能年玲奈はシノラーだったの!? 写真集アート路線に行く末不安の声

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能年玲奈1stフォトブック『ぐりぐりぐるみ』(東京ニュース通信社)

 8月16日に主演映画『ホットロード』が公開予定の能年玲奈。NHKの朝ドラ『あまちゃん』が社会現象となるほどの反響を呼んでしまったことで今後の“身の振り方”が注目されてきたが、この映画は女優としての試金石となりそうだ。……が、映画公開を前にして、「能年ちゃん大丈夫?」の声がすでに上がり始めた。原因は、先日発売したばかりの写真集『ぐりぐりぐるみ』(東京ニュース通信社)にある。

 というのもこの写真集、手塚治虫を彷彿とさせるベレー帽にアラレちゃん眼鏡をかけたり、かと思えば、赤毛デカアフロ姿で猫ヒロシのポーズを取ったり、ケバ目メイク+東欧チックな民族衣装に身を包み菜の花畑で踊ったりと、終始能年の“不思議ワールド”が全開。これに対してネット上では、「能年写真集アーティスティックすぎや ナチュラルな能年がみたいんじゃ」「化粧濃いよ能年」「もっと自然体な能年ちゃんのが好みだなあ」と、抵抗を示す意見も多数。90年代の「CUTiE」(宝島社)を思わせる奇抜さに、「能年はシノラーになる気なの!?」と不安視する人もいるようだ。

 能年ちゃんが篠原ともえに……? そんなまさか、とも思えるが、篠原ともえの口癖は「ぐふふ〜」という不敵な擬声語だった。そして、能年もこの写真集で、すべてのポエムのあとに「うひひ」と不穏な台詞をくっつけている。この奇妙な符号はミッシングリンクなのか、それとも正統な後継者ということなのか。──ともかく“能年ちゃんのポップアート化”には、ファンから不安と不満が噴出しているらしい。

 だが、こうした打ち出し方は、過去の事例を見れば何も不思議な現象ではない。というよりも、能年よりもさらに奇抜なパッケージングで株を上げたのは、能年も尊敬してやまない、あの小泉今日子である。

 小泉はアイドル全盛期だった85年に発売された雑誌「活人」(毎日新聞社)の表紙で、トップアイドルにあるまじき“黒塗り”になり、世間をあっと驚かせた。これだけでも十分インパクトが大きかったが、雑誌内の企画では魚拓ならぬ“女拓”を披露。さらに翌年発売した写真集『小泉記念鑑』(音楽専科社)ではレントゲンヌードを公開するなど、アイドルを完全に逸脱した前衛的で過激な表現に挑んでいる。

 しかし、問題は「世間はどう捉えたか」のほうだ。いまならば「誰得」「こんなのはエロじゃない」と怒り出す人も多いだろうと思われるが、当時の反応は「さすがはキョンキョン!」だった。ちょうど「活人」が発売される直前に、小泉はシングル「なんてったってアイドル」を発表。アイドル自身がアイドルをメタ化するという日本芸能史に残る“事件”を巻き起こしたばかりだったが、これも大衆は大きく受け入れた。もちろん、「活人」での黒塗りには、「秋山道男や後藤繁雄など“アート親父”たちのオモチャにされている」と言う人も一部にはいたが、小泉自身の志向性なくしては実現しない企画だったことは間違いない。さらに、「なんてったって〜」についても、小泉は近年のインタビューで「またオトナが悪ふざけしてるよ」と思いつつも、「この曲を歌えるのは私だけだろう」という自信があったことを語っている。

 小泉の企みにくらべれば能年の写真集なんてかわいらしいものだが、それでも世間からは「こんな能年はイヤだ!」と言われてしまう。世間が求めているのは、あきらかに『あまちゃん』で能年が演じたアキちゃんの、田舎っぽさや素朴さ、ピュアさだからだ。──これはひとつの、“大衆の保守化”ともいえるのかもしれない。

 能年は写真集内で、こんな言葉を寄せている。

「女の子の元気で明るいガサツさが好き。“暴力的な可愛い”を、突き詰めたいな。うひひ」
「女の子には色っぽさなんていらない。必要ない。女の子のパワーっていうのは、もっと何ものにも動かされない強いものがある。都合のいいだけの女の子なんて信じない。女の子はかっこいい。うひひ」
 
 『あまちゃん』終了後に小泉は、「もう『あまちゃん』のことは忘れなさい」と能年を叱咤したと報道されたが、この“都合のいい女の子にはならない”という能年の宣言は、なんともたくましさを感じさせるもの。だからいまは、どうか世間の「むかしのままのアキちゃんでいて」という声に負けず、我が道を貫いてほしいと思う。それこそが芸能界で消費されずにいられる、唯一の道でもあるのだから。

 でも、「うひひ」は……どうだろうなあ……。
(サニーうどん)

最終更新:2018.10.25 12:39

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