年末特別企画 リテラの2015年振り返り

差別、でっちあげ、抗争扇動、真相隠ぺい…犯罪・事件報道でマスコミが犯した“7つの大罪”

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■被害者の少年や母親を犯人よばわり!「寝屋川中1殺害事件」で繰り返されたマスコミの暴走

 2015年はもうひとつ、少年少女が被害者となった事件で、ひどい報道があった。
 8月13日、中学1年の平田奈津美さん(13)が大阪府高槻市の駐車場で遺体となって発見された。この事件が特異だったのは、当初平田さんと行動をともにしていた同級生の星野凌斗君(12)も行方不明になっていたことだった。そのためメディアは行方不明の星野くんが平田さんを殺害したのではないかという推測のもと大々的に取材を開始したのだ。そのためテレビでは事件があたかも未成年者によるものと示唆するコメントが溢れ、犯人像を“未成年、複数犯、顔見知り”など根拠なき憶測情報が盛んに流された。
 ところが平田さんの遺体発見から8日後の21日、平田さんの遺体を遺棄した疑いで元除染作業員の男(45)が逮捕され、その供述から星野凌斗くんの遺体も発見される。これらの報道が全てデタラメだったことが判明したわけだ。「週刊現代」(講談社)9月5日号にいたっては、校了日が21日だったため、容疑者逮捕後、星野くんの遺体が発見された後に、星野くんの犯行をにおわせるような記事を報道。
 逮捕のタイミングによっては、さらなる報道被害が出ていたはずだ。
 他にもネットを中心に平田さんの母親による虐待死、不良グループの犯行、同級生同士の三角関係の存在、星野くんの母親犯人説など、悪質なデマが飛び交ったが、この事件で再び登場したのが作家の林真理子。「いったいどうして、十三歳の子どもが真夜中の街をさまよっているのだ」と川崎中1事件同様の被害者母親を批判を展開した。
 少年犯罪のたびに繰り返される、マスコミの暴走、そして想像力の欠如した被害者の親への糾弾はどうにかならないものなのか。

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