能年玲奈には“洗脳”攻撃したのに、清水富美加を出家させた幸福の科学は批判せず…マスコミが黙る2つのタブー

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『女優・清水富美加の可能性~守護霊インタビュー~』(幸福の科学出版)

 女優の清水富美加が芸能界を引退し、幸福の科学に出家するという一件が大騒ぎとなっている。昨日からワイドショーでは大きく取り扱われ、スポーツ新聞でも軒並み一面でこのニュースが報じられているのはご存知の通り。

 今回の清水富美加をめぐる一件では、マスコミでの報じられ方に大きな特徴がある。各メディアとも、幸福の科学と、彼女の所属しているバーニング系列のレプロエンタテインメント、両方の顔色をうかがって右往左往しているのである。

 まず、時系列に沿って泥仕合の様子を振り返ってみたい。

 清水の引退報道を受けて幸福の科学は昨日午後に会見を開き、彼女が月給5万円で仕事をさせられていたこと、水着撮影や人間を食べるストーリーの映画への出演など本人の意に沿わない仕事を強制させられていたこと、そして本人が周囲に死への願望まで漏らしていたと明かした。

 その一方、レプロ側は幸福の科学の会見内容に反論。同日夜に会見を開き、5万円の他にも食費や住居費や交通費なども支払っていたと説明、また、仕事の強要についても本人が望まない仕事を無理やりさせたことはないと主張した。

 双方で意見が食い違い、まさしく泥仕合となっているわけだが、前述の通り、このニュースをめぐってマスコミはなんとも玉虫色な報道を迫られている。

 レプロをめぐるトラブルといえば、いま真っ先に思い浮かぶのが、能年玲奈(のん)をめぐるトラブルだ。周知の通り、この一件ではワイドショーやスポーツ新聞、また、バーニングの意向に沿う週刊誌らが束になって、「能年は演技指導の先生に洗脳されている」などと騒ぎ立てた。

 清水もレプロ所属ということで、CM契約や主演映画の公開などが控えている状態での事務所側が望まない引退劇、しかも、その理由がカルト的な側面も指摘される新興宗教団体への出家というのであれば、今回ものんの場合と同様、マスコミはレプロ片方の主張のみを報じ、「清水富美加が新興宗教団体に洗脳された!」といったスキャンダラスな論調で煽り立てるのだろうと予測する声も多かった。

 しかし、昨日今日の報道をみるかぎりまったくそうはなっていない。『Mr.サンデー』『とくダネ!』(ともにフジテレビ)、『モーニングショー』(テレビ朝日)、『ひるおび!』(TBS)、『情報ライブ ミヤネ屋』(読売テレビ)など、ほぼすべてのワイドショーがレプロ側の主張と幸福の科学側の主張を両論併記するかたちで報道したのだ。コメンテーターの意見などはややレプロ側に寄っている感はあるが、のんのトラブルのときのようにレプロ側の意見のみを垂れ流し、のん側の言い分をすべてシャットアウトするような事態にはなっていない。

 改めて指摘しておくが、清水の出家にはどう考えても、不可解な部分が多い。たしかに、能年玲奈のケースを見ても、レプロがタレントに対してかなりブラック的な酷使をし、精神的にも追い詰めている部分はあるだろう。

 しかし、清水は先週土曜まで生放送に出演、1月下旬に会って元気に会話したという芸能レポーターもいる。幸福の科学は「生命の危険」などといっているが、とてもそうは思えないのだ。また、同じく幸福の科学は「月給5万円」や「水着での仕事」への抵抗感も理由として挙げていたが、これらは数年前の話であり、なぜいま芸能界引退なのかという説明がつかない。

 大川隆法による清水富美加の守護霊インタビュー本には、清水に対して「覚悟を決めよ」と迫る一文があった。両親ともに信者である清水に対して、幸福の科学が大川の霊言に基づいて強引に出家を迫った可能性は本当にないのか。

 しかし、マスコミは、推測レベルでも、こうした洗脳の可能性をほとんど口にしようとしない。

 それはレプロにもバーニングタブーがあるが、幸福の科学もメディアタブーのひとつだからだ。

 幸福の科学といえば、「FRIDAY」(講談社)1991年8月23日・30日号が大川隆法総裁の結婚写真や過去に関する証言を掲載したことで、大規模な抗議行動と訴訟を起こされた事件は有名だ。

 この事件では、雑誌が発売されてから約3週間後、同誌編集部および発行元の講談社に対し幸福の科学信者が押し掛け建物内を占拠、警察が出動する事態にまで発展した。電話やファックスによる営業妨害活動も行われ、抗議文や大川総裁の著書のコピーなどがひっきりなしに流されたという。さらに、この件に関してはその後、幸福の科学や教団関係者が講談社を相手取っての訴訟も連続して行われ、講談社は大きなダメージを受けた。

 しかも、こうした批判報道への訴訟はその後も行われている。2012年には大川総裁の女性信者への性的関係を、教団元幹部が実名で告発した「週刊文春」(文藝春秋)に対して訴訟を起こし、最高裁で1ページ大のおわび掲載させる判決を勝ち取っている。

 こうした訴訟への恐怖があるうえ、幸福の科学は産経新聞をはじめ多くの媒体に出稿もしている大スポンサーでもある。経済的な意味でも巨大なメディアタブーのひとつなのである。

 しかし、かといって、バーニングを後ろ盾にしているレプロも芸能マスコミにとっては最大のタブーであり、批判なんて絶対にできない。そこで、マスコミが結論として展開したのが、清水富美加への個人攻撃だった。ワイドショーはほとんどといっていいほど、「育ててくれた事務所への恩義を忘れたワガママ女優」といった意見をぶつけ、問題を清水個人の責任だと結論付けた。

 たとえば、『とくダネ!』(フジテレビ)では小倉智昭が「信仰の自由というのがありますから出家しようがそれは自由なわけですが、そのためになんで所属していた事務所に対する苦言をここまで呈す必要があったのかなと思いますよね」と発言。

『バイキング』(フジテレビ)の坂上忍も、「追い込まれてたのかもしれないけど、事務所に対する配慮がここ(清水の直筆コメント)には何ひとつない。さらにツイートでも、また事務所批判しますか? 業界批判しますか? 曲がりなりにも8年お世話になってきたんじゃないんですか? というのは、当然ある」と激しい口調で清水を責め立てていた。

 また、『ミヤネ屋』では「月給5万円」問題に対し、井上公造が「芸能界に限らず、まだ一人前になってないときに、お相撲だったら十両になるまでは衣食住を保障されていても、給料はないわけですよ。テレビ局の制作のADさんとかでもそういう生活をやっているわけですよ。そこをみんな頑張ってのし上がっているわけで。別にこの事務所、彼女に限っての話ではなくって」と解説。同番組では、宮根誠司も「月給5万円のときもあったと思うんです、きっと。ただ、そんなにお金の価値も分からない子にガバっとあげても大変なことになるから」と語り、レプロも幸福の科学も全面否定できない分、信教の自由をもちだしてエクスキュースし、彼女にネガティブな側面を負わせるような報道を展開していた。

 CM契約の問題や、公開される予定の主演映画などの問題もあり、この件に関しては今後も明らかになっていくことはたくさんあるだろう。しかし、のんの「洗脳報道」とは明らかに違う今回の報道のされ方に、またひとつメディアの不公平さ、だらしなさを見たような気持ちがするのであった。
(編集部)

最終更新:2017.11.16 04:39

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