百田尚樹の改憲扇動小説『カエルの楽園』の安易さがスゴい! はすみとしこ大絶賛でネトウヨ同士意気投合(笑)

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 もちろん、プロメテウス=安倍ガエルは、9条信者ガエルや朝日新聞ガエルと対比的に、じつに現実路線の聡明なカエルとして描かれる。といっても、対話を求める日本人ガエルに対して安倍ガエルが主張するのは「話し合いですって? 相手は凶悪なウシガエルですよ」という、美化しても実際の安倍首相と大して差のない中身スカスカのことしか言えないのだが。

 そんななか9条信者ガエルたちは「三戒違反だ!」と反発し、さらには「プロメテウスの横暴を止めます。仲間たちと一緒に頑張っていきます」と若者ガエルの集団・フラワーズ(=SEALDs)までもが登場。当然ながらここでも百田氏はSEALDsガエルたちを〈いずれもオタマジャクシからカエルになったばかりの若いカエルたちで、お尻にシッポが残ったままです〉と説明するなど、稚拙な集団であることを強調して描くという悪意を見せている。

 そしてここからの展開が、百田氏が描きたかった本題なのだろう。現実とは違い、安保法制は民衆の猛反対により否決されるのだが、その結果、ナパージュにウシガエルが上陸。また、ついにはタカ(=アメリカ)が見張らなくなった地域(沖縄か?)をウシガエルたちが占拠するのだ(無論、ウシガエルに適応されるであろう個別的自衛権は、この物語には存在しない。というか、ふれない)。ここで現れるのはもちろん安倍ガエルで、毅然と「三戒を破棄することを提案します」と述べる。現実さながらの憲法改正、しかも9条撤廃案である。

 だが、日本人ガエルたちは不戦を掲げ、三戒放棄案を否決。自衛隊ガエルは目を潰され腕を切り取れ、日本人カエルたちは平和が守られたと大歓喜。でも、その最中にもウシガエルによる日本人ガエルの大殺戮がおき、あっという間に国中をウシガエルが占拠。ナパージュ=日本は亡びたとさ。……おしまい。

「なるほど。平和主義者たちが叫ぶ『9条を守れ』の声をのさばらせておくのはこんなにコワイ結果を招くのか!」などという、そういう感想が出ることを期待して百田氏は本作を書いたのだろうが、これ、たんなる百田氏およびネトウヨの妄想ではないか。実際、「そうだ難民しよう」イラストで一躍ヘイト有名人となったはすみとしこ氏は、ツイッターで百田氏にこんなメッセージを送っていた。

〈今日届き、数時間で読破いたしました!読みやすい!わかりやすい!問題提起様々、いろいろ考えさせられる作品でした。どの段階ならカエルの国を守れたのだろうかとか。。難しいです。ぜひ若い子に読んで頂きたい秀本だと思います!九条はカルトだ!〉

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