年末特別企画 リテラの2017年振り返り

詩織さんからはあちゅうまで、セクハラ被害者、働く母親へのバッシングが頻発した“男尊女卑”の1年を総まくり

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【その6】子連れ議会出席の熊本女性市議にバッシングが…ネトウヨタレントつるの剛士もトーンポリシング攻撃!

 熊本市議会女性議員の子連れ議会出席問題も、理不尽な女性へのバッシングが起こったケースだった。
 11月、生後7カ月の長男と一緒に出席しようとした緒方夕佳市議だったが、これが認められず開会が40分遅れた。その様子はワイドショーで大きく取り上げられ、案の定、緒方市議への批判が殺到したのだ。
 そもそも緒方市議は以前から「子どものいる状態で議員活動をサポートしてほしい」「いつでも授乳をできるように議場に連れて行きたい」「託児所を作れないか」など何度も要望を続けていた。しかし事務局から取り合ってもらえなかったため、やむなく長男を連れて出席しようとした。
 だが、こうした事情などおかまいなし。ネットやワイドショーでは「きちんとした手順を踏め」「ルールを守れ」「売名のパフォーマンス」といった的外れな批判が巻き起こっていったのだ。
 緒方市議に向けられたこれらの批判は、典型的なトーンポリシングだ。トーンポリシングとは、正当な訴えをしていても、その内容を無視し、口調や態度がヒステリーだと責めたり、その手法がルール違反だと批判することで、その本質から議論を逸らせ、問題を矮小化する抑圧的ロジック。
 実はネトウヨタレントのつるの剛士もこトーンポリシングを使って、緒方市議を攻撃していた。自身のTwitterに〈こういう問題提起の仕方は本当に悩んでいる働くママ達や子供が結局一番可哀想な思いをしてしまうんじゃないかなあ、と思いました〉とつぶやいたのだ。
 つるのは「保育園落ちた日本死ね」問題でも、その言葉遣いを批判していたが、一方で「親学」の広告塔的活動を行なっている。親学は“子どもを産んだら母親が傍にいて育てないと発達障害になる。だから仕事をせずに家にいろ”などと主張する極右トンデモ理論。「やり方がよくない」と言いながら、実際は働く母親を批判したいだけなのだ。
 しかし、現在の日本では、緒方市議の切実な訴えよりも、つるのの詐欺的発言のほうが賛同を集めてしまっている。嘆かわしい状況と言うほかない。


【その7】“痴漢冤罪”問題でも男目線の意見ばかり! ネットでは被害者女性への「嘘つき」バッシングが

 “痴漢冤罪”も、今年大きくクローズアップされた問題だ。特に痴漢を指摘された男性が線路を走るなどして逃走する事件が多発、5月には痴漢行為を指摘された男性が電車にはねられるなどで死亡する事件が2件相次いだことで、メディアもこの問題を大きく扱った。
 もちろん冤罪は深刻な問題だ。しかしこの問題で槍玉にあがったのは、なぜか被害を訴えた女性たちだった。
 ネットでは「被害を訴える女はみな嘘つき」「平然と嘘をつく」「ハニートラップですね」「冤罪生み出すくそ女!」「エロいカッコだったからじゃね」「目的は示談金」など女性に対する罵詈雑言が溢れた。
 本来、痴漢冤罪は、冤罪を生み出している警察や検察、そして司法の問題だ。しかしそうした議論はほとんどなく、その矛先はひたすら痴漢被害に声をあげた女性たちに向かう。冤罪は痴漢に限ったことではないが、メディアも同様になぜか“痴漢冤罪”に限って、“身に覚えのない時の対処法”や“冤罪の恐怖”“冤罪被害者の人権”といった“男目線”の話題ばかりを取り上げるが、一方で痴漢以外のテーマで冤罪が国内メディアでこれほど取り沙汰されることがあるだろうか。たとえば同時期に共謀罪法案が審議されていたが冤罪の危険性について批判の声がここまで盛り上がっていたか。痴漢冤罪議論の本質が、冤罪防止でなく女性叩きにあるのは明らかだろう。
 痴漢冤罪が起こるのは、そもそも痴漢という犯罪行為(迷惑防止条例違反や強制わいせつ罪)、そして加害者が存在するからだが、そうした本質的議論は起こらない。本当に必要なのは痴漢という卑劣な犯罪をなくすために何ができるか、という議論だろう。
 性犯罪の加害者に対して再犯防止プログラムを実践してきた精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳氏は著書『男が痴漢になる理由』(イースト・プレス)でこう指摘している。
〈社会から男尊女卑の概念がなくならないかぎり、そこにある認知の歪みも是正されることはなく、性暴力加害者は再生産されつづけます。痴漢をはじめとする性犯罪は決して女性側の落ち度から発生するものではありません。男性優位社会に付随する女性差別的な視線が根幹にあることに、私たちはそろそろ気づくべきです。〉

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