安倍首相があの百田尚樹『日本国紀』を「購入した」とPR! 一国の総理が“Wikiコピぺ”指摘の歴史修正本を宣伝する理由

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安倍晋三公式twitterより

 愕然とする他ない。なんと、安倍首相があの『日本国紀』を大宣伝したのである。

 周知の通り、『日本国紀』とは、安倍首相の“お友だち”である作家・百田尚樹センセイが今年11月、幻冬舎から出版した歴史エッセイ。同じく安倍応援団である有本香氏の編集のもと、縄文時代から平成にかけた「日本通史の決定版」を謳う本なのだが、以前、詳しく検証したように(Wikiコピペ疑惑の百田尚樹『日本国紀』を真面目に検証してみた! 本質は安倍改憲を後押しするプロパガンダ本だ)、「日本はアジアを侵略していない」などと、先の戦争を肯定したうえ、GHQによる「WGIP洗脳で日本人の精神が破壊された」との陰謀論を全開する歴史修正本。しかも、Wikipedia等からの“コピペ”(無断引用)の数々が有志の検証によって判明している。

 そんな“事故本”状態の『日本国紀』を、信じがたいことに一国の総理大臣がモロにPRしたのだ。どういうことか。

 安倍首相は、29日、Twitterとfacebookを更新。〈年末年始はゴルフ、映画鑑賞、読書とゆっくり栄養補給したいと思います。購入したのはこの三冊〉との文言とともに、一枚の写真をアップした。

 写真には、ソファに座るカメラ目線でドヤ顔の安倍首相、テーブルの上に三冊の本が。一冊は産経新聞記者の連載をまとめた『全体主義と闘った男 河合栄治郎』(湯浅博/産経新聞出版)、別の一冊は直木賞にもノミネートされた歴史小説『信長の原理』(垣根涼介/KADOKAWA)だ。そして最後、中心の一番目立つところに、百田センセイの『日本国紀』が置かれている。誰がどう見ても、表紙を確認できるようなかたちで、だ。

 安倍首相が「私も読みます」とわざわざアピールしたわけだが、それにしても、あの『日本国紀』を持ってくるとは……。しかも、安倍首相と百田センセイ、発行元の幻冬舎・見城徹社長との関係を考えると、贈呈されているのは確実なのに、「購入した」って……。オトモダチへのPRがあまりに露骨すぎるではないか。

 いや、オトモダチ本を紹介したというだけが問題じゃない。何度でも繰り返すが、『日本国紀』は露骨な歴史修正主義と陰謀論が満載なうえ、ネットで“事故本”扱いされている本なのだ。

 ウェブサイト「論壇net」など、有志がその内容をどんどん検証していって、Wikipediaや別の本からの“無断転載”と受け取れるような記述が大量に発覚している。しかも、ネット等でそのインチキが指摘されると、百田センセイは「この本を書くのにね、山のように資料を揃えた。そのなかにはね、そりゃWikipediaもあるよ!」(11月20日『真相深入り!虎ノ門ニュース』DHCテレビ)などと開き直るだけで、まったく謝罪がない。それどころか、版を重ねるごとにコッソリと“サイレント修正”している始末だ。

 しかし、いくら密かに修正をしようとも(ちなみに出版元の幻冬舎のホームページでも修正については一切告知されていない)、誰が見てもWikipediaのコピペだろうと思われる記述が大量にあったことは、揺るがない事実だ。

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