『かぐや姫』高畑勲監督が安倍政権を痛烈に批判!「『火垂るの墓』は無力だった…」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

 実際、これまでの多くの戦争が「自衛」という名目で行われてきた。日本国憲法制定時の総理大臣・吉田茂は「国家正当防衛権による戦争は正当なりとせらるるようであるが、私は斯くの如きことを認むることが有害であると思うのであります。近年の戦争は多くは国家防衛 権の名に於て行われたることは顕著なる事実であります。」と言ったが、先の戦争はまさにそうだった。日本はアジア各国で『火垂るの墓』の清太と節子と同じように罪のない人たちを戦争に巻きこみ、日本兵が殺されたように他国の兵隊や一般市民を殺してきたのだ。

 それは最近の戦争も変わらない。いや、ありもしない大量破壊兵器の存在を名目にアメリカが始めたイラク戦争のように、「殺されたくないから先に殺す」という傾向はますます強くなっている。自分は安全な場所にいてミサイルのスイッチを押すだけなら、戦争してもいいというムードさえ出てきている。

 本当の意味で戦争をなくそうとするなら、「死にたくない」だけでは足りない、「人を殺したくない」という気持ちこそが、はじめて戦争の抑止力となる。おそらく高畑監督はそう言いたかったのだろう。

 だが、残念ながら、この国はまったく逆の、百田的な方向に向かっている。「殺されたくない」という人の気持ちを利用して、集団的自衛権の行使容認や憲法9条の改正を目論む安倍首相をはじめとする勢力と、彼らがつくり出している空気に、いま日本は覆われようとしている。

 高畑は同インタビュ―でそうした動きについても踏み込んで、つよく批判している。

「「戦争をしたとしても、あのような失敗はしない。われわれはもっと賢くやる。70年前とは時代が違う」とも言うでしょう。本当でしょうか。私たちは戦争中の人と比べて進歩したでしょうか。3・11で安全神話が崩れた後の原発をめぐる為政者の対応をみても、そうは思えません。成り行きでずるずるいくだけで、人々が仕方がないと諦めるところへいつの間にかもっていく。あの戦争の負け方と同じです」

 そして、高畑は“憲法9条があったからこそ、日本は戦争によって殺されることも、だれかを殺すこともしないで済んできた”と言う。それがいま、安倍首相によって崩されようとしていることに強い懸念を示すのだ。

「(憲法9条が)政権の手足を縛ってきたのです。これを完全にひっくり返すのが安倍政権です。それも憲法改正を国民に問うことなく、憲法解釈の変更という手法で、です」


 「「普通の国」なんかになる必要はない。ユニークな国であり続けるべきです。 戦争ができる国になったら、必ず戦争をする国になってしまう。閣議決定で集団的自衛権の行使を認めることによって9条は突如、突破された。私たちはかつてない驚くべき危機に直面しているのではないでしょうか。あの戦争を知っている人なら分かる。戦争が始まる前、つまり、いまが大事です。始めてしまえば、私たちは流されてしまう。だから小さな歯止めではなく、絶対的な歯止めが必要なのです。それが9条だった」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

ジブリの教科書4 火垂るの墓 (文春ジブリ文庫)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

『かぐや姫』高畑勲監督が安倍政権を痛烈に批判!「『火垂るの墓』は無力だった…」のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。スタジオジブリ火垂るの墓編集部高畑勲の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 八代の共産党攻撃の根拠「公安調査庁」がまるで共産党PRの“失笑”報告書
2 安倍晋三が「統一教会」イベントでトランプと演説!同性婚や夫婦別姓を攻撃
3 山口敬之の逮捕をツブした中村格の警察庁長官就任に広がる抗議!
4 葵つかさが「松潤とは終わった」と
5 八代英輝弁護士が「共産党は党綱領に暴力的革命」とデマ、維新の政治家も丸乗り!
6 室井佑月の『ひるおび!』降板で麻木久仁子が滝川クリステルに疑問
7 統一教会が安倍トランプ会談を仕掛けた
8 安倍が支援、高市早苗が「さもしい顔して貰えるもの貰う国民ばかり」
9 安倍晋三の総裁選支配に今井尚哉、北村滋の二大側近がまたぞろ暗躍か!
10 BBCが山口事件の被害者・詩織さんを特集
11 DHCテレビが敗訴判決!辛淑玉が語る「犬笛によるヘイト」と判決 
12 高市推薦、自民党ヒトラー本が怖すぎ
13 高市早苗にネトウヨが総結集、「天照大神の再来」とバカ騒ぎ、膳場貴子を攻撃
14 自民党政権が「一般病床削減」を継続、看護師5万人削減の計画も
15 支持率急落も菅首相はGoTo続行、分科会の尾身会長の中止提案も無視
16 “無双”文春のタブーを林真理子が暴露
17 山口敬之逮捕を握り潰した“官邸の忠犬”中村格が警察庁ナンバー2に!
18 グッディ高橋克実が北朝鮮危機で本音
19 「政治のせいで命失う」正論を口にした野々村真が炎上させた自民党応援団!
20 乃木坂46橋本奈々未が背負った貧困
1安倍が支援、高市早苗が「さもしい顔して貰えるもの貰う国民ばかり」
2安倍晋三が「統一教会」イベントでトランプと演説!同性婚や夫婦別姓を攻撃
3八代英輝弁護士が「共産党は党綱領に暴力的革命」とデマ、維新の政治家も丸乗り!
4菅首相辞任も…元凶を作った安倍晋三が今度は岸田、河野、高市を操る存在に
5高市早苗にネトウヨが総結集、「天照大神の再来」とバカ騒ぎ、膳場貴子を攻撃
6山口敬之の逮捕をツブした中村格の警察庁長官就任に広がる抗議!
7河野太郎がワクチンを総裁選に利用!はじめしゃちょー相手にデマも
8堀江、竹中だけじゃない 菅首相に「がんばった」と同情論寄せる世論
9「政治のせいで命失う」正論を口にした野々村真が炎上させた自民党応援団!
10河野太郎が会見で露骨な安倍忖度!森友再調査の質問に答えずワクチンで大嘘
11安倍晋三の総裁選支配に今井尚哉、北村滋の二大側近がまたぞろ暗躍か!
12自民党政権が「一般病床削減」を継続、看護師5万人削減の計画も
13八代の共産党攻撃の根拠「公安調査庁」がまるで共産党PRの“失笑”報告書
14DHCテレビが敗訴判決!辛淑玉が語る「犬笛によるヘイト」と判決 

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄