捏造の次はデータ隠し!厚労省が「裁量労働制のほうが労働時間が長くなる」という“不都合なデータ”を隠蔽

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厚労省が「裁量労働制のほうが労働時間が長くなる」という “不都合なデータ”を隠蔽

 まったくやり方が汚すぎるが、このように安倍首相と加藤厚労相は、捏造された比較データが「労働政策審議会に示したわけではない」ことを理由に、裁量労働制の拡大を含めた法案の提出を進めていく姿勢を一向に崩していないのだ。

 だが、比較データが労政審に示されなかったからといって、何の問題もないとするのはおかしい。実際、今回のデータ捏造問題をいち早く指摘してきた上西充子・法政大学教授は、昨日21日の中央公聴会における意見陳述のなかで、こう言及した。

「一般労働者の『平均的な者(しゃ)』の1週の法定時間外労働のデータが、『最長』の週のデータであることの説明がないまま、普通の週のデータであると受け取られる形で第104回の労政審労働条件分科会(2013年10月30日)に紹介されています。それはつまり、実際には過大な数値であったものが、通常の数値であるかのように紹介されたということです」

 しかも、本日の衆院予算委員会では、データ捏造の核心に迫る新たな疑惑が浮上したのだ。

 厚労省が認めているように、「裁量労働制は一般労働者より労働時間は短い」ことを示すデータはないが、逆に裁量労働制のほうが実労働時間が長くなることを示すデータは存在している。厚労省が要請しておこなわれた、独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)の調査結果がそれだ。

 このJILPTの調査結果は、労政審で裁量労働の満足度などの「都合のいい」結果は示されていたが、肝心の実労働時間についての結果だけが報告されていない。一方、問題となっている2013年度「労働時間等総合実態調査」は、前述の上西教授が中央公聴会で指摘したように、「2013年9月27日の第103回労政審労働条件分科会で、裁量労働制の見直しのための実態把握をおこなうものとして分科会委員に示されており、今後の労働時間法制の検討の際に必要となる実態把握をおこなったものと位置づけられて」いた。

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