サンフランシスコ慰安婦像問題拡大の原因は日本の歴史修正主義! 公聴会で慰安婦を攻撃し「恥を知れ」と説教されていた

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政府ぐるみの歴史修正主義が国際社会の反発を招いている

 また今年に入ってからも、新たに国立公文書館が慰安婦の強制連行に関連している公文書19件を内閣官房に提出したが、これは専門の歴史研究者らが発掘した東京裁判やBC級戦犯裁判の記録の一部だ。たとえば、バタビア裁判106号事件の記録(判決文)には「婦女及び娘達は、自己の意思に反してスマランの遊女屋に入れられたものであり」などの記載がある。また、バタビア裁判25号事件の記録には、「戦中の前後約四ケ年間に二百人位の婦女を慰安婦として奥山部隊の命により、バリ島に連れ込んだ」などの証言が記されている。さらに、ポンチャナック裁判13号事件の記録には、「特警察が強制売淫をなさしむる目的を以て彼女らの意思に基ずして少女夫人を拉致せるを黙認せり」「其の命により二十名の少女・婦人等は自己の意思に基かずして(略)慰安所に入所せしめたる上強制的に淫売婦たらしめたり」という記述がある。これが強制性を示す証拠でなくてなんなのか。

 ようするに、サンフランシスコ市の慰安婦像に対する日本政府らの過剰反応も、朝日慰安婦報道問題に乗じて大合唱が始まった「性奴隷はウソだった」「強制連行はなかった」などという一連の歴史歪曲の手法とまるきり一緒、そういうことだろう。つまり、大阪市の吉村市長が「姉妹都市解消」宣言という誰の目にも行き過ぎな態度を示し、安倍政権も同時にわざと大きなリアクションをとる。そうすることで、慰安婦問題の全てを「ウソ」と思い込ませるよう世論を形成する。朝日の一件を考えると、そういう卑劣な作戦としか思えないのだ。

 何度でも言うが、慰安所は日本軍の関与のもとで存在し、そこでは慰安婦たちが性的暴力にさらされていた。事実、自民党「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」の中曽根弘文委員長の父・中曽根康弘元首相も、海軍将校時代の回想録で自ら「原住民の女を襲う」部下のために「苦心して、慰安所をつくってやった」と記しており、それを裏付ける戦時資料が防衛省のシンクタンク・防衛研究所で見つかったことは、本サイトでも既報の通りだ。

 ところが、安倍政権や日本の右派はこの歴史的な事実を封じ込めようとさまざまな圧力、印象操作を加え始めた。

 カンポス委員は先の公聴会のスピーチに続けて「私はこの事実否定の裏に日本政府が居ないことを願っています。日本政府の取組みは評価しているので、このようなことに加担してはいないと願います。もし加担しているならば、二重の罪を犯したことを意味するからです。加害の上に侮辱を重ねたことになるからです」(前述・勝見氏訳)と語っていたが、まさに、政府ぐるみで「侮辱行為」を行ってきたと言ってもいいだろう。

 だが、こんな卑劣な世論操作で国内は騙せても、国際社会には通用しない。それこそ、日本の歴史修正主義への反発として、“ウルトラライト”“リビジョニズム”との批判の声がさらに強まり、新たな糾弾運動が世界中に広がっていく。

 そういう意味では、日本の信用を地に落としているのは、慰安婦という歴史でなく、その歴史を政府ぐるみで否定しようとする動きではないのか。

 日本国民が本当に誇りを取り戻したいなら、必要なのは、慰安婦像の撤去を求めることなどではない。わたしたちひとりひとりが歴史の事実を正面から受け止め、異常な歴史否認のやり口に徹底した批判の声をあげていくこと。それこそが、日本の「名誉と信頼」回復につながるはずだ。

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