紀香・熊切と二股疑惑の片岡愛之助、海老蔵…歌舞伎役者はなぜモテる? 歌舞伎の発祥に理由が…歌舞伎とセックスの関係とは

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 日本史の教科書にも出てくる話だが、歌舞伎は、1603年、出雲阿国率いる若い女優の一団が京都で興行した踊りに起源があると言われている。「FLASH」(光文社)2015年8月4日号で、立命館大学文学部の赤間亮教授はこう語る。

「阿国はそれほど美人ではなかったと伝えられています。熱狂的に受け入れられたのは、その歌舞伎は男の姿をした女性と女が扮する男性が絡むトランスジェンダー(生まれついての性に縛られない)という趣向があり、そのうえ着物の裾が割れて、太ももまで見えてしまうような激しい踊りだったからです。不思議なエロチシズムに当時の人は新しさを感じたのでしょう」

 400年以上前から、現在の“男の娘”“男装女子”につながる感覚が日本人にはあったということか。

 こうして広がった歌舞伎踊りだが、客引きの手段として売春行為が横行するようになり、禁止となる。そこで、次に広がったのは、若い美貌の少年が演じる若衆歌舞伎だった。しかし、これも、“性”とつながってしまうことで規制されることになった。

「蜘蛛を表現するためロープ伝いで空中から舞台に滑り降りてくるなど、軽業の激しい舞台でした。若い男の子が肉体の躍動感で魅せる舞台。江戸は武士がつくった街で、男の比率が女より極端に高く、男色は特殊なものではありませんでした」

 1640年に遊女歌舞伎が、1652年に若衆歌舞伎がそれぞれ規制された後に登場する野郎歌舞伎が現在の歌舞伎に連なるものだ。

 この時の幕府の対応が狙っていたものについて「Pen」(CCCメディアハウス)2015年7月1日号で、作家の松井今朝子氏はこう解説する。

「再上演されることになった歌舞伎の条件はふたつ。ひとつは若衆のシンボルである前髪を剃り落としたいわゆる「野郎歌舞伎」であること。ふたつめは写実的で劇的な演目である「物真似狂言づくし」を演ずること。売春的な要因を排するのが狙いだ」

 これにより、若衆も女性も登場しない、いまの歌舞伎の姿ができあがった。必然的に男が女役を演じることになり、女形もこの時代に登場することになった。

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