「14歳でAV女優を志した」さんまもハマったAV女優・紗倉まなが抱える闇

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 自分をもっと認めて! そんな紗倉の悲鳴と裏腹な明るさはちょっと辛くさえある。そして一転、少しでも自分が認められない、裏切られたと思ったときの心境を紗倉はこう綴っている。

「イベントで、ファンの方が他の女優さんを好きになっているのを知ってしまう瞬間もあるし、「それは仕方ないことだよね」なんてわかっていても、どうしても裏切られたような寂しさに包まれてたまらない気持ちになることもあります」
「(恋人との関係で)「体の関係はあるけど、少しの好意もない」というのは許せるけど「体の関係はないけど、心で結びついている」というなら許せない」 

 謙虚だったはずの紗倉から突然発せられる「許せない」という言葉は過剰なまでの『自分だけを見てアピール』とも思える。しかも紗倉は、同性である“女性”が苦手らしい。

「同じ年くらいの女の子とどういった話をすれば盛り上がるの? (略)自分の存在を消すことに徹しようとするコミュ障ぶり」
「一緒に写真を撮っても、その子の映りが一番良いものを選ぶが故にひどい写真をアップされてしまうこともあったりする恐ろしさ」
「小学校・中学校だった時の女子同士のやり取りを思い出します(わたしゃ戻りたくないね!)」

 過去において、同級生や女友だちとの関係で相当嫌な思いをしてきたのだろう。自分の写りを優先し紗倉の写りが二の次になるのも、必ずしも友人の悪意ではなくよくあることにも思えるが、紗倉はそうは思えない。

 自分のことを認めて欲しい。褒めて欲しい。そのためには何でもする。でもここまで努力をしている自分を認めないで他の人を褒めるのは許さない! 同性はすぐに裏切るから嫌い──被害妄想と過剰適応、それが本書に描かれる紗倉の痛々しいまでの姿だった。

 そう考えると冒頭での「ハニートラップ」「売名行為」という紗倉への批判は的外れに思える。芸能界の大物であるさんまが自分をお気に入りだと言って認めてくれた。そんな人の誘いを断るわけにはいかない。嫌われたら怖い。自分を必要とされるなら何でもする。もっと認めて欲しい。褒めてほしい。そんな心理が働いたのではないか。

 ちなみに、本書は紗倉のこんな言葉で締めくくられている。

「本名の私はおどおどしてて内気で、自分のいいたいこともまともに伝えられなかった。でも、紗倉まなはAV業界という世界の中で、必死に『自分の思いを伝えなくちゃ』ともがきながら生きている。そうやって死に物狂いで頑張れる業界だからこそ、自分という存在をようやく認めてあげることができたのかもしれません」
(林グンマ)

最終更新:2017.12.09 05:04

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