「プロ彼女」「家事ハラ」「負け犬」なぜみんな逆の意味になってしまうのか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
purokanojo_141202.jpg
西島秀俊の妻は“プロ彼女”ではない!(『「MOZU」オフィシャルガイドブック』集英社より)

 世間を驚かせた西島秀俊の結婚報道。いま、この話題がまったくちがう問題に発展している。

〈だいぶ間違った解釈をされてるけど、わざとなのかな…〉

 このように疑問を投げかけたのは、コラムニストの能町みね子。「女性自身」(光文社)が「西島秀俊の厳し過ぎる結婚条件 耐えた妻に“プロ彼女”の声」と題した記事を掲載したのだが、ここで使われている“プロ彼女”という言葉が誤用だと訴えたのだ。

 能町のTwitterによれば、“プロ彼女”という言葉が生まれた経緯は、ロンドンブーツ1号2号・田村淳の結婚相手について〈「彼女は一般女性というよりはプロの女性だろう」みたいに書いたのが最初〉。それがラジオを通して「プロ彼女」というネーミング誕生にいたった。元タレントとしての人脈を使って芸能人に近づき、かつ、元タレントなのに一般人と自らを称する……淳の結婚相手に漂う狡猾さをシニカルに表現したのが、“プロ彼女”だったのだ。

 しかし、それをなぜか「週刊女性」は〈プロ彼女とは、“非の打ち所がない彼女”のこと。容姿端麗で性格も完璧。芸能人と交際してもブログで明かさず、陰ながら支えてカレの株を上げてくれる〉女性だと婉曲して使用。高い女子力を皮肉る言葉だったはずが、逆に女子力の高さを褒め称える言葉になってしまっているのである。

 だが、こうした誤用は最近とみに増えている。その一例が、流行語となった“負け犬”だろう。

“負け犬”という言葉が広く使われるようになったのは、酒井順子の30万部を突破したベストセラーエッセイ『負け犬の遠吠え』(講談社)が発端。酒井は本書のなかで、未婚の女がいくら幸せだと言っても世間からは反感を買ってしまう現実を踏まえ、〈どんなに美人で仕事ができても、30代以上・未婚・子ナシは「女の負け犬」〉だと“自虐的”に称するという世渡り術を指南した。負け犬とは、社会が女に押しつける結婚・出産という幸福モデルだけではなく、未婚でも女性は幸せなのだと高らかに宣言、肯定した言葉だったのだ。

 ところが、この言葉もマスコミが誤って使用し、“未婚で子ナシの30過ぎ女は負け犬”という、酒井の意図を無視して世間に浸透。「結婚できない負け犬女の生態」だの「理想が高すぎる負け犬女たち」だのといったように、未婚女性を肯定するどころか、正反対に未婚女性を侮蔑する際に用いられている。あげく、本の意図とは真逆の“婚活”ブームすら引き起こしてしまった。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

家事労働ハラスメント――生きづらさの根にあるもの (岩波新書)

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

「プロ彼女」「家事ハラ」「負け犬」なぜみんな逆の意味になってしまうのか?のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。新語田岡 尼誤用の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
ツイート数
1 東京は濃厚接触者も検査できない!それでも西村康稔は「直ちに検査を」
2 スポーツ選手に五輪問題を問うのは誹謗中傷でない!有森裕子、平尾剛の発言
3 「救急搬送困難」続出で菅首相が「重症・重症化リスク以外は入院させない」の棄民方針!
4 福島で甲状腺がんがさらに増加も黙殺
5 安倍晋三が「東京五輪」語るも、1年延期の理由は大嘘 歴史改ざん
6 首相官邸のSNSはやはり電通が仕切っていた! 高橋まつりさんも母親に
7 病床を削減した病院に消費税でご褒美…病床削減推進の改正医療法が成立か
8 検察審査会「不起訴不当」は当然!桜前夜祭の損失補填に安倍本人関与の根拠
9 五輪サッカー・久保建英が南アの陽性者に「僕らに損ではない」と無神経発言
10 感染3000人超でもテレビは五輪一色、加藤浩次が“五輪無罪”を主張
11 葵つかさが「松潤とは終わった」と
12 IOC幹部の発言で安倍の責任が明白に…「1年以内延期」「再延期なし」ゴリ押し 
13 五輪海外選手の猛暑への批判に同調の為末大が猛暑懸念の声を「反安倍」と
14 『NEWS23』星浩は集団的自衛権容認派
15 川島なお美が近藤誠の診断を告発
16 感染者急増、医療逼迫でもテレビは「五輪金メダル」報道一色、コロナ無視!
17 五輪関係者が入国当日、築地を散歩! 
18 感染3177人で小池百合子が会見トンズラ!「一人暮らしは自宅を病床」暴言も
19 林真理子がなんとキムタク批判!
20 久米宏が終了決定のTBSラジオで田中真紀子と
1検察審査会「不起訴不当」は当然!桜前夜祭の損失補填に安倍本人関与の根拠
2大ウソだらけの東京五輪! 安倍・菅・森はどんな嘘をついてきたか
3 スポーツ選手に五輪問題を問うのは誹謗中傷でない!有森裕子、平尾剛の発言
4「救急搬送困難」続出で菅首相が「重症・重症化リスク以外は入院させない」の棄民方針!
5安倍晋三が「東京五輪」語るも、1年延期の理由は大嘘 歴史改ざん
6五輪サッカー・久保建英が南アの陽性者に「僕らに損ではない」と無神経発言
7菅首相「五輪中止ない」の理由「人流減った」「新たな治療薬確保」は大ボラ
8感染者急増、医療逼迫でもテレビは「五輪金メダル」報道一色、コロナ無視!
9五輪入場行進にすぎやまこういちの曲、杉田水脈のLGBT差別に同調
10五輪海外選手の猛暑への批判に同調の為末大が猛暑懸念の声を「反安倍」と
11五輪で “濃厚接触者との対戦拒否できず”のルールがこっそりできていた
12感染3177人で小池百合子が会見トンズラ!「一人暮らしは自宅を病床」暴言も
13五輪開会式演出の小林賢太郎が“ユダヤ人大量惨殺ごっこ”ギャグで解任!
14東京は濃厚接触者も検査できない!それでも西村康稔は「直ちに検査を」
15組織委は「復興」ないがしろ!被災3県の子どもの深夜動員にも批判 
16感染3000人超でもテレビは五輪一色、加藤浩次が“五輪無罪”を主張
17五輪入場行進曲の作曲者名カットはすぎやまこういち隠し?それとも

カテゴリ別ランキング

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄