雪印牛肉偽装を告発した「西宮冷蔵」社長が今度は中国産野菜を告発!?

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ドラマ化もされたあの名物社長が…(画像は『西宮冷蔵たったひとりの反乱』鹿砦社)

「西宮冷蔵」という会社をご記憶だろうか。2001年日本で初めてBSE(狂牛病)に罹った国内牛が確認され、大騒ぎになった。これを受けて政府は国内産牛肉の在庫買い取りを行うことになったが、しかし大手食品メーカーの雪印食品は、輸入牛を国産と偽り、農林水産省に約2億円ともいわれる助成金を不正請求した事件が発覚する。

 そのきっかけとなったのが02年1月、雪印食品の取引先だった「西宮冷蔵」社長の水谷洋一の“内部告発”だった。

 食の安全を揺るがしかねないこの事態に対する反響は凄まじく、マスコミは連日この問題を取り上げ、不買運動も発生。一方“正義の告発”を行った水谷社長もまた一躍時の人となった。

 その影響から雪印食品は02年4月に解散する事態となったが、同時に水谷社長もまた窮地に陥ってしまう。同業者や取引先から“裏切り者”扱いされ、嫌がらせを受けるなど取引が激減、さらに在庫証明を改ざんする手助けをしたとして7日間の営業停止命令を受けた。そのため西宮冷蔵は休業に追い込まれてしまう。

 その後、多くの支援者やカンパなどで資金を募り、04年に再び営業を開始した。それから10年──。「通販生活」(14年秋冬号/カタログハウス)では水谷社長の近況を取材した「雪印食品『牛肉偽装』を告発した現代のドン・キホーテ」(取材・文・溝口敦)というインタビューが掲載されている。ここに描かれる水谷社長は、しかし当時マスコミに報じられたのとはちょっと違い、実に能天気で破天荒な人物だ。

 インタビュアーの溝口の「(狂牛病の際に)13億円の負債があった」との問いに水谷社長はこう答えている。

「何も考えてないですよ、踏み倒せばいいと思っていたから(笑)。もう会社がアウトですから、金融機関は泣き寝入りせざるを得ない。当然、ここ(西宮冷蔵)の土地や建物は全部担保にとられていますから、売却しても追っつかない」

 なんともあっけらかんと開き直る。なんでもバブルの時に都市銀行に10億円残ると提案された新倉庫を建設したが、フタを開けると13億円の赤字。そんな経験から「銀行への融資返済は私の責任やと思っていない。都市銀行の責任やと思ってる」という。

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