ネトゲだけでなくスマホアプリでも廃人に? 脳内に覚せい剤使用時と同じ変化が

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 ゲームの内容は異なれど、多くの課金型スマホアプリはこうした性格を持つ。単純な操作でレベルアップしていけるほか、他のプレイヤーと協力関係を結ぶことで、自分も他のプレイヤーも効率よくレベルアップできたりもする。しかし、いかんせん操作もゲーム内容も単純なので、作者も指摘するように、暇な時間についつい手を伸ばしがちになる。無料でもそこそこレベルアップできるが、効率よくレベルアップしたいという欲求にかられれば、それに必要なアイテムも簡単に購入できるため、つい課金してしまいがちな作りになっている。

 このようなインターネットやゲームに親しんでいる間、脳では何が起こっているのか。ロンドンのインペリアル・カレッジとハマースミス病院の研究者たちは1998年、PETという測定法を用いて、テレビゲームをするときに脳内で何が起きているかを世界で初めて報告した。それによると「8人のプレイヤーが50分間ゲームを行ったとき、ゲーム開始前と後で比べると、脳内の線条体と呼ばれる領域で、ドーパミンの放出が2.0倍に増えていた」のだという。

「ちなみに、同論文に引用されているデータでは、覚せい剤(0.2mg/kg)を静脈注射したときのドーパミンの放出増加は、2.3倍であり、ゲームを50分間プレイする事によって生じたドーパミンの放出増加2.0倍は、それにほぼ匹敵するものであった」(本書より)

 脳内では、覚せい剤を使用しているときと同様なことが起こっているのである。昨今のゲーム、特にスマホアプリは、課金というビジネスモデルのために、依存性の高い作りにならざるをえない状況となっており、もしかすると、もっと高い数値が出るかもしれない。
(寺西京子)

最終更新:2017.12.19 10:25

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