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差別、でっちあげ、抗争扇動、真相隠ぺい…犯罪・事件報道でマスコミが犯した“7つの大罪”
■元少年Aの手記『絶歌』に「出版許せん」のヒステリー! 幻冬舎見城社長の仕掛けと出版押し付けも発覚
少年犯罪といえば、神戸連続児童殺傷事件の「元少年A」が出した手記『絶歌』(太田出版)も大きな反響を呼んだ。というか、これほど、社会から猛反発を受けた本はなかったのではないか。6月の発売直後から、ネットは「反吐が出そう」「即刻回収しろ」「不買運動をしよう」「本を出す前に死んでおわびしろ」といったヒステリックな声であふれ、ワイドショーやニュース番組でも、キャスターやコメンテーターたちが「どうしてこんな本を出版するのか」「被害者遺族の感情を無視している」「犯罪を助長するだけだ」と、一斉に糾弾。一部書店では販売を見合わせ、版元社長は釈明文を出すなど大騒動となった。
だが凶悪な犯罪を犯したからといって、なぜ本を出版してはいけないのか。言論の自由は被害者遺族の感情を超えて守られるべきだろう。
しかも、猟奇的殺人の背景が本人の口から語られることは、事件当時の報道や裁判ではわからなかったことが明らかになるケースも多く、犯罪防止の観点から見ても公益性がある。
実際、『絶歌』では、これまで捜査当局やメディアの手で喧伝されてきた犯行動機が完全にくつがえされている。あらゆる報道で、少年Aが「誰でもよかった」「人間を壊してみたい」と語ったとされ、無差別の快楽殺人が動機とされてきたが、Aは同書で、自らの殺人の背景に性衝動があるとしたうえで、さらに、被害者の少年には特別な感情をもっていたと告白しているのだ。また、これまでの報道や専門家の分析では、Aの歪んだ心理の背景には母親の厳しいしつけがあり、そのために、屈折や反発をおぼえてきたとされていたが、これも同書の中でAは完全否定。母親の優しいエピソードを紹介している。彼らはこうした中身の価値を一切無視してヒステリーを起こしているだけだ。
また、この『絶歌』をめぐっては、安倍首相の“オトモダチ”幻冬舎・見城徹社長の姑息なふるまいも明らかになった。
そもそも『絶歌』は本来、太田出版ではなく幻冬舎から出版される予定だった。既に原稿もほぼ仕上がっていたというが、しかしその情報が事前に漏れて「週刊新潮」1月29日号が記事化した。そのことで世間の反発を恐れた見城社長は自社からの出版を断念、旧知の太田出版社長に出版を押し付けたのだ。
こうした経緯について手記発売直後に見城社長は、「週刊文春」(文藝春秋)のインタビューに答えて説明しているが、しかし9月になってその内容は事実とは異なるとAが暴露するという驚きの展開もあった。
『絶歌』発売のあと、元少年Aはホームページを開設したが、『絶歌』同様、激しいバッシングを浴び、その後閉鎖している。そしてマスコミはこぞってAの“現在”を取材に走ったが、その正確な居場所や本人確証を得られたメディアは皆無だった。
20年前、猟奇的事件を起こし少年法さえ改正させた元少年A。そんな彼が今年、出版した一冊は、はからずもメディアや言論の閉塞状況を浮かび上がらせたといっていいだろう。
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