ブラ弁は見た!ブラック企業トンデモ事件簿100 第17号

壮絶なパワハラで心を壊された広告会社社員 「死にたい」と口にした夫に妻は…パワハラ被害者家族の手記

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壮絶なパワハラで心を壊された広告会社社員 「死にたい」と口にした夫に妻は…パワハラ被害者家族の手記の画像1

 1972年生まれ、大阪出身のAさんは、芸術大学卒業後、グラフィックデザイナーとして東京で就職し、2006年に最愛の妻と結婚。3.11を機に、夫婦で東京から長崎にある妻の実家に避難し、2012年、長崎の広告制作会社に就職した。この会社は、広告代理店の広告制作部門で、広告代理店の営業マンが取ってきた広告の制作を行っていた。代理店のビルの一角で、上司と、Aさんと、派遣社員の3人だけの職場。当初は上司に恵まれ、長崎で夫婦のマイホームも購入し、順調に長崎生活を送っていた。

 Aさんの人生が暗転したのは、2013年3月。それまでの上司が定年退職し、代わりに代理店からSが上司として配属されてきた。Aさんは1年半、Sのパワハラを受け続け、2014年7月に精神を病んで休職する。ここで、Aさんの異変を綴った妻の手記を紹介したい。
(弁護士 中川拓)

●「自分が自分でなくなってゆく」やさしく真面目な夫に起きた異変とは…

………………………………………………………

 主人と出会って10年以上経ちますが、今も変わらず、ずっと身内の私に対して、今時珍しいほど真面目で誠実で、正直で裏表なく優しく接してくれています。私の両親も友人も本人の周りの人たちも、皆が同じように主人に対してそう言ってくれています。以前の東京時代の会社の上司や同僚の方たちとは、家族ぐるみで仲良くさせていただいており、今でも連絡を取り合うほど関係は良好です。誰もが善良な人間として主人を慕ってくれています。主人は東京時代の上司や恩師を人間的にも能力的にも尊敬しており、主人も上司からの信頼を受けて、その能力を活かし持ち前の真面目さと責任感を持って働いていました。思い出す限り、結婚式や新婚旅行以外に、仕事を休んだ記憶がありません。

 主人の様子に異変が起きているのに気づき始めたのは、2013年10月ころからでした。長年やってきたデザインの仕事に対して、「もしかしたら向いてないんじゃないだろうか」など、卑下する発言をするようになりました。記憶力も低下しました。家庭で、何日か前に自分が話していた内容を、忘れてしまったりしました。また、たびたび、不安そうな、罪悪感に悩まされている様子でした。マイナスの思考や感情に陥っているようで、話しているうちに突然泣き始めたり、震えが止まらなくなったり、激昂してわめくなど感情がコントロールできなくなっていました。性格にも変化があり、謝らなくても良いことまで自分のせいにして謝るようになっていきました。

 もともと趣味人の主人は、本来なら仕事を終え家でゆっくりする時間には、映画を見たり、音楽を聴いたり、絵を描いたり、映画や漫画やアニメの話をしたりすることが好きだったのですが、このころから、趣味にかける時間もほとんどなく、趣味に対する欲自体が無くなってきて、「自分が自分ではなくなっていっているようで怖い」と漏らしていました。

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