中村文則が警鐘「この選挙は日本の決定的な岐路になる」このまま自公が圧勝すれば、安倍政権の横暴をすべて認めたことになってしまう

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もし「蓮舫首相の森友・加計問題」だったとしても、安倍応援団は「全く問題ない」と言うのか

 内閣不支持率が支持率を上回っていながら、その要因であるさまざまな疑惑、強行政治、情報の隠蔽を、選挙によって是認してしまうことになる──。こんな馬鹿な話はないが、もうひとつ、重要なことを中村は指摘する。選挙の結果によって安倍首相が増長するという恐れだけが待っているわけではない、ということだ。

〈国会を見ていると、事実より隠蔽の、説明より突破の、共生より排他の強引な政治のように感じる。そしてそれらを、論というよりは感情によって支える人達が様々に擁護していく〉

 論より感情の人たちが安倍政権を支えている──それはどういうことなのか。たとえば中村は、森友・加計問題について「問題ない」と声高に叫ぶ安倍支持者は〈蓮舫議員の二重国籍問題を批判した人達はかなり被る〉と分析した上で、〈もしこれらが全て「蓮舫首相」がやったことだったらどうだろうか〉と問いかける。

〈蓮舫首相が獣医学部の規制に「ドリルで穴を開けた」結果、蓮舫首相の長年の親友の大学のみがその対象に選ばれたとしたら。果たして彼らは同じように「全く問題ない」と言うだろうか。少なくとも、ネット配信が盛んなあの保守系の新聞が、打って変わって「蓮舫首相の加計学園問題」を喜々として叩く様子が目に浮かぶ。ちなみに僕は無党派というのもあるが、もし「蓮舫首相」が同じことをしても絶対批判する。逆に安倍首相に蓮舫氏のような「二重国籍問題」があっても絶対批判しない。強い安倍政権支持は、もう論というより感情の世界に入り込んでいる危険がある〉

 こうした「論より感情」を安倍首相自身も煽っていることは周知の通りだ。事実、安倍首相がフェイクニュースやヘイトスピーチの温床となっているまとめサイトの記事にリンクを貼ったり、先日も『NEWS23』(TBS)での党首討論では、そうしたネット上で書き込まれていたネット右翼によるメディアへの言いがかりをそのまま司会の星浩キャスターにぶつけた(詳しくはhttps://lite-ra.com/2017/10/post-3502.html)。

 また、安倍首相の街頭演説の場では、批判的な人が掲げるプラカードは自民党関係者に取り囲まれて覆い隠される事例が起こる一方、「おい!TBS 偏向報道は犯罪なんだよ」「モリカケ疑惑は朝日のでっちあげ」などというプラカードは堂々と掲げられている。さらに、自民党ネットサポーターズクラブの総会でも、「従軍慰安婦像の辻元清美」のコラ画像を投稿してもいいか?という問いに、自民党ネットメディア局長・平将明衆院議員は「個人のご判断」などと回答。下劣な他党叩きの活動を、安倍自民党は暗に推奨しているのだ。ここに「論」などは見当たらない。

 しかし、こうして安倍首相の崇拝や排外的な思想から過激な言動に出る人間は全体からすると少ないだろうと思う人も多いはずだ。だが、問題は、日常の場面でも、この「論より感情」が広まりつつある、ということだろう。

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