暴力団離脱者の就職率はわずか2%…ヤクザからの更正に最も必要なのは地域社会の受け入れと協力

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地域社会の人々の協力が更正に向けて大きな力を発揮する

 暴力団からの離脱について研究する廣末氏は、実際に離脱した人たちを調査。その結果、暴力団離脱に成功し、一般社会に定着した人の多くに共通する要因は、地域社会の協力だったという。

 前掲書では、実際に暴力団離脱者のモデルケースとして10人以上の具体例をあげているが、そのほぼ全員が「離脱後の拠り所」として地域社会とのつながりをあげている。

 自分を拾ってくれた会社の上司、行きつけの居酒屋で野球の話をする近隣住民、趣味のオートバイでのツーリング仲間、教会の牧師さんやそこで出会った人など、そういったご近所さんや友人との関係が家族と同じぐらい重要な役目を果たしているという。

 廣末氏は前著『組長の娘 ヤクザの家に生まれて』(新潮社)でも、地域社会による協力の重要性を指摘していた。

『組長の娘』では、覚せい剤営利目的有償譲渡と使用の罪により刑務所に服役した過去をもちつつも、現在はその経験を活かして暴力団離脱者に対して草の根の支援を行っている中川茂代(仮名)さんの活動を取り上げていた。

 彼女がしていることはそんな大それたことではない。更正を願う暴力団組員や刑務所出所者に食事を出してグチや悩みを聞いてあげたり、就職できそうな知り合いの会社を紹介してあげたりといったことだけだ。しかし、これが大きな効果を発揮する。

『組長の娘』のなかで中川さんは「カタギの世界では、これは「支援」いうんか。皆で首を傾げよってんな。ただ、飯食わしただけ。ただ、仕事紹介しただけ」と話しているが、そのような親切を受けた者は自然とその人を裏切るような行為を避けるようになる。

 逆に言うと、地域社会が暴力団離脱者を迫害し排除しようとすれば、離脱しようとした決意は容易に崩れてしまう。前掲『ヤクザと介護』でモデルケースとして登場するMさんはこのように語る。彼は組織のなかで会長付き秘書まで出世したが、暴力団を離脱。現在はその手助けをしてくれた教会の牧師と共に更正支援を行っている人物である。

〈Mさんは言います。人間はどのような時も「居場所」「希望の持てる場所」が必要。更正・自立に必要なことは「支援ではなく、白い目で見ないこと。そうすることで自分の道を歩める」と。「大人も少年も同じ心をもっている。白い目で見られたら反発してしまう」から、一般社会が普通に受け入れ、見守ってくれたら自然に更正してゆく筈であるとの見解を述べました〉

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