不祥事・トラブルに関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ
安倍御用記者・青山和弘が“セクハラ”で『NEWS ZERO』有働アナのパートナーを降板も、日テレが事件を隠蔽
青山和弘著『安倍さんとホンネで話した700時間』(PHP研究所)
本日、日本テレビの報道番組『NEWS ZERO』の記者発表会がおこなわれ、新キャスターに就任する元NHKアナウンサーの有働由美子が抱負を語った。だが、有働メインキャスター就任が伝えられた際、有働のパートナーとして同じメインキャスターにすることで調整中だと報じられていた同局の政治部記者・青山和弘の姿はそこになく、有働以外のメインキャスターの発表もなかった。
青山といえば、『安倍さんとホンネで話した700時間』(PHP研究所)なる安倍礼賛本を出版するほどの御用記者。たとえば安保法制が国会で審議されていた際には「この法案が廃案にされては困りますので、うまくこう、巻き込んでいく」とまるで安倍官邸の一員のような発言をテレビでおこなうなど、解説と称して安倍首相の主張を代弁。本サイトでも“政権の腹話術人形”とツッコんできた。
そんな青山がメインキャスターに就任すれば、『NEWS ZERO』が安倍擁護番組になるのは必至であり懸念の声があがってきたが、なぜかきょうの記者発表会に青山は姿を見せなかった──。
だが、結論から先に言えば、青山がこんな場所に出られるはずはなかった。というのも、青山には、女性に対して重大なセクハラ行為をはたらいたという、とんでもないスキャンダルがもちあがっていたからだ。
じつは、1週間ほど前から「青山に大きな女性スキャンダルがあるらしい」「どうやらセクハラ案件らしい」という噂が駆け巡っており、本サイトでも取材を進めていた。さらに、昨日には「週刊新潮」(新潮社)と「女性セブン」(小学館)が今週、報じるらしいという情報が飛び込んできた。そして、きょう午後になって、小学館のニュースサイト「NEWSポストセブン」が「女性セブン」の記事の一部を事前配信した。「ポストセブン」は、日テレ関係者のこんなコメントを掲載している。
「その青山さんに女性局員に対する深刻なセクハラ騒動が起きました。泥酔した20代の女性局員に無理矢理肉体関係を強いたと疑われています」
一方、本サイトが掴んだ情報では、事件が起こったのは今年のことで、被害者女性は同じ日テレ社員である20代の局員。青山と被害者女性は酒席をともにし、女性が泥酔していることを知りながら、青山は性行為を強要したというものだった。その上、青山は別のアルバイト女性にもセクハラをはたらいていたという話も出てきた。
いずれにしても、これが事実ならば、青山と同様に「安倍首相に近い記者」と呼ばれてきた元TBS記者・山口敬之による伊藤詩織さんへの性暴力疑惑を想起させる重大な事件だ。とてもメインキャスター就任などと言っている場合ではない。
しかも、問題なのは、この青山の事件は「週刊新潮」や「女性セブン」が取材に動いて発覚したわけではない、ということだ。じつは、日テレはこの事件を事前に把握しながら、公表することなくもみ消そうとしていたのである。
というのも、性行為を強要された女性は当初、青山の事件を告発することに躊躇していたというが、告発を決心。日テレは「日テレ・ホイッスル」という社内報告制度を設けているが、女性はこの事件を局に訴えたという。
こうして女性が被害を申し出たことで、日テレは青山から聞き取りをおこなうなど事実関係を確認、対応に乗り出したが、その結果はなんと、青山への処分はなし。9月1日付けの人事でこっそりと報道局からグループ推進本部に異動させたのだ。
日テレはセクハラだけでなく、降板そのものを隠蔽、社内にも箝口令
しかも、日テレはこの件で、社内に異常とも言える箝口令をしいていた。青山が『NEWS ZERO』メインキャスターを降板したことはもちろん、異動のことすらも知っている社員はほとんどいない状況だったという。
さらに、この期に及んでも日テレは青山の事件はおろか、降板すらも認めようとしていない。きょうの記者発表会でも、青山が降板したことについては一切説明がなかった。
また、本サイトは日テレに対し、青山の異動の事実や、『NEWS ZERO』メインキャスター就任の取りやめは女性問題が理由ではないかなど複数の質問をぶつけたが、その回答は以下のような素っ気のないものだった。
〈番組制作の過程についてはお答えしていません。
異動については報道出身の前任者がグループ会社へ転出したため、
その後任としてグループ推進本部に異動したものです。〉
青山は今年4月に安倍首相とのパイプの太さを誇示する内容の『恩讐と迷走の日本政治 記者だけが知る永田町の肉声ドキュメント』(文藝春秋)を出版するなど、政治部きっての安倍番として、日テレは国会官邸キャップを務めさせていた。そして、『NEWS ZERO』のメインキャスター就任で本格的に報道の顔にしようとするべく、今年5月には中居正広が出演する人気バラエティ番組『ナカイの窓』にまで出演させ、本人も嬉々として“安倍首相との深い仲”とアピールしていたほど。そんなスター記者を、このタイミングで報道局からグループ推進本部に異動させたことの理由が「前任者がグループ会社へ転出したことの後任人事」であるなどとは、信じられるわけがない。
ようするに、日テレはいまだに、青山の事件も、青山を『NEWS ZERO』のメインキャスターに据えようとしていたキャスティングも、すべてなかったことにしようとしているのだ。
そもそも、日テレが青山を『NEWS ZERO』のメインキャスターにする予定だという情報が出てきた段階から、「ほんとうに青山で大丈夫なのか」という声が業界では囁かれてきた。というのも、今回の女性局員へのセクハラ事件以前から、青山には女性スキャンダルの噂が絶えず流れていたからだ。同じ報道部に所属する女性記者と結婚・離婚した後、2011年には同じく日テレのアナウンサーと再婚しているが、青山の「女癖の悪さ」は局内でも有名だったという。
安倍首相のご機嫌取りのために『NEWS ZERO』に抜擢された青山記者
たんに政治部記者であるならば、そうした噂も取り上げられることもないが、これが有働由美子と並ぶ『NEWS ZERO』のメインキャスターともなれば話は違う。女性スキャンダルが発覚すれば芸能記事の餌食になることは明白で、にもかかわらず日テレがメインキャスターに推したことに疑問の声があがってきたのだ。
一体なぜ、日テレはそんな青山を看板報道番組のメインにしようとしたのか──。その答えは、単純なものだった。じつは、このキャスティングは「官邸へのご機嫌とり」だったのである。
番組開始から12年にわたって『NEWS ZERO』メインキャスターを務めてきた村尾信尚は、青山を筆頭に安倍応援団の日テレにあっては珍しく、安倍政権の経済政策などに批判的なスタンスをとってきた。そのためインタビューなどで安倍首相を不機嫌にさせたりイラつかせることも度々あり、なかでも2014年12月に放送された総選挙の特番では、アベノミクスについての質問を重ねる村尾に安倍首相がブチギレ、しまいには安倍首相はイヤホンまで外し、村尾を完全に無視して勝手なことを早口で喋り続けるというとんでもない醜態を晒した。
そのせいか、最近では、安倍首相が日テレに独占出演する際も、『NEWS ZERO』ではなく夕方の『news every.』のほうに出演するようになっていたのだが、こうした安倍首相の「村尾嫌い」を日テレが忖度。村尾から安倍首相のお気に入り記者である青山をメインキャスターにすげ替えることで、安倍官邸に媚びを売ろうとしたというのである。
報道番組のキャスティングまで官邸の顔色を伺うとは、まったく呆れ返るが、 そういう姿勢だからこそ、結局、日テレは山口敬之・元TBS記者と同じような事件を抱えることになってしまった。ともかく、日テレの今回の青山の事件への対応は、局の体面を守ろうと性被害を軽んじるというメディアとしてあるまじき行為だ。しっかりとした説明が求められることは間違いない。
(編集部)
最終更新:2018.09.04 11:33
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