オウム死刑囚大量執行は口封じか…検察に全面協力していた井上嘉浩死刑囚の変心、再審請求に怯えていた法務省

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
オウム死刑囚大量執行は口封じか…検察に全面協力していた井上嘉浩死刑囚の変心、再審請求に怯えていた法務省の画像1
死刑を執行された麻原彰晃が87年に刊行した『超能力「秘密のカリキュラム」』 (健康編)

 衝撃のニュースが飛び込んできた。一連のオウム事件で首謀者として死刑が確定していたオウム真理教教祖・麻原彰晃(松本智津夫)死刑囚に死刑が執行され、さらに新実智光、早川紀代秀、井上嘉浩、中川智正、遠藤誠一、土谷正実という計7人の死刑囚にも次々と刑が執行されたのだ。1日に7人もの死刑執行は戦後前例がない。

 死刑の是非についてはあらためて別稿で論じたいが、それ以前に問題なのは、一連のオウム真理教事件にはいまだ数々の謎が残っており、それが解明されないまま麻原死刑囚らの刑が執行されてしまったことだ。

 これについては、被害者遺族からも「疑問や謎をもっと解明してほしかった」という声が上がっているほどだ。

 たしかに、政権にとって今年の死刑の執行は最良のタイミングだった。来年には天皇の退位、新天皇の即位と祝賀行事が続く。再来年は東京オリンピックがあり、国際社会の注目も高まるなか死刑を執行すれば国際的に強く批判されることになる。だから“今年中に”ということは既定路線だったはずだ。

 しかし、それでも、こんなにすぐに、オウム事件の死刑囚13人中7人を一気に執行するというのは異常としか言いようがない。

 しかも、13人の死刑囚のうちなぜこの7人が選ばれたのかもまったく不明だ。たとえば初期の坂本弁護士一家殺害事件の死刑確定囚からはじめたというわけでもなければ、全員が日本最悪のテロ事件である地下鉄サリン事件の確定死刑囚ということでもない。また死刑の確定順かといえば、そうではない。これについて本日午後行われた上川陽子法務大臣の会見でも説明さえなかった。

 オウム事件に詳しい複数のジャーナリストや司法記者に訊いても、何が基準かについては、首をひねるばかりだ。「なんとなく知名度の高い受刑者を選んだだけではないのか。国民栄誉賞の人選じゃあるまいし」と語る記者もいたほどだ。

しかし、もしかしたらこうした疑問を解く鍵になるかもしれない事実がひとつだけある。それは、7人のなかに井上死刑囚が含まれていたことだ。

井上死刑囚といえばこれまでの一連のオウム裁判で、検察のシナリオに沿って、検察の都合のいい証言を続けてきた“最重要人物”だ。

たとえば、17年間の逃亡の末逮捕された高橋克也受刑者は地下鉄サリン事件や目黒公証役場事務長拉致監禁致死事件の関与に関して、「サリンとは知らなかった」「被害者の仮谷清志さんに注射を打つことも知らなかった」と主張したのに対し、井上死刑囚は「サリンを撒くから運転手をするように」「仮谷さんが暴れないようにクスリを打って眠らせることを高橋被告に確認した」と有罪の根拠になる重要な証言をしている。だが一方で井上死刑囚は逮捕当時「(仮谷さんの注射について)高橋は知らなかった」とまったく逆の供述をしていたのだ。

 さらにこの際、麻酔薬を投与した中川死刑囚から「ポア(殺害)できる薬物を試したら死んだと聞いた」とも証言しているが、中川死刑囚はこれを否定。さらにその場にいた元医師の林郁夫受刑者も「井上証言はあり得ない」と証言している。それだけでなく殺害された仮谷さんの長男でさえ、中川死刑囚の殺害示唆を「信じがたい」と井上証言に疑問を呈したほどだ。

 また井上死刑囚は、宗教学者のマンション爆破などが問われた平田信受刑者の裁判においても、事件前に平田受刑者に「これから『やらせ』で爆弾をしかけると言った記憶がある」と事前共謀、計画があったことを証言し、「何も知らなかった」と主張する平田受刑者と対立している。

平田受刑者はともかく、すでに死刑が確定していた中川死刑囚が、殺意を否定するという嘘をつく理由はない。一方の井上死刑囚は、数々のオウム裁判において「これまで誰も知らなかった」新証言を不自然なまでに繰り出し、多くのオウム被告たちを“より重罪”へと導いていったのだ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

オウム死刑囚大量執行は口封じか…検察に全面協力していた井上嘉浩死刑囚の変心、再審請求に怯えていた法務省のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。オウム真理教編集部麻原彰晃の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 安倍政権がまた「災害ないがしろ」!被災地に耐久性不十分の段ボールベッド
2 「東京でコロナ感染224人」は本当に検査を増やしたせいだけなのか
3 東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望も、安倍政権は
4 東京の感染者は7月1日から100人超、発表67人を139人に修正
5 「桜を見る会」で昭恵夫人、菅官房長官と写真の“大物半グレ”が逮捕
6 森友公文書改ざんで安倍首相を守った太田充主計局長が財務省トップに
7 GoToキャンペーンは、 “影の総理”今井補佐官と菊池桃子の夫が経産省の利権に
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 アパホテルのトンデモ極右思想の正体
10 安倍政権がコロナ増税の動き! 新会議に震災で復興税導入を主張した経済学者
11 河井克行の買収に安倍事務所が関与の新証言!現金渡した相手を首相秘書が訪問
12 小池百合子が当選後、コロナ対応担う都立病院の合理化計画
13 香港問題で安倍首相と自民党の二枚舌
14 マツコがいじめ、弱者叩きの構造を喝破
15 大谷医師が明かしたネトウヨの電凸攻撃!「反日」と怒鳴り込まれたことも
16 小池百合子都知事が東京アラート解除のため陽性者数を操作していた疑惑
17 田崎史郎が『モーニングショー』から消えた! 原因は玉川徹?
18 嵐の暴露本出版!メンバーの不仲話も
19 吉村洋文知事がコロナワクチン開発でもペテン手口!
20 年金積立金が1~3月期で18兆円マイナス! 国民の年金を溶かした安倍政権の責任
1東京の感染者は7月1日から100人超、発表67人を139人に修正
2 年金積立金が1~3月期で18兆円マイナス! 国民の年金を溶かした安倍政権の責任
3小池百合子都知事が東京アラート解除のため陽性者数を操作していた疑惑
4小池百合子が当選後、コロナ対応担う都立病院の合理化計画
5森友公文書改ざんで安倍首相を守った太田充主計局長が財務省トップに
6GoToキャンペーンは、 “影の総理”今井補佐官と菊池桃子の夫が経産省の利権に
7大谷医師が明かしたネトウヨの電凸攻撃!「反日」と怒鳴り込まれたことも
8 河井克行の買収に安倍事務所が関与の新証言!現金渡した相手を首相秘書が訪問
9「専門家会議廃止」の裏に緊急事態宣言の解除をめぐる安倍官邸と専門家の対立
10 安倍政権がコロナ増税の動き! 新会議に震災で復興税導入を主張した経済学者
11東京都の感染者100人超で小池知事、加藤厚労相、安倍首相の仰天言動
12吉村洋文知事がコロナワクチン開発でもペテン手口!
13東京女子医大がボーナスゼロで400人の看護師が退職希望も、安倍政権は
14安倍首相がイージス・アショア停止を悪用して「敵基地攻撃能力」保有へ
15「桜を見る会」で昭恵夫人、菅官房長官と写真の“大物半グレ”が逮捕
16河井事件でバービーが「安倍首相の名前で金を受け取らせたのは圧力」
17安倍政権がまた「災害ないがしろ」!被災地に耐久性不十分の段ボールベッド
18「東京でコロナ感染224人」は本当に検査を増やしたせいだけなのか
19小池百合子、小野泰輔の“ヘイト”に津田大介が切り込んだ
20香港問題で安倍首相と自民党の二枚舌

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄