NHKが台風19号接近のさなか台風情報に安倍政権PR紛れ込ませ! 高市早苗総務相の無内容な災害対策会議を強引に報道

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首相官邸ホームページより


 観測史上最大級と言われる台風19号。被害の拡大が心配されるが、そんな中、この台風報道で災害情報周知の要として存在感を発揮しているNHK。とくに12日午後からは全国各地の災害状況や避難情報について、民放とは一線を画すきめ細かい災害報道をしていた。しかし一方で、気になる報道があった。

 台風が東海、関東に迫ろうとしていた12日、NHKは朝から通常番組を中止して台風情報を放送していた。各地の中継や今後の被害予測、ライフライン情報などを知ろうと、チャンネルを合わせた視聴者も多かったはずだ。

 ところが、12日午前中から昼にかけ、NHKが台風情報と同じくらい繰り返し放送していたのが安倍政権のPRだったのだ。

 台風15号の際、関係閣僚会議を開かず、初動対応の遅れが被害の拡大を招いたことを批判された安倍政権は今回、11日に関係閣僚会議を開き、その後、安倍首相や菅義偉官房長官、関係省庁の閣僚が相次いでメッセージを出すなど、「台風対策やってる」ポーズをやたら強調していた。

 中身は「国民の皆様への迅速かつ分かりやすい情報発信を徹底する」とか「自治体や関係機関・事業者と緊密に連携しながら対策を講じる」といったなんの具体性もないものだったが、NHKはその安倍首相の談話発表の映像、菅官房長官の会見の模様をかなり長い時間をかけて紹介。さらに、なぜか高市早苗総務相が総務省の幹部を集め、災害関係局長級会議を開いたことを報じたのだ。しかも、高市総務相の談話まで映像つきで流す始末だった。

 まあ、それでも、安倍首相と菅官房長官については、台風対策の責任者である行政のナンバー1とナンバー2だから放送時間を割くのは当たり前、という反論もあるだろう(台風情報を少しでも知りたいときに、あんな中身のない談話や会見を本人の映像付きで繰り返し長々と報道する必要があったかどうかは疑問も残るが)。

 しかし、総務省の動きと高市総務相のメッセージを大きく取り上げたのは、明らかに異常だ。総務省は台風対策のメインの役所ではないし、会議の中身も「各地で発生する被害状況の把握や自治体からの支援要請などに対応する」などというだけで、ほとんど実体はなかった。高市総務相の挨拶も「情報を収集し、迅速に分かりやすい情報発信に努めてほしい」と、何が趣旨なのかさっぱりわからないものだった。実際、11日、この総務省の災害関係局長級会議について報じたメディアは安倍政権御用新聞の産経だけだった。

 にもかかわらず、NHKは台風が接近する12日になって、貴重な台風報道の最中に、こんな高市総務相のPRとしか思えない情報を流したのである。その裏側について、全国紙政治部記者が語る。

「高市さんは台風対策を自分のPRに利用しようとやたら入れ込んでいて、担当の役所でもないのに自分を長として災害関係局長を設置。総務省は高市さんの命令なのか、その存在をメディアに報道させようと躍起になっていた。でも、取り上げたのは産経くらい。それで、総務省が所管のNHKにねじ込んだのではないでしょうか。NHKはかんぽ生命保険の不正販売追及報道で、総務省事務次官出身の日本郵政幹部に“暴力団”呼ばわりされたばかりで、睨まれてますからね」

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