GLAYの新アルバム収録曲「元号」がすごい! 令和ブームに逆らい戦争への反省呼びかけ、社会の弱者排除を批判

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
GLAYの新アルバム収録曲「元号」がすごい! 令和ブームに逆らい戦争への反省呼びかけ、社会の弱者排除を批判の画像1
GLAYの新アルバム『NO DEMOCRACY』


 90年代から2000年代にかけて社会現象とも言える人気を博したGLAY。かつては「ビジュアル系バンド」「ラブソング」というイメージが強かったが、10月、『NO DEMOCRACY』というタイトルのアルバムをリリースして、話題を集めている。

 リーダーのTAKUROはインタビューでこのタイトルをつけた理由について、「内輪だけで民主主義と浮かれていても、いざ一歩外に出てみると戦争や宗教問題など様々な理由から、未だ民主主義が確立されていない理想とは程遠い現実がある」と語っている(2019年8月17日付ニュースサイト「音楽ナタリー」より)。つまり、『NO DEMOCRACY』はいまの世界情勢や政治状況に対する強い危機感がストレートに表現されたタイトルなのだ。

 実際、このアルバムには、鋭い政治的メッセージが含まれた曲が複数収録されている。例えば、その一つが「戦禍の子」だ。

〈国を奪われ家族とはぐれ/国境を目指す民に/機関銃〉〈今度生まれてくる時は/ちゃんと見つめてもらいなよ/ちゃんと守ってもらいなよ/ちゃんと愛してもらうんだよ〉

 この歌詞からもわかるように、「戦禍の子」は、難民問題に真正面から取り組んだ曲だ。TAKUROによると、シリア難民の支援活動を行っているSUGIZO(LUNA SEA)から話を聞いたのがきっかけになったという。日本のメジャーバンドがこうした題材を扱うだけで異色だが、作詞のTAKUROはGLAY公式サイトのインタビューのなかで、この曲にさらなる深い意味を込めたことを明かしている。

「日本における子供の貧困っていうのも、実は隠れた数値ではものすごく高いらしくて、そういうことも同一線上にもってきたいと思いました。どれくらい悲劇かっていうのは、当事者にしかわからないので、「難民は不幸せで、日本にいたらとりあえず幸せでしょ?」ということでもないなって。誰かの痛みはその人にしかわかり得ない、そうなってくると、壮大な地球の裏側のことを歌っているようで、実はすごく身近なことを歌ってるような気がしてきて」

 日本人がほとんど無視している海外の難民問題に光をあてるだけでなく、それが日本でも現在進行形で起きている事態と地続きであること見抜き、表現する。これはTAKURO、そしてGLAYが非常に高い政治意識をもち、いま起きている様々な社会問題をきちんと勉強していることの表れだろう。

 さらに、驚いたのは、アルバムのラストを飾る「元号」という曲だ。平成から令和への代替わりでは、周知のように日本中が祝福ムード一色に染まり、メディアは元号の根本的な問題点に触れることもなく、無自覚に「日本の歴史を再認識」「新しい時代の幕開け」などと報じた。そして、芸能人やクリエイター、アーティストたちもまるで何か素晴らしい未来の代名詞であるかのように、「令和」という元号を使っていた。

 もしや、GLAYも同じパターンかと思いきや、しかし、「元号」ではこんな詞が歌われていた。

〈かつて兵士たちは目隠しのままで玉砕しました/消え去った祖国の夢と/今もあの戦争(とき)を悔やんでいるならば/声をあげて欲しい 新しい元号の下で〉

 昭和、平成、令和へと時代が移り変わっていく時の流れを歌う中で、昭和の時代に日本が起こした戦争に言及し、新しい元号になったいまこそ、そのことへの反省の声をあげるべきだと明言していたのだ。これは明らかに「令和」の時代、安倍政権下で進む、戦争肯定、歴史修正主義に抵抗する文脈から出てきた歌詞だろう。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

GLAYの新アルバム収録曲「元号」がすごい! 令和ブームに逆らい戦争への反省呼びかけ、社会の弱者排除を批判のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。GLAYNO DEMOCRACYTAKURO元号田部祥太の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 NHK『NW9』への圧力問題で菅首相が「私は怒ったことがない」と大嘘答弁!
2 安倍晋三が植村隆と櫻井よしこの裁判めぐりデマ投稿!
3 菅首相が8000万円パーティ、安倍前首相と同じ政治資金報告書不記載、補填疑惑
4 櫻井よしこ、西岡力、文春…朝日・慰安婦報道叩きのデタラメが次々露呈
5 「桜を見る会」安倍前首相の大嘘答弁・醜態総まくり
6 小田嶋隆・武田砂鉄対談 後編 糸井重里と松本人志をあらためて語る
7 吉村洋文知事「命の選別」発言は事実! “治療を高齢者から若者に”
8 美智子皇后の誕生日談話「マクワウリ」に隠された意図が?
9 『スシローと不愉快な仲間たち』12 安倍首相の寒すぎるポエム
10 菅長官の古賀攻撃オフレコメモ!
11 小田嶋隆・武田砂鉄対談 前編 ツイッターで安倍政権とどう向き合うか?
12 安倍が宇野教授を任命拒否したのは宇野教授の父から批判された逆恨みか
13 検察がつかんだ「桜」前夜祭の公選法違反証拠!費用補填800万円の明細
14 菅首相に飛ばされた元総務官僚が語った恐怖支配!「あそこまでひどい人は…」
15 菅首相が生出演『ニュースウオッチ9』めぐり内閣広報官がNHKに圧力
16 葵つかさが「松潤とは終わった」と
17 大統領選不正デマを拡散した日本のトランプ応援団の妄言総まくり!
18 学術会議任命拒否 宇野重規教授が書評「暴君」論で菅首相批判か
19 AKBから「名誉毀損」の恫喝メール
20 小倉優香の番組中「辞めさせてください」の本当の理由は番組のセクハラ
1菅首相の遅すぎる「GoTo見直し」はキャンセル料補填しないためか!
2大阪のコロナおざなり対策が酷すぎる!重症病床使用率もごまかし
3吉村洋文知事「命の選別」発言は事実! “治療を高齢者から若者に”
4菅、安倍、森がバッハ来日で…コロナ隠しにGoTo続行、NHKに圧力
5コロナ再拡大の最大の戦犯は菅首相!専門家の指摘無視「静かなマスク会食」
6検察がつかんだ「桜」前夜祭の公選法違反証拠!費用補填800万円の明細
7 大統領選不正デマを拡散した日本のトランプ応援団の妄言総まくり!
8菅首相が8000万円パーティ、安倍前首相と同じ政治資金報告書不記載、補填疑惑
9安倍が宇野教授を任命拒否したのは宇野教授の父から批判された逆恨みか
10安倍晋三が植村隆と櫻井よしこの裁判めぐりデマ投稿!
11 学術会議任命拒否 宇野重規教授が書評「暴君」論で菅首相批判か
12 NHK『NW9』への圧力問題で菅首相が「私は怒ったことがない」と大嘘答弁!
13「桜を見る会」安倍前首相の大嘘答弁・醜態総まくり
14『スシローと不愉快な仲間たち』12 安倍首相の寒すぎるポエム
15小田嶋隆・武田砂鉄対談 後編 糸井重里と松本人志をあらためて語る
16小田嶋隆・武田砂鉄対談 前編 ツイッターで安倍政権とどう向き合うか?

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄