『日本国紀』批判作家の著作を出版中止、実売部数晒し

幻冬舎・見城徹社長に寄せられた作家の批判総まくり! 幻冬舎から著作出版の作家も…能町みね子は「青林堂と合併すれば」

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大問題となった見城社長のTwitter


 百田尚樹『日本国紀』(幻冬舎)の“コピペ問題”をTwitterで批判してきた作家・津原泰水氏の小説が出版中止に追い込まれた問題。本サイトも先日の記事で、幻冬舎と津原泰水氏本人に直撃した。両者の主張には食い違う部分もあったが、いずれにしても『ヒッキーヒッキーシェイク』文庫化中止に至った背景に、幻冬舎社内で“日本国紀批判”が問題視され、幻冬舎が津原氏に『日本国紀』へ批判的なツイートをやめるよう要請したことははっきりした。つまり幻冬舎が出版をタテに津原氏の“表現の自由”を抑え込もうとしたのは紛れもない事実なのだ。

 そんななか、幻冬舎の見城徹社長が5月16日夜、こんなツイートをしたことが大問題になっている。

〈津原泰水さんの幻冬舎での1冊目。僕は出版を躊躇いましたが担当者の熱い想いに負けてOKを出しました。初版5000部、実売1000部も行きませんでした。2冊目が今回の本で僕や営業局の反対を押し切ってまたもや担当者が頑張りました。実売1800でしたが、担当者の心意気に賭けて文庫化も決断しました〉

 そもそも問題は幻冬舎による『日本国紀』批判封じによる出版中止であるにもかかわらず、「売れない本を出してやったのに文句言うな」と言わんばかりに、
津原氏の著作の実売部数を晒したのだ。“売り上げ至上主義”といわれる幻冬舎社長らしい発想だが、それ以前に、実売部数というのは、著者にさえ知らせないケースも多い出版社としては門外不出の数字。それを、見城社長は津原氏の告発を封じ込めるために、勝手に明らかにしてしまったのだ。これはどう考えても、職業倫理上、許されることではないだろう。

 結局、17日になって見城氏は〈編集担当者がどれだけの情熱で会社を説得し、出版に漕ぎ着けているかということをわかっていただきたく実売部数をツイートしましたが、本来書くべきことではなかったと反省しています。そのツイートは削除いたしました。申し訳ありませんでした。〉と釈明、ツイートを削除したが、これはゴマカシとしか思えない。編集者の情熱を知らしめるために、詳細な実売部数などまったく必要なく、津原氏を「売れない作家」であると印象づけようと部数晒し自体に固執していたのは明らかだ。

 しかも、幻冬舎の見城社長は、実売晒しの前日、15日には〈しかし、嘘付きというのはいるんだね(笑)。Twitterで何を発言しても構わないが、嘘だけは勘弁して欲しい。訴訟するのは気が進まないが、訴訟するしかなくなる〉と恫喝ツイートをしていた。

 こうした出版人とは思えない見城社長の姿勢には、周知のように、作家や出版関係者から、厳しい批判の声が嵐のように巻き起こっている。

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