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長嶋茂雄と一茂“父子の骨肉の争い”が継続!? 正月放映の特番でも…
そこに一茂の姿はなかった…(TBS『独占!長嶋茂雄の真実 ~父と娘の40年物語~』番組サイトより)
父と息子の確執はやはり現在も続いていたのか。そのことを痛感したのが、1月3日に放映された『独占!長嶋茂雄の真実〜父と娘の40年物語〜』(TBS系)だった。
この番組は、2004年に脳梗塞で倒れた“ミスター”長嶋茂雄の壮絶なリハビリ生活に密着したドキュメンタリーだ。今はバットを振れるほどに足腰がしっかりし、口調もかなりはっきりするまでに回復した長嶋だが、発病直後は医師から「寝たきりも覚悟して」といわれていたという。以降の苛酷なリハビリの日々、それでも決して弱音を吐かず現在でもその闘いを続け、「目標は走ること」と語る長嶋の姿は、素直に感動を誘うものだった。
また番組では次女でスポーツキャスターの三奈との共演も実現。父親に寄り添いサポートする献身的な三奈と、娘を全面的に信頼する長嶋の父娘の姿が印象に残るものだった。
だがしかし──。このドキュメントには不自然な点がひとつあった。次女の三奈がこれほどフィーチャーされているのに、長男の長嶋一茂が一切登場しなかったのだ。長嶋には他に長女と次男もいるが、この2人は一般人のため表に出てこないのは分かる。しかし現在でもタレント・スポーツキャスターとしてテレビに頻繁に出演している一茂がドキュメンタリーに出てこないばかりか、番組内で名前さえ一切出てこない、触れられさえしなかったのはあまりに不自然だろう。
実は、そこには長年にわたる長嶋一家の対立があった。茂雄、三奈の父娘vs一茂夫婦の骨肉の争いである。
争いが表面化したのは長嶋夫人の亜希子さんが亡くなった2年後の09年6月、差出人「長嶋茂雄」名で1通の通知書がマスコミ各社やスポンサーに送りつけられたことだった。そこには、「長嶋茂雄の肖像権管理、商品化権、広告宣伝活動及び出演活動につきまして」「従来は有限会社ナガシマ企画が関与する事もありましたが、平成21年6月15日から、改めて上記通り株式会社オフィス・エヌが責任を持って行うこととしましたのでお知らせいたします」という文面が書かれていた。
「有限会社ナガシマ企画」というのは一茂の個人事務所で、妻の仁子夫人が代表を務めている。そして、「オフィスエヌ」はもともとミスターの妻・亜希子夫人が代表になっていた会社で、現在は三奈が代表に就任している。つまり、この通知は、ミスターが今後、自分に関係するビジネスに一茂を一切かかわらせず、娘の三奈に管理させるということを宣言したものだった。
背景には、もともとオフィスエヌがミスターの権利関係やマネジメントを管理していたにもかかわらず、一茂のナガシマ企画が介入しはじめ、関係各所との軋轢を生むようになったことがあった。最大のきっかけはミスターのリハビリの模様を放映したNHKに対し、ナガシマ企画がクレームをつけ、「ウチを通せ」と横やりをいれたこと。これにミスターが激怒し一茂外しを決断したのだという。
ところが、こうした動きに対して、「フライデー」(09年7月3日号/講談社)が一茂サイドにたち、一茂はずしの裏に次女の三奈、そして故・亜希子夫人の実弟の妻であるAさんの存在があると報道。Aさんが“女帝”といわれるほど力をもち、ミスターを陰で操っていると書いた。
すると、ミスターはこの記事に対して異例の抗議声明文を発表する。
「今回のように悪意に満ちた、全く事実と違う記事に対して、大変に憤りを感じています(略)娘たち、義理の妹が献身的に支えてくれています。そうした善意をこの記事は真っ向から踏みにじるものです」
これは明らかに、「フライデー」を使って情報戦を仕掛けた一茂に向けた抗議だった。
しかも、これがきっかけになって、一茂に批判的な報道がどんどん出始める。まず、「週刊文春」(09年7月2日号/文藝春秋)が「長嶋茂雄と一茂 少誌だけが知る『骨肉のバトル』」と題し、一茂が「長嶋茂雄」の商標登録の更新を行い、その商標権を獲得、これに対してミスターは「少年野球教室のことで協力してほしいからサインをしてほしい」といわれてサインをした「騙しうちにあった」として無効を主張していると報道。
「フラッシュ」(09年7月21日号/光文社)もこの商標権問題を取り上げ、ミスターが一茂に激怒し、「裁判をやる覚悟はできている。法律に判断してもらうしかない。不退転の決意でやる。息子といえども不正は許さない」と宣言したとの情報を伝えた。
実際、ミスター側と一茂サイドは双方弁護士をたてて交渉をしていたものの、決裂。一時は訴訟になることが確実という情勢だったという。
そこで、慌てた一茂がすがったのが、“芸能界のドン”バーニングプロの周防郁夫社長と幻冬舎の見城徹社長という2人の大物業界人だった。周防社長はもともと故・亜希子夫人と親しく、一茂が引退した後の面倒を見た経緯がある。またその周防社長の右腕といわれる見城社長は、今、一茂の最大のブレーンだ。
実際、7月に入って、周防社長と見城社長が仲立ちをするかたちで、ミスターと一茂の“和解の昼食会”が開かれ、その写真が一茂に近い「フライデー」(09年7月31日号)にすっぱ抜かれた。この席で一茂は自分の事務所・ナガシマ企画が得た「長嶋茂雄」の商標権をはじめすべての権利をオフィスエヌ、つまりミスターと三奈に返すことを約束したという。
ところが、その後も双方の確執は解消したわけではなかった。「週刊文春」(09年8月13日・20日合併号)には昼食会後、一茂が約束を反古にしたことが報じられている。記事のなかでは、事情を知る関係者がこのように語っている。
「(一茂は)その後、『“和解の昼食会”で権利をすべて返すとは言っていない』と周囲に主張しはじめた。さらにミスター側が七月二四日までに調印して戻すように求めていた和解書も期限までに届けられることはありませんでした」
さらに、8月1日には、一茂が自作の和解書を手にミスターの元を訪れ、権利の棲み分けを明示した文面とともに『以後、この件に関しては訴訟を起こさない』という一文を提示。ミスターのサインを求めた。これに三奈は激怒したという。
それから5年──。ミスターと一茂の確執はいまだ続いていると伝えられていたが、奇しくも正月早々の感動ドキュメントで、その根深さが証明されてしまったというわけだ。
「権利問題に付いては、結局、ミスターは一茂側の和解案を受け入れてしまったようですが、絶縁状態はずっと続いているようですね。三奈だけでなく、長女、次男も反一茂で、一切連絡を断っているようですから、三奈が主導した今回のドキュメンタリーに出演させるはずがありません」(テレビ関係者)
戦後最大のスーパースター・長嶋茂雄に降り掛かった一家ドロ沼の利権争奪戦。ただ、これはたんに息子・一茂夫妻の欲深さだけが招いた騒動ではないだろう。根底にはミスターが家庭をほとんど顧みず、そのかわりにさんざん自分の威光を使って子どもを甘やかしてきたこと、そして莫大な利権を築いてしまったことがある。そういう意味では、長嶋茂雄という戦後最大のスーパースターゆえに起きた一家の崩壊、といってもいいかもしれない。
(林グンマ)
最終更新:2017.12.09 04:38
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