中村文則が警鐘「この選挙は日本の決定的な岐路になる」このまま自公が圧勝すれば、安倍政権の横暴をすべて認めたことになってしまう

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中村文則の新著『R帝国』(中央公論新社)でも全体主義国家への警鐘が鳴らされている。

「ぜひ、あなたの声を聞かせてください」──テレビをつけると大量にオンエアされている自民党のCMでは、最後に安倍首相がこんな台詞を吐いている。よりにもよって自分に批判的な市民を「こんな人たち」と呼ぶあなたが言うか?と呆れ果ててしまうが、今回の選挙の争点は、とどのつまり「この男が総理大臣でいいのか」に尽きるだろう。

 そんななか、総理大臣としての安倍晋三という存在、そして「安倍現象」と呼ぶべき社会の変化についての鋭い論考が朝日新聞(10月6日朝刊)に掲載された。寄稿者は、『土の中の子供』で芥川賞を受賞し、今年8月発売で全体主義社会を描いた最新作『R帝国』(中央公論新社)も評判となっている作家の中村文則だ。

 中村はこれまでも安倍政権に対する危機感を表明してきた作家だが、今回も、冒頭解散を疑問視する声が高まってもそれを無視し、筋の通った説明もしない安倍首相について、中村は〈今回の解散は、ある意味首相らしいとも言える〉という。

〈首相はそもそも様々なことに対し、もう国民を納得させる必要をそれほど感じていないように見える。本当の説明をせず、押し通すことに、もう「慣れて」しまっているように見える。これは、とても危険なことだ〉

 そもそも安倍首相は「こんな人たち」発言からも顕著なように、自分を批判する層のことはハナから相手にしていない。しかし中村は、現在の安倍首相は「中間層」に対しても説明なく押し通しても大丈夫だと高を括っているのではないかと見る。それは、あれだけ多くの国民が反対していた安保法制を強行的に可決した翌年の参院選で自民党が勝利した、あの成功体験がもとになっているのではないか、というのだ。

 しかし、そうやって見くびられた結果、今回の選挙で安倍自民党がまた勝てば、どうなってしまうのか。中村はこう綴る。

〈現政権が勝利すれば、私達はこれまでの政権の全ての政治手法を認めたことになる。政権は何でもできるようになる。あれほどのことをしても、倒れなかった政権ならすさまじい。友人を優遇しても何をしても、関係者が「記憶にない」を連発し証拠を破棄し続ければよい。国民はその手法を「よし」としたのだから。私達は安倍政権をというより、このような「政治手法」を信任したことを歴史に刻むことになる〉

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