百田尚樹が古市憲寿の『日本国紀』評に「ウソ書くなボケ」と激怒! でもウソをついてるのは百田センセイのほうだった

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古市氏に噛み付いた百田氏だが…(百田尚樹Twitter3月6日投稿より)


 安倍応援団のネトウヨ作家・百田尚樹センセイがお怒りだ。自身のTwitterで6日、これまた近年、安倍応援団の一員と化している(自称)社会学者・古市憲寿を「ウソを書くな!ボケが!」と罵倒したのである。

 古市クンというと、何かと炎上しがちな売れっ子論客。最近もコメンテーターを務める『とくダネ!』(フジテレビ)で、セブン-イレブンの24時間営業問題にかんして「24時間営業は必要」と主張し、「むしろコンビニだけじゃなく洋服屋さんとかいろいろなところを24時間、朝までやってほしいです」と発言、労働者視点皆無のコメントに批判が集まっている。しかし、今回の一件に関しては、いつもと違い、百田センセイのトンデモによって「当たり屋」的被害に遭った感が否めないのだ。

 ともあれ、何があったのか。百田のツイートを読んだほうが早い。

〈古市憲寿とかいうモノ書きが、新潮社の雑誌「波」で、「百田は『日本国紀』で『大東亜戦争は正義の戦争だった』と主張した」と書いている。
私がいつそんな主張をした!そんなこと、どこにも書いてない!
本を批判するのは自由だが、ウソを書くな!ボケが!〉(3月6日のツイート)

 一度キレると気が済むまでグチグチ言うのがセンセイの特徴。続けてこんな投稿もしている。

〈古市憲寿というのはどういう人かは知らないが、聞いた話では、オバチャン・キラーだそうだ。
力のあるオバチャンの懐に飛び込むのが上手くて、可愛がられるらしい。
私とは正反対のタイプな感じ。〉

 まあ、「オバチャン・キラー」なる古市評はともかくとしても、百田センセイをここまで激怒させた古市の論評って、どれほどのものなのか。本サイトもさっそく読んでみた。

 問題の文章は、古市が新潮社のPR雑誌「波」で連載している「ニッポン全史」の最終回(3月号掲載)のことだ。副題は「歴史を語ることの歴史」。このなかで古市は、百田の『日本国紀』(幻冬舎)を“話題の書”として取り上げ、こう紹介している。

〈また現代史では、「大東亜戦争は東南アジア諸国への侵略戦争」ではなかった、「南京大虐殺」はなかった、韓国の主張する「戦時徴用工強制労働」は嘘であるなど、これまでの百田の主張が繰り返されている。〉

 そして、歴史認識をめぐる右派のバックラッシュが盛んとなった90年代のベストセラー『教科書が教えない歴史』(藤岡信勝、自由主義史観研究会)や『国民の歴史』(西尾幹二・編、新しい歴史教科書をつくる会)と比較しながら以下のように述べている。

〈当時流行した日本史の特徴は、読者に勇気を与えてくれるという点である。彼らはそれまでの日本史を「自虐史観」だと批判し、日本人は「誇り」を取り戻すべきだと訴えた。「大東亜戦争は正義の戦争だった」など、百田が『日本国紀』で主張する内容と近い。というか、「ネトウヨ」と呼ばれる人々の思想的原点のほとんどは、90年代の歴史認識論争にある。〉

 これに対して、百田センセイは「ウソを書くな!ボケが!」とお怒りらしい。しかし、普通に読めば、古市が「大東亜戦争は正義の戦争だった」と主張したとするのは藤岡や西尾の著書のことであり、それが『日本国紀』の内容と「近い」と評しているにすぎないだろう。

 この時点で言いがかりの匂いがプンプンしてくるが、しっかり検証しておく必要がある。百田センセイは本当に「そんなこと、どこにも書いてない!」のだろうか。

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