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ASKAが自分を叩いた坂上忍と井上公造に言及! 坂上は「いい男」井上は「ない!」…その理由は?
ASKA『Too many people』(DADA label)
先月30日に放送された『ASKAが語る真実…逆指名インタビュー』(AbemaTV)が話題だ。
これは、ASKAがインタビュアーとして指名した亀田興毅と吉田豪を相手にそれぞれと対談を行う番組企画だったのだが、そのなかの吉田豪との対談パートのなかでASKAは、逮捕時に起きたメディアスクラム、特にそのなかでも坂上忍と井上公造との関係について語っている。
ASKAは坂上について「彼も最初叩いてくる側にいたから」と語りつつも、「でも、彼を見ているとね、色んなことをフラットに言う人だから、ああ、叩いて当然だなと。このフラットな坂上くんという人を、僕は知りたいなと思ったのね。で、自分から会いたいってアプローチしたのよ。で、会うことになって、2、3時間しゃべったのかな、だいぶ面白いわ、奴は。すごいいい男だなと思って」と、これまでのASKAと坂上との関係性の変化を振り返った。
それを聞いた吉田豪は「ちなみに、井上公造さんとかに対してもそういう感じ?」と質問、すると、ASKAは間髪入れずに、こう言い切ったのだ。
「ない!」
直後、ASKAは苦笑いして「ジョークジョークジョーク」と付け加えたうえで「ここであんまり語れないからさぁ」としていたが、彼が「ない!」と断言して話をシャットアウトしたのも当然だろう。井上公造はスクラムを組んでいっせいにASKAバッシングに走るメディアの空気にここぞとばかりに乗っかり、大はしゃぎで煽動すらしていた。
そもそも、昨年末にASKAが覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕・拘留された際のマスコミの報道は本当にひどいものだった。周知の通り、この件は結局、嫌疑不十分で不起訴処分となっている。
テレビ各局はまだ逮捕状すら出ていない段階にもかかわらず、警視庁のリークに乗っかって「ASKA元被告 逮捕へ」といっせいに報道。ASKAの自宅前にはマスコミが集結。警視庁による身柄確保の瞬間まで、あらゆるメディアで実況中継されて晒し者にするという事態に発展したのだ。
この後もASKAのブログの内容をあげつらい、まだ捜査も進んでいない段階で薬物常習者だと決めつけるような報道を続けたことや、タクシー会社に車内映像を提供させて放映したことを覚えている方も多いだろう。
そういった報道のなか、井上は2016年11月28日放送『情報ライブ ミヤネ屋』(日本テレビ系)のなかでASKAの未発表音源を無許可で放送。ミュージシャンの未発表作品を本人の許可もなく勝手に流すという行為にASKAはブログで異議を申し立て、世間からも井上を非難する声が多くあがった。ちなみに、ASKAが嫌疑不十分で釈放された後、井上は宮根誠司アナと共にこの行いを謝罪しているが、それでも到底許されるものではないだろう。
井上公造の師匠、梨元勝はジャニーズにも怖じ気づかなかったのに…
この件についてASKAは、「SPA!」(扶桑社)17年1月3日号掲載のインタビューでも、このように怒りを表明していた。
〈絶対やっちゃいけないことですよね。というよりも、よくあんなことができたな、という気持ちです。僕は昔からそうですが、楽曲の反応を見るために、完成前の未発表曲を聴かせることがよくあります。もちろん、コピーなどしないことを大前提にです。数十年間、誰も約束を破る人などいませんでした。井上さんとも「絶対に公開しないでください」「もちろんです」とのやりとりがありました〉
しかし、井上公造という芸能レポーターはもともと、こんなことに恥を感じるようなタマではないらしい。
「井上さんはとにかく、大手芸能事務所や大物芸能人に取り入ることで、この業界を泳いでいる人ですからね。普段から、大手事務所の関係者や芸能人としょっちゅう飲み食いして、べったりの関係を築いている。番組でも、ジャニーズやバーニングといった大手プロのタレントの批判は一切しないどころか、逆にその言い分を代弁するような役割を担っている。大手プロが仕掛けたい話題やスキャンダルをリークされ、その意図のまま丸乗りするので有名。その癒着ぶりは今さら批判するのもバカバカしいくらい周知のことですよ」(週刊誌芸能担当記者)
実は、この「癒着」ぶりは井上本人も認めている。井上は「週刊文春」(文藝春秋)17年4月14日号の「阿川佐和子のこの人に会いたい」連載対談に登場。こんなことを語っている。
「芸能レポーター自体、芸能人がいるからこそ成立する商売ですよね。そこが梨元(勝)さんと考え方が合わなかったかも……」
井上はもともと芸能レポーターのパイオニアである故・梨元勝の弟子。そして、梨元といえば、大手芸能事務所におもねらない反骨の芸能ジャーナリストとして知られていた。
たとえば、「週刊文春」(文藝春秋)がジャニー喜多川社長による所属アイドルへのセクハラ疑惑や、ジャニーズ事務所のブラック労働などの問題について追求する連載をしていた時期、ジャニーズタブーを恐れてそれらのスキャンダルをいっさい後追いしない大手メディアを梨本はこのように糾弾している。
「文春で報じていることは、テレビ局の報道で取り上げていいことだと思うんです。しかし、ジャニーズといえば、ドラマや音楽を作る制作部門からクレームがつくだろうし、テレビというのは芸能ニュースを伝える完璧なものではないんです」(「週刊文春」1999年12月9日)
大手プロと癒着して伝書鳩と化している芸能レポーター
梨本のその姿勢の人はその後も貫き通される。
2001年にSMAPの稲垣吾郎が道路交通法違反、公務執行妨害で逮捕された際、報道を控えるという方針を打ち出したテレビ朝日に対し、梨元は「それはおかしい」と反発。その結果、番組をボイコットする事態に発展した。
また、06年には静岡朝日テレビの番組担当者から「ジャニーズ事務所に関する話題を取り上げないでほしい」と言われ、激怒して番組を降板したこともある。
そんな梨元に対し、弟子の井上は全く逆で、売れっ子になるにつれて、芸能事務所や大物芸能人とどんどん癒着を深めていった。梨元はその井上の姿勢が我慢ならず、数年後、袂を分かったというのは有名な話だ。
しかし、当の井上はむしろ、前述「週刊文春」の阿川との対談で、この梨元との対立のエピソードを紹介しながら、まるで自分のスタンスのほうが正しいかのように、こう語ったのだ。
「(梨元事務所に)二十九歳の時から、五、六年お世話になりました、芸能レポーターになるきっかけを作ってくださった恩人です。ただ、最後はちょっと意見が合わず……」
「梨元さんはレポーターが芸能プロダクションやタレントさんと親しくなるのは良くないという考え方だったんです。逆に僕は親しくなって何が悪いの? っていう思考。癒着と密着は違うと思っていて、癒着はまずいけど密着しないと本音も引き出せないだろうと」
井上氏の言う“密着”と“癒着”の差が全然分からないが、要するに取材対象とは親しくする、そして真相が分からなくても面白ければいい、というのが井上氏の芸能レポーターとしてのスタンスらしい。
実際、井上は「週刊文春」の対談で「会見はエンターテインメントの場。真相が明らかにされなくても、唸らせてもらえばいい」なんてことまで語っている。
なんとも唖然とする開き直りぶりだが、しかし、これは井上一人の問題ではない。いま、ほとんどの芸能レポーターは芸能プロの意図を伝える伝書鳩的存在になっている。
「大手芸能プロの言い分を垂れ流す一方で、弱小プロのタレントは徹底的にバッシングを加える。こういう“弱い者イジメ”は、テレビ局が求めているものでもある。芸能ゴシップで視聴率を稼ぎたいけど、かといってつきあいの深い大手プロのタレントを批判できない。そういうテレビ局にとって、大手とベッタリ癒着している井上のようなレポーターはすごく安心できる存在なんです。だからそういうレポーターばかりが重宝され、増えていく」(ワイドショー関係者)
そういった意味では、大手事務所に所属しているわけではなく、さらに逮捕歴のあるASKAは「弱い者イジメ」の格好の標的であった。もしもこれがバーニングプロダクション系列やジャニーズのタレントだったなら、井上は未発表音源を無断で放送するなどという舐めた振る舞いには出なかっただろう。
「強きを助け、弱きを挫く」という醜悪な見世物が当たり前のように公共の電波に乗る状況はいつになったらなくなるのだろうか。
(編集部)
最終更新:2017.11.03 11:29
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