プーチンの北方領土棚上げと安倍首相の屈服に、領土問題が大好物の極右論客・安倍応援団はどう反応したのか?

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首相官邸HP『新着情報』より

「年内に平和条約を締結しよう。一切の前提条件を付けずに」

 9月12日、ロシア・ウラジオストクでの東方経済フォーラムで、プーチン大統領が言い放った一言は「安倍外交」を粉々に打ち砕いた。なにせ、日本政府の立場は“北方領土問題の解決なくして平和条約なし”だったはずだ。それが、北方領土問題を棚上げしての平和条約締結を一方的に告げられたのである。

 しかも、この爆弾発言の前には、安倍首相が「残念ながらいままで領土問題が解決せず、平和条約を締結できなかった。いままでのアプローチを変えていくべきだ」とスピーチしていた。その安倍首相の発言を受ける形で、プーチンは「シンゾウはアプローチを変えようと言ったが、いま、この案を思いついた」と突きつけたのである。

 普通に考えれば、とんだ赤っ恥だ。同時通訳を聞いていた安倍首相は、一瞬表情を固まらせてから、困ったような笑みを浮かべた。プーチン発言について日本側は事前通告をされていなかったとみられており、その場で有効なリアクションをまったく取れなかった安倍首相は端的に言って“無様”である。

 いずれにせよ、これまで北方領土問題で譲ってこなかったロシア側が、今後の解決を視野にいれているとは到底思えない。事実、あれだけ「北方領土返還か」と騒がれた2016年に山口で行われた首脳会談の際も、蓋を開けてみれば共同経済活動に日本側が約3000億円を投入することを約束されられただけ。さらに、ロシアは北方領土返還どころか、新型地対艦ミサイルや軍隊の配備など軍事要塞化に突き進んでいるのが現状だ。

 ようするに、安倍首相は全てにおいてプーチンにやりこめられているわけだ。とりわけ北方領土返還を求めているであろう国内の支持層からみれば、対露安倍外交は「大失敗」の烙印を押されるのが当然だろう。

 しかし、もうひとつ、苦笑するしかないのが、安倍応援団の極右論客たちの反応だ。

 というのも、これまで「北方領土を返還しろ!」「戦争してでも取り返す!」などとがなりたててきた御用文化人や子飼い政治家の面々が、このプーチン発言以降、水を打ったように静まり返っているからだ。

 たとえば、自称ジャーナリストの有本香氏。先日、ネトウヨ番組『真相深入り!虎ノ門ニュース』(DHCテレビ)で安倍首相の外交手腕を褒めちぎっていたことも記憶に新しい有本氏だが、北方領土問題については、以前、〈北方領土、竹島は、戦争してでも取り戻す。その気なくして何にも始まらない、ってことはわかり切っているはず〉(2011年2月26日)などと、極めて好戦的なツイートまでしていた。また、今年2月には「北方領土返還要求運動県民会議」主催の奈良県での大会で講演し、「国民全員が『あの島を取り返すんだ』という意識を持たなければいけない。返ってこなくて当たり前だと思った瞬間、北方領土だけでなく尖閣諸島もとられる」などと述べている(「産経WEST
2018年2月17日)。

 ところが、この有本氏、プーチンの「前提なしの平和条約締結」発言が飛び出て以降、たとえばTwitterでは日露関係について一切の言及なし。〈ブラジル料理「カルネ・デ・パネラ(牛肉の煮込み)」なう。北関東某所に来ています〉などと言いながら美味しそうなビーフシチューの画像を投稿するなど、まるで“日露首脳会談やプーチン発言などなかった”かのような反応ではないか。

 もとより“戦争を辞さず”などとがなりたてる人間の考え方など理解もできないが、それにしてもプーチンの“北方領土棚上げで平和条約締結”をスルーしてビーフシチューとは……。のんきに「なう」している場合なのだろうか? 

 なお、有本サンは13日放送の『虎ノ門ニュース』でこの話題を振られた際には、「元凶は外務省にある」「外務省は昔からこれを前に進めたくないという力を働かせている」なる陰謀論を展開し、分かりやすく安倍首相への批判をそらそうとしていた。Twitterでは有本氏の元に一般ユーザーから〈安倍官邸は北方領土を放棄する事を決定したのですか?教えて賢い有本さん〉などの質問が飛んでいるが、15日現在、完全に無視を決め込んでいる。

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