紀香・熊切と二股疑惑の片岡愛之助、海老蔵…歌舞伎役者はなぜモテる? 歌舞伎の発祥に理由が…歌舞伎とセックスの関係とは

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片岡愛之助オフィシャルブログより


 片岡愛之助が8月28日、自身のブログで、かねてから噂されていた熊切あさ美・藤原紀香との三角関係疑惑を否定し、正式に藤原紀香との交際を発表したことが話題となった。改めて、歌舞伎役者のモテっぷりを感じさせてくれた今回の片岡愛之助の騒動だが、それにしても歌舞伎役者たちの女性遍歴はすさまじい。

 近年のものをさらうだけでも、市川海老蔵は米倉涼子、宮沢りえ、佐藤江梨子を経て小林麻央と結婚。ちなみに、彼は市川新之助時代の2003年に元歌手の女性との間で隠し子騒動も起こしている。そして、先日再婚した中村獅童は竹内結子との結婚・離婚に、篠原ともえ、岡本綾、高岡早紀、鈴木砂羽らとも浮名を流した。

 モテモテなのは若手だけではない。葬儀で尾上菊五郎が「あなたは「姫路城が好きだ、彦根城が好きだ」と言っていたけど、ホステス嬢やキャバクラ嬢も好きでした」と、「城」と「嬢」を掛けた粋な弔辞をしたことでも話題となった故・坂東三津五郎。彼は1996年、当時フジテレビアナウンサーだった近藤サトと不倫のうえ、結婚。そして、2年ともたずスピード離婚している。

 その坂東三津五郎と親友だった故・中村勘三郎も女性とのスキャンダルには事欠かなかった。太地喜和子、大竹しのぶ、宮沢りえ、椎名林檎……と、列挙したらそれだけで紙幅が尽きてしまうのではないかというほど。

 もうキリがないのでこれぐらいにしておくが、歌舞伎役者はなぜこれほどまでにモテるのだろうか。「“歌舞伎”という伝統芸能を受け継ぐ者としての“気品”や“品格”が女性を魅了する」という、巷間言われている説も、もちろん理由の一端ではあるだろう。

 だが、“歌舞伎”のルーツや歴史をたどっていくと、歌舞伎はもともと“性”に直接的に関わるものであり、発祥の時点ですでに観る者(男も女も)のリビドーを刺激するエンターテインメントであったのだ。

 そんな歌舞伎を演じているのだから役者はモテるのは当然。しかも、江戸時代の彼らの“モテ”っぷりは現在の比ではなかったという。

 日本史の教科書にも出てくる話だが、歌舞伎は、1603年、出雲阿国率いる若い女優の一団が京都で興行した踊りに起源があると言われている。「FLASH」(光文社)2015年8月4日号で、立命館大学文学部の赤間亮教授はこう語る。

「阿国はそれほど美人ではなかったと伝えられています。熱狂的に受け入れられたのは、その歌舞伎は男の姿をした女性と女が扮する男性が絡むトランスジェンダー(生まれついての性に縛られない)という趣向があり、そのうえ着物の裾が割れて、太ももまで見えてしまうような激しい踊りだったからです。不思議なエロチシズムに当時の人は新しさを感じたのでしょう」

 400年以上前から、現在の“男の娘”“男装女子”につながる感覚が日本人にはあったということか。

 こうして広がった歌舞伎踊りだが、客引きの手段として売春行為が横行するようになり、禁止となる。そこで、次に広がったのは、若い美貌の少年が演じる若衆歌舞伎だった。しかし、これも、“性”とつながってしまうことで規制されることになった。

「蜘蛛を表現するためロープ伝いで空中から舞台に滑り降りてくるなど、軽業の激しい舞台でした。若い男の子が肉体の躍動感で魅せる舞台。江戸は武士がつくった街で、男の比率が女より極端に高く、男色は特殊なものではありませんでした」

 1640年に遊女歌舞伎が、1652年に若衆歌舞伎がそれぞれ規制された後に登場する野郎歌舞伎が現在の歌舞伎に連なるものだ。

 この時の幕府の対応が狙っていたものについて「Pen」(CCCメディアハウス)2015年7月1日号で、作家の松井今朝子氏はこう解説する。

「再上演されることになった歌舞伎の条件はふたつ。ひとつは若衆のシンボルである前髪を剃り落としたいわゆる「野郎歌舞伎」であること。ふたつめは写実的で劇的な演目である「物真似狂言づくし」を演ずること。売春的な要因を排するのが狙いだ」

 これにより、若衆も女性も登場しない、いまの歌舞伎の姿ができあがった。必然的に男が女役を演じることになり、女形もこの時代に登場することになった。

 発祥の瞬間から、“性”や“エロティシズム”と密接な関係にあった歌舞伎だが、売春と関係が途切れることで、今度は江戸の女性たちの注目を一気に集めるようになる。歌舞伎役者のジャニーズ化がはじまっていく。

 その人気っぷりは、七代目市川團十郎にちなんだ浴衣や手ぬぐいが流行するほど。また、東洲斎写楽や歌川豊国などが描いた役者絵も大衆に広まっていく。それらはまるで、現在原宿などで大量に商いされているジャニーズショップのブロマイドやファングッズの先祖のようだ。

 そして、ジャニーズというとタレントの“結婚”問題が常に取り沙汰されるが、当時の歌舞伎界でも同様だった。「サイゾー」2007年6月号で、東京大学の古井戸秀夫教授はこんなエピソードを語っている。

「江戸時代、明和期の美貌の女形・二代目瀬川菊之丞は、人気がありすぎて、結婚すると人気が落ちてしまうから表向きは結婚をすることができなかったそうです。そこで、目立たないように外にお妾さんを囲いました。これが「囲い者」の始まりだといわれています」

 過熱した歌舞伎ブーム。遂には、歌舞伎役者の生島新五郎と、7代目将軍・徳川家継の大奥であった絵島が密会するという事件が起きた。今でいうなら、片岡愛之助と稲田朋美政調会長が密会といった状況か。ちなみに、この“江島生島事件”では、1400名もの関係者が処罰されたという。

 そして、モテすぎた歌舞伎役者たちは、やはり大衆が欲望した“性”とも密接な関係を結んでいく。

 ロンドン・大英博物館で行なわれた展覧会で9万人もの人を集め、9月19日からは東京・永春文庫で国内初の大規模な展覧会が開かれることにより、現在注目を集めている“春画”にも、歌舞伎役者は登場した。

 前出の「FLASH」で赤間教授はこう語る。

「役者には性的な魅力がありますから、春画界は放っておけなかったのでしょうね。性的場面に役者の似顔絵をはめ込んだ春本が登場しました。今で言うとアイコラみたいなものですね」

 紹介してきたように、歌舞伎というものが生まれた瞬間から、歌舞伎役者と“性的な魅力”は不可分の関係にあった。現代の片岡愛之助や市川海老蔵のモテっぷりも、歴史的必然なのである。

 逆にいうと、役者たちから“モテ”のオーラがなくなってしまう時、それは“歌舞伎”に力がなくなってしまう時でもある。前出の赤間教授の弁。

「不思議なもので、傾き者の精神を失いかけると人気が落ちるんですよ。常識から逸脱し、人を驚かせる新奇さこそ歌舞伎の生命なのです」

 現在の“歌舞伎再評価”の流れは、若手歌舞伎役者らが恋愛スキャンダルでワイドショーや週刊誌を騒がせ続けていることと無関係ではないだろう。それは歌舞伎の伝統であり、歌舞伎が芸術・芸能としてのパワーを保ち続けるために必要なものなのだから。
(田中 教)

最終更新:2015.09.05 11:59

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