カジノ解禁が安倍と橋下を結びつける? 政官界が狙うカジノ利権の中身

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 そして、その利権に群がるのは、政財界だけではない。当然、反社会的勢力もその利権に群がってくるはずだ。『別冊宝島 カジノ利権の正体』の中で、ジャーナリスト・承山京一氏はこう指摘する。

「カジノが、大規模なIRとして建設されることになれば、周辺の不動産価格に影響をあたえることが予想される。
 そうなれば当然、少なくない人が土地の買い占めなどによって利益を得ようと目論むはずで、それこそはヤクザの得意分野だ」

 反社会的勢力が狙うのは「地上げ」だけではない。カジノならではのシノギも出てくるだろう。たとえば「ジャンケット」という存在だ。

「ジャンケット」とは、カジノに客を紹介し、その客が動かした金の数パーセントを報酬としてカジノから受け取る人物のこと。いわばVIP賭博者ブローカーともいうべき存在だ。反社会的勢力がそのジャンケットを担うケースも多いだろうし、ジャンケットが反社会的勢力の顧客をカジノに紹介することも考えられる。実際『別冊宝島 カジノ利権の正体』の承山氏ルポでは、韓国人ジャンケットが非合法カジノに広域暴力団の直参組長を得意客として紹介していたというエピソードが披露されている。

 現状、日本国内のジャンケットは非合法カジノにおいてのみの存在であり、合法化されたカジノでこれらの人物が暗躍できるか否かは不明だ。しかしながら、カジノにこういった人脈がつきものであることは事実。反社会的勢力との関係を完全に断ち切ることは、簡単ではないだろう。

 ちなみに、非合法カジノといえば、「合法カジノを設置することで、非合法カジノを駆逐できるのではないか」との意見もある。しかし、前述の『徹底批判!! カジノ賭博合法化』のなかで、静岡大学教授・島畑与一氏が以下のように指摘している。

「米国でのカジノ解禁で起きたことは、カジノ人口の裾野を広げ、病的・問題ギャンブラーを増大させ、逆に非合法ギャンブルへのニーズを増大させたという事実だった。税金を支払う必要がなく、入場料徴収という負担もない非合法ギャンブルの方がギャンブラーにとって魅力があり、合法カジノへの出入りが禁止されたギャンブラーは、非合法カジノに流れたと指摘されている(94年議会公聴会)。合法カジノへの立入制限を課せられたギャンブル依存者は、結局、非合法カジノに流れていくことになるのだ」

 つまり、カジノを合法化したところで、非合法カジノを根絶することは不可能であるばかりか、非合法カジノに堕ちていく重度のギャンブラーを生み出すだけだというのだ。そうなれば、反社会的勢力に対しても大きな経済効果を与えることになってしまうことは説明するまでもない。

「アベノミクスの成長戦略の目玉」と言われながらも、結局のところ新たな利権を生み出そうと政財界が躍起になっているだけのようにも思えて仕方ないカジノ解禁。自民党に圧勝だといわれている今回の衆院選。是非とも、その「目玉」であるカジノ法案の行方にも注視したいところだ。
(野尻民夫)

最終更新:2014.12.09 08:56

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