玉川徹が原発汚染水“海洋放出”論に真っ向反論!「原発事故は起こらないって言ってた専門家がまた無責任なことを」

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政府の意向に沿って、「汚染水」を「処理水」と言い換えるマスコミ

 たしかに、原発事故後の放射性物質や健康被害をめぐる「科学的根拠がない」という言葉は、一見、もっともらしく思えるが、実際には「現在の科学では結論が出ない」ということを意味しているに過ぎない。過去の薬害や公害問題を振り返ってもわかるが、たとえば、水俣病やイタイイタイ病の科学的原因がはっきりと分かったのは、被害が確認されてから何年も後のことだったし、公害認定にいたってはさらなる年月を要した。薬害エイズや子宮頸がんワクチンなどの問題も同様だ。だからこそ、適切に不安がることは大切なのだ。そう、玉川氏は主張したのである。

 いずれにしても、他の情報番組やニュース番組が汚染水問題に及び腰のなか、「放出賛成派」と「放出反対派」の専門家の論戦を通じ、正面から取り組んだ『モーニングショー』には拍手を送りたいが、しかし、気になったのは、その『モーニングショー』にしても、原発ムラの澤田氏はもちろんだが、司会の羽鳥や解説パネルなどでも「汚染水」のことを「処理水」と言い換えていたことだ。

 いま、新聞やテレビは、政府の意向に沿って、この原発汚染水を「処理水」と言い換えている。放射性物質の除去処理をする前と後で「汚染水」と「処理水」を呼び分けるというのが建前だが、しかし、前述したように、現在の処理ではトリチウムは除去できない。つまり、いくら政府やマスコミが「処理水」と呼んで「浄化された水」と言い張ろうが、その水は依然として放射性物質が含まれる「汚染水」なのだ。

 冒頭に述べたように、マスコミは汚染水報道でも様々な箇所で安倍政権を忖度している。とりわけテレビでは、3.11直後はあれだけなりを潜めていた“原発広告”が復活している。原発再稼働政策を推し進める安倍政権の発足と歩調を合わせるように、電力業界は広告費を増やし、再びマスコミを“カネ”で漬け込んでいるのだ。“原発タブー”は確実に復活しつつある。汚染水問題でマスコミが「海洋放出しか道はない」という風潮一色に染まりつつあるのも、まさにひとつの証明だろう。

 だからこそ、「政府が安全と言っているのを不安がるのはおかしい」「風評被害を助長させるのか」という圧力に屈さない態度が必要だ。政府と原子力ムラがつくりだした“安全神話”を鵜呑みにした結果が、3.11の原発事故ではなかったか。いずれにしても、大量の汚染水が海に垂れ流されてからでは遅すぎるのだ。

最終更新:2019.10.05 11:39

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