『妖怪ウォッチ』効果 いま小学生の間で岡山弁が大ブーム!

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画像はニンテンドー3DS用ゲームソフト『妖怪ウォッチ2 本家』より

「もんげー!」
最近、子どもたちのこんな声を聞いた人も多いのではないか。実はこれ、今、子どもたちの間で大ブームを巻き起こしている『妖怪ウォッチ』のせいだったのだ。『妖怪ウォッチ』とは、妖怪を見ることのできる腕時計“妖怪ウォッチ”を手に入れた主人公が、あちこちに出没する妖怪と友達になり、彼らの力を使って人々の悩みや問題を解決していくというもので、もとはニンテンドー3DS用ゲームとして発売されたもの。その後マンガ化やグッズ展開され、今年の1月からはアニメも始まり、その人気はますます高まっている。

 なかでも人気なのが、田舎にある神社が壊されたため、都会に出てきた狛犬の妖怪・コマさん。彼はメインキャラである猫の地縛霊・ジバニャンを抑え、圧倒的な人気を誇っているのだ。そのため、本編と絡まないサブストーリーでは「コマさん物語」「田舎者はバラ色に」「恋とポエムとコーヒーと」「太陽にほえろズラ!」など、コマさんを主人公にしたシリーズが続々登場するほど。そんなコマさんの口癖が「もんげー」だったのだ。ほかにも、語尾に「~ズラ」をつけたりしているのだが、そんな彼の口調をまねする子どもや親が増えているらしい。

「~ズラ」というのは山梨や静岡の方言で聞いたことがある人も多いかもしれないが、実はコマさんが使っている「もんげー」にも、元になった方言があった。それが、岡山弁だ。しかし、岡山弁で「ものすごい」を意味する「もんげー」は、岡山の人ですら「初耳」という人がいるくらい、もうほとんど使われていない方言だった。それが、『妖怪ウォッチ』のコマさんによって、全国区の方言になった。今年は、あまちゃんの「じぇじぇじぇ」に続く流行語大賞も狙えるのではないかという声もあがっている。

 そんな「もんげー」というセリフだが、「アニメージュ」(7月号)によると、脚本家である加藤陽一のアイデアで決まったという。「驚く時に言うキーワードを作りたくて」といろんな地方の方言を調べた結果「岡山弁の「もんげー」という響きが、子供たちに刺さるかな」という理由で採用されたようだ。

 たしかに、『岡山弁JARO?』(青山融/ビザビリレーションズ)を読んでみると、岡山弁には子ども心に響きそうなものがたくさんある。

 たとえば、「いんぎょちんぎょ」。これだけ聞いても何のことやらさっぱりだが、響きはなんだかかわいらしい。「ちぐはぐな」「不揃いな」といった意味やボタンを掛け違えた状態のことを指すそうだが、ボタンを掛け違えているキャラに、コマさんが「あー、いんぎょちんぎょズラ」と言っている姿を想像すると、ほっこりしそうだ。

 また、「何を食べているの?」を岡山弁で言うと「なんたびょん?」になる。もとは「何を」が「なにゅー」に、「食べている」は「たびょーる」に変わり、疑問形の「の」も「ん」になるので、「なにゅーたびょーるん?」となるのだが、これが短縮されて「なんたびょん」になるそうだ。しかも、尻上がりではなく、尻下がりに「なんたびょん!」と言えば、「食べるな!」という禁止の意味になるという。同じように、「なんみょん!」は「見るな!」、「なんしょん!」は「するな!」、「なんよん!」が「黙れ!」、「どこいきょん!」は「出かけるな!」という意味になる。字面や響きはかわいいが、イントネーション次第では恐ろしい言葉に変わるようだ。

 岡山弁はじゃんけんの掛け声も独特だ。普通は「じゃんけんぽん」だが、著者が小・中学生だった昭和30年代には、岡山市の男子は「リッチン・タア!」倉敷だと「チン・ガン・シェー!」が使われていたそうだ。今ではその掛け声を使う人も減っているようだが、著者の娘(1980年生まれ)が小学生のときも、ドッジボールで最初にボールを持つ方を決めるときだけは、「じゃんけんぽん」ではなく「ボールト・リッチン・タア」が使われていたという。妖怪の名前もほとんどがダジャレで決まっている『妖怪ウォッチ』なら、「ボールト・リッチン・タア」の掛け声もぴったり合うはずだ。

 ほかにも、鳥肌のことを「サムサム」と言ったり、すっからかんを「てっぱらぽー」と言うなど、思わず口にしたくなる言葉がたくさんある。もしかしたら、アニメでもコマさんの口から「もんげー」以外の岡山弁を聞くことができるかもしれない。そして、みなさんもそんなセリフをまねしていつの間にかつい岡山弁を口にしていたとしたら、それもきっと妖怪のせいなのね、そうなのね~♪
(田口いなす)

最終更新:2018.10.18 04:20

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