“日本礼賛本”を捨て“弾丸海外旅行”に出よう! 偏狭な愛国主義に陥らないために週末バックパッカーのススメ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 だが、海外旅行で得られるものは、こういったビジネスにおけるスキルだけではない。世界で、日本人がどう思われているかということを、確認することもできるのだ。

 たとえば、我妻氏がパレスチナに行ったときのこと。別の日本人旅行者が「パレスチナ人は無愛想で良い印象がなかったなぁ」と漏らしていたとき、我妻氏は「当たり前だよ」と思ったという。

「ほとんどお金を使わなかった彼に対して、一体どこの誰が優しく微笑みかけてくるというのだろうか? 全ての国が無条件で親日国ではないし、自分の周りに自分を受け入れてくれる環境があるわけではない。頭にお花畑が咲いているパターンだ」

 おそらく常日頃から“日本の素晴らしさ”ばかりを信じて生きてきたから、海外でごく当たり前の扱いをされただけなのに、“無愛想で良い印象はない”なんてことを口走ってしまうのではなかろうか。

 ちなみに、我妻氏はパレスチナを旅行した際、タクシーをチャーターして2時間ほど郊外までドライブをしたという。

「そのとき運転手が『日本人と韓国人と中国人は、パレスチナの匂いを嗅いで、そして写真に収めて帰る人ばっかりだ。自分たちは満足かもしれないけど、ここに住む我々にとっては観光客とは呼べない』と話してくれて、『なるほど』と膝を打った記憶がある」

 “日本人は世界でも評価が高い”“日本人は世界で愛されている”──そう思って疑わない人もいるだろうが、残念ながらそれは正確ではないようだ。

 言ってみれば、日本国内において、日本は過大評価されているのだ。しかし、その現実に気づいていない日本人は、海外に行って恥ずかしい姿を晒してしまう。

 海外に行かないと、そこで日本人がどう思われているかという現実はなかなか知り得ない。そして、その現実を知ることで、初めて日本に対しての正当な評価を下せるというものだ。これこそ、日本を褒める番組を見ているだけでは、絶対に知り得ないことであり、もしも本当に日本を愛しているというのであれば、海外に行って日本がどう見られているかを確かめるべきなのではなかろうか。

 日本が過大評価されているという点でいうと、治安についても該当するだろう。たしかに、海外には紛争地帯もあれば、犯罪組織の勢力が強い地域もある。日本では、そのような場所が少ないのも事実だ。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

週末バックパッカー ビジネス力を鍛える弾丸海外旅行のすすめ (星海社新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

“日本礼賛本”を捨て“弾丸海外旅行”に出よう! 偏狭な愛国主義に陥らないために週末バックパッカーのススメのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。コミュニケーション田中ヒロナの記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄