『進撃の巨人』諌山創が腐女子ウケ狙いを告白!なのに実写版でリヴァイがいないのはなぜ…

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 その問題のインタビューが掲載されているのは、『進撃の巨人』特集が組まれた「BRUTUS」(マガジンハウス)12月1日号でのこと。そこで、インタビュアーからリヴァイの腐女子人気について「最初からそこを狙ったわけではありませんよね?」と聞かれた諫山は、次のように答えている。

「お姉さま方をがっかりさせてしまうかもしれませんが、自分の中にも腐女子がいるのかもしれないというか、これは腐女子にウケる気がする、というセンサーは働きました。『幽☆遊☆白書』の飛影みたいな雰囲気を狙っていて、造形ができた瞬間に「これはイケる」と確信したんです」

 そう、『進撃の巨人』はたまたま腐女子に人気になったのでなく、あらかじめ腐女子ウケを意識して描かれた作品だったのである。原作者である諌山が腐女子ウケを意識し、“自分の中にも腐女子がいる”とまで語っているのだ。腐女子を意識して映画の設定を変える、というのも十分考えられるのではないか。

『進撃の巨人』では、リヴァイ以外にもエレンの同期でライバル的存在でもあるジャンや、同じく同期のライナー・ブラウンとベルトルト・フーバーという同郷コンビなど、腐女子に好かれるキャラが多い。特に、人間臭さが魅力であるジャンの人気は高く、彼を好きすぎて語尾が「じゃん」になってしまう“ジャンフルエンザ”にかかる人々まで登場し、世界中の腐女子に猛威を振るった。また、作中で女性キャラに「女の方に興味があるようには見えなかったんだが……」と言われたライナーの誕生日が8月1日(801やおい)だったり、Blu-ray & DVD第7巻のブックレットでは「BL指数は高めなだけに、ジャンやアルミンも狙われている!? 目つきが危ない……。」という紹介文をつけられたりもしている。

 でも、こういったネタや上にあげたリヴァイとエレンの関係性もすべて諫山の計算だったとしたら、どうだろう。

 初期設定として男が好きと書かれていたり、何もない状態であからさまに関係性を描写したり、過去も含めて事細かく描きすぎると腐女子は萎えるし、妄想しようという意欲がわかない。しかし、諫山はそれをよくわかっているのか、前出の「ダ・ヴィンチ」2014年10月号のインタビューでも「キャラクターは多くを語らせないように描いています」と語った。でも、妄想のきっかけとなるタネやつなぎ合わせるための点は必要。そこで公式が上にあげたようなネタでときたま“燃料投下”してくると、さらなる盛り上がりを見せる。『進撃の巨人』にはそれらが絶妙に配置されているのだ。もし、これらの関係性や余白まで諫山が計算して意図的に作り出していたとしても、彼のなかに“腐女子がいる”のなら納得できる。

 それにしても、腐女子のツボをここまでおさえた、諌山の腐女子力は相当なものといえるだろう。彼の腐女子センサーのおかげで、『進撃の巨人』は腐女子層をゲットし、これほどの人気を得てきたのかもしれない。

 とすると、「腐女子をガッカリさせないために、あえてリヴァイ出さない」というのも、これだけ腐女子心をおさえた作品なら、あながちあり得ない話ではないし、賢明な判断かもしれない。原作に忠実すぎるあまり、マンガ的なキャラクターをそのまま生身の人間に置き換えて滑稽なことに……というのは、これまで幾多のマンガ原作の実写化が踏んできた轍だ。

 リヴァイのいない劇場版『進撃の巨人』でどれほどの集客が見込めるのか。この選択がどちらに転ぶかはわからないが、映画版にもしっかり関わっているという諌山の腐女子力とリヴァイの代わりに登場するシキシマに期待したい。
(田口いなす)

最終更新:2018.10.18 04:46

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