前川喜平前次官の授業を検閲要求! 文科省の違法行為の背景に森友文書改ざん問題と同じ安倍政権への忖度

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷

自民改憲案でも政治権力の教育介入が容易に! 思想統制を強める安倍政権

 事実、教育基本法第16条では〈教育は、不当な支配に服することなく〉と明記されており、国側は個別の教育内容に踏み込まないのが原則だ。また、言うまでもなく憲法21条では〈検閲は、これをしてはならない〉と定められている。今回の前川氏の公開授業に対する政府側の詰問及び録音データ等の提出要求は、どう考えても教育を不当に支配しようという意図で行われた検閲に他ならず、行政による違法・違憲行為と断じざるを得ない。

 一方で、安倍政権がいま、教育の独立を破壊しようと躍起になっている事実にも目を向ける必要がある。

 実際、先月、自民党の憲法改正推進本部が大筋合意した改憲条文案では、現行憲法26条1項及び2項の「教育を受ける国民の権利」と「受けさせる国側の義務」に足して、〈国〉を主語とした〈教育環境の整備に努めなければならない〉なる第3項を新設した。一見、なんてことのない国の努力規定のように見えるが、騙されてはいけない。

 実は、自民党案が加えた26条3項には、教育環境整備の趣旨として、〈国の未来を切り拓く上で極めて重要な役割を担う〉と記されている。少なくとも政府が「国の未来を切り拓く」なる建前で個別の教育へ介入できるという、危険な仕掛けになっているのだ。

 さらに、ここで謳われている国側の義務は“国益”を鑑みた教育環境の整備義務と解釈できることから、いわゆる「後法は前法を優越する」の原則を曲解して第23条の「学問の自由」までもが空文化する懸念もある。いずれにせよ、戦争の反省から国による介入を制限したこれまでの教育関連法の根底を覆す、極めて危うい改憲案と言わざるを得ないだろう。

 また、安倍政権といえば道徳の教科化などによる愛国的精神の強制はもちろん、具体的な教育への介入、監視・検閲の強化も明るみに出ている。たとえば、私立学校の歴史教科書の採択にあたっては、複数自民党政治家が「なぜあの教科書を採択したのか」と問い合わせて圧力をかけていたことが露呈。さらに、自民党がホームページで「子供たちを戦場に送るな」と言う教員を取り締まる“密告フォーム”を設置していたことも大きな問題となった。

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着芸能・エンタメスキャンダルビジネス社会カルチャーくらし

前川喜平前次官の授業を検閲要求! 文科省の違法行為の背景に森友文書改ざん問題と同じ安倍政権への忖度のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。前川喜平教育文部科学省編集部財務省の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄