論家の子女”防衛大生の交通事故めぐり忖度疑惑
4 加藤浩次が五輪批判に「外野がウダウダ言うな」
5 BBCが山口事件の被害者・詩織さんを特集
6 BTSと秋元康のコラボ中止で浮き彫りになった日本のガラパゴスぶり
7 神社本庁の田中総長が辞意、原因は不動産不正取引疑惑
8 林真理子が文春で山口敬之問題に言及!
9 宮崎駿も鶴瓶も安倍政権にNO!
10 八代弁護士とせいじが消費税で「たかだか2%」の暴論
11 前川前次官が田崎スシローを批判!
12 3選安倍首相の秋葉原街宣で参加者に謎の茶封筒が…
13 沖縄県知事選で佐喜真陣営が予算をエサに建設業者を動員
14 グッディ!土田マジギレ真の原因
15 安倍首相が圧力問題で自分の嘘をバラし犯人を示唆
16 樹木希林が辺野古に現れた日
17 安倍首相が秋葉原街宣で動員以外の一般市民を排除
18 つんく♂が秋元のメンバー差別に
19 『報ステ』小川彩佳降板は政権批判が原因か
20 『ZERO』降板の村尾、安倍首相ブチギレ事件
1安倍首相が秋葉原街宣で動員以外の一般市民を排除
2大坂なおみの母親が日本で受けた結婚めぐる人種差別
33選安倍首相の秋葉原街宣で参加者に謎の茶封筒が…
4“自衛隊OB軍事評論家の子女”防衛大生の交通事故めぐり忖度疑惑
5「新潮45」でLGBT攻撃!小川榮太郎と安倍の関係
6安倍が甘利明を党三役に起用、改憲の旗振り役に
7沖縄県知事選で佐喜真陣営が予算をエサに建設業者を動員
8 「新潮45」杉田水脈擁護に安倍応援団揃い踏み
9 八代弁護士とせいじが消費税で「たかだか2%」の暴論
10加藤浩次が五輪批判に「外野がウダウダ言うな」
11神社本庁の田中総長が辞意、原因は不動産不正取引疑惑
12 BTSと秋元康のコラボ中止で浮き彫りになった日本のガラパゴスぶり
13 秋元康のガールズバンド計画が大炎上
14安倍首相が圧力問題で自分の嘘をバラし犯人を示唆
15樹木希林が辺野古に現れた日
16安倍首が総裁選討論会で嘘と逆ギレ連発
17沖縄県知事選で創価学会幹部が暗躍
18安倍首相が総裁選でトンデモ発言継続中
19安室奈美恵のラストライブをめぐり自民党が
20大坂なおみを“日本スゴイ”に利用する政治家とメディア

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄