捏造の次はデータ隠し!厚労省が「裁量労働制のほうが労働時間が長くなる」という“不都合なデータ”を隠蔽

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施行延期はごまかし!「働き方改革関連法案」は廃案にしないと取り返しのつかないことに

 だがじつは、このJILPTの調査こそ、労政審では法改正のための実態把握調査として位置づけられていたのではないか、というのだ。

 というのも、岡本議員が入手したという厚労省がJILPTに調査研究を要請した際の文書には、「25年度下期に労政審で議論を開始する予定であり、それに間に合うように調査研究の成果をまとめていただきたい」「労働時間法制の企画立案の基礎資料にする」と書かれている、というのである。

 JILPTの調査こそが法改正のための実態調査だったのに、一体なぜ、いつのまに、その位置づけが2013年度「労働時間等総合実態調査」に置き換えられてしまったのか。──JILPTの調査は「裁量労働制のほうが一般労働者よりも実労働時間が長くなる」という都合の悪い結果だったために、2013年度「労働時間等総合実態調査」を実態把握調査という位置づけに置き換え、JILPTの結果は労政審に出さなかったのではないか。そう疑うのが自然だ。

 このように、掘れば掘るほど、恐ろしいデータ捏造やデータ隠しなど恣意的な動きの実態があきらかになっていく裁量労働制の問題。安倍政権は批判を緩和するために施行を1年遅らせる方針を打ち出したが、施行を延期したところで法案が成立してしまっては取り返しがつかなくなる。このまま「働き方改革関連法案」が可決・成立するようなことがあれば、裁量労働制の拡大とともに長時間労働、過労死を助長すると問題視されている高度プロフェッショナル制度なども導入されてしまうからだ。

 安倍首相は過労自殺した電通の高橋まつりさんの事件について、「2度と悲劇を繰り返さない」「長時間労働の是正に取り組む」と述べてきた。だが、実際は長時間労働を是正するどころか、こうやってデータを捏造し長時間労働にならないかのように嘘を振りまいてまで、長時間働かせ放題の法案を通そうときたのだ。その責任を問うことはもちろん、徹底的にデータ捏造の真相究明がおこなわれなくてはならない。

最終更新:2018.02.22 08:45

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