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本日の会見も…河野太郎のワクチン”総裁選利用”が露骨に! はじめしゃちょー相手に「ワクチン打てば人に感染さない」とデマも
公式HPより
菅義偉首相の失脚によってメディアの自民党政局報道が激化するなか、総裁選への出馬の意向を固めたと言われる河野太郎・行革担当相に注目が集まっている。この週末におこなわれた世論調査でも、「次の首相にふさわしいのは誰か」の質問で、河野氏は共同通信で31%、読売新聞で23%、JNNで22%と、2位の石破茂氏と僅差ながらもいずれもトップを飾った。
そして、そんななかで本日15時半から河野大臣の会見がおこなわれるとの一報が流れ、さらには午後からは所属派閥の領袖である麻生太郎氏と会談をおこなったことから、「ついに出馬表明か」とさらなる注目が集めていた。
ところが、そうして緊急におこなわれた会見で、河野大臣は「(ファイザー製ワクチンは)すべて10月中に輸入が完了する」と宣言し、「(接種済みと配送完了分、配送予定分を合わせれば)12歳以上の人口の8割が接種を受けるのに必要な回数が出ている」などと明言。総裁選についての質問も飛んだが、「きょうはワクチンのほうに(説明の)的を絞る」とし、ワクチン供給の話題に終始したのだ。
河野大臣の定例会見は原則、火曜と金曜の閣議後に開かれており、緊急の会見を開かなくても明日の定例会見で発表すればいいだけの話。にもかかわらず、わざわざイレギュラーな緊急会見を実施したのは、注目を集めているなかでワクチン担当大臣としての成果をここぞとばかりに強調し、メディアに喧伝することを狙ったとしか考えられない。
実際、河野大臣は「テレワークの徹底」を打ち出し、大臣としての会見も8月17日からずっとオンライン形式で実施してきたのだが、今月3日に菅首相が総裁選への不出馬を表明した後には、わざわざ記者の前で会見を開催。きょうも同じくオンラインではなく、記者やカメラを集めて対面でおこなっていた。
しかも、河野大臣といえば、8月26日にモデルナ製ワクチンに異物が混入していた問題が発覚した際には緊急会見もおこなわず、Twitterで自著の宣伝に勤しんでいた。さらに、モデルナ製ワクチンの6月末までの供給量が当初の予定より3分の1に減ることをゴールデンウィーク前に把握しておきながら、7月になるまでその事実を隠蔽していた張本人だ。本来、緊急会見を開くべきタイミングで会見をおこなわず、都合の悪い話は国民にひた隠してきたくせに、きょうのように都合の良い話はわざわざ緊急会見を開いて強調するとは、虫がいいにも程があるだろう。
そもそも河野氏は行政改革およびワクチン担当の大臣として菅政権の責任を負う人物であり、その責任に対する総括なくして総裁選に出馬することなどありえない。だが、河野氏はむしろ、ワクチン担当大臣であることを総裁選にフル利用しようとしているのだ。
若者へのワクチン啓発のふりして自己宣伝! 都合の悪いトラブルは無視して芸能人とのコラボで大はしゃぎ
だが、この姑息な作戦は、菅首相からワクチン担当に命じられた際からはじまっていた。とくに河野大臣が力を入れてきたのが、若者へのアピールだ。
河野大臣は「若者のワクチン接種を進める」「正確な情報を若者に届ける」という名目で有名人とのコラボレーションを積極的に展開。
たとえば、6月にLINE NEWSの動画コンテンツであるきゃりーぱみゅぱみゅがMCを務める番組に出演して若者に接種を呼びかけ、7月に公開された人気YouTuberのはじめしゃちょーとのコラボ動画は現時点で再生回数が400万回を突破。コメント欄でも〈河野大臣の学校にいる一見厳しそうだけど本当は優しくてノリがいい先生感すこ〉〈とんちんかんなこと言っても優しく丁寧に返答してくれる河野太郎さんが面白い〉と高評価を得ている。
また、7月30日にはTwitterの音声会話機能「スペース」で、X JAPANのYOSHIKIと対談。8月5日にはNEWS PICKSの動画「WEEKLY OCHIAI」に出演して落合陽一氏と対談し、「やっぱり若い世代にワクチン啓発活動をどこまでやれるかというのが最後の勝負」などと語っていた。
さらに、見切り発車でスタートさせた職域接種をめぐっても、河野大臣は申請を一時ストップしたあとであるにもかかわらず吉本興業やKADOKAWAの職域接種を視察。吉本の視察後にはペナルティのヒデやサバンナの高橋茂雄、おばたのお兄さんと並んで記者団の取材に応じ、「若い方にいちばんメッセージを届けることができる吉本のみなさんのお力をぜひお借りしたい」と語っていた。
安定したワクチン供給のためのシステムづくりなど二の次で、自治体からあがる不満や不安の声に耳を傾けることもなく、一方で若者ウケを狙うようなパフォーマンスにばかり力を入れてきた河野大臣──。だが、東京・渋谷の若者向けワクチン接種会場に長蛇の列ができ、4日の倍率が約22倍にもおよんだ事実からもわかるように、「打ちたがっている若者に打つワクチンがない」のが現実なのだ。
ところが、河野大臣はいまだにこの現実を無視し、「ワクチン啓発」を口実にして若者アピールに注力。実際、総裁選に出馬の意向を固めたと報じられたあとの4日も、オンラインで開催されたファッションイベント「東京ガールズコレクション2021 AUTUMN/WINTER」にビデオメッセージを寄せ、「いま我慢するところは我慢し、ワクチン接種を受けられるときに受けてほしい」などと発言。これにはMCを務めていたEXIT・兼近大樹も「たろにい、メッセージ届いたよ~」とはしゃいで見せた。
もちろん、総裁選は自民党所属の国会議員と、全国の党員・党友にしか投票権はない。しかし、党員・党友票は世論調査での人気が高い候補者に票が流れやすい上、若者層へのアピール力は総裁選でも強い武器になる。ようするに、河野大臣はこのように一貫して、ワクチン担当の肩書を自己宣伝のために利用してきたというわけだ。
河野太郎「ワクチン打ったら重症化しないだけじゃなくたぶん感染しない」「人にも感染さない」
しかも、河野大臣が罪深いのは、若者に啓発をおこなう口実のひとつに“ワクチンをめぐるデマ対策”を掲げていたものの、じつは河野大臣自身がデマを流していた、ということだ。
前述した400万回以上も再生されているはじめしゃちょーとのコラボ動画のなかで、河野大臣はこんなことを口にしている。
「いろんな国の様子を見てると、たぶん発症しないとか重症化しないだけじゃなくて、ワクチンを打ったらたぶん感染しないっていうことも言えるんだと。だんだん、いろんな研究を見ると、感染しないって言えるんじゃない?ってところまで来てるんで」
「そうすると、まず自分がかからないし、自分がその、症状が出なくてもかかってると人にうつしちゃいますよね。だけど、自分がかからなくなると、そういうことで人に感染すこともないんで、周りの人も守るってことになるから、そこはぜひ、若い人にも打ってもらいたいと思ってます」
ご存知のとおり、すでに国内外で「ブレイクスルー感染」が問題となっているように、ワクチンを打ったからといってコロナに感染しないわけではない。厚労省も、ファイザーおよびモデルナワクチンの説明書においてワクチンの有効性を〈発症を予防します〉と説明してはしても〈感染を完全に予防できる訳ではありません〉としている。しかも、この動画が撮影されたのは6月24日だというが、それ以前から専門家からはデルタ株の蔓延によるブレイクスルー感染の可能性が指摘されていたのだ。
にもかかわらず、河野大臣は「たぶん」と言いながらも、「感染しないっていうことも言える」、「かからないから、人に感染すこともない」などと、国内での調査結果も出ないうちから希望的観測に基づいたあやふやな情報を垂れ流し、いまもその動画はYouTubeで再生されつづけているのである。
それでなくても河野大臣は、官僚に対するパワハラ問題やメディアへの恫喝、支持層拡大のためのネトウヨ化、強固な新自由主義に基づいた自己責任論など、安倍・菅政権となんら変わらない問題を抱えた人物だ。それが、ワクチン供給の混乱を生んだ元凶としての責任をとらないばかりか、いまだにワクチン担当であることを自己PRに利用している。そして、メディアも責任に言及しないまま、河野大臣を無批判に扱う……。その上、ここにきて石破氏が出馬を見送り河野氏支援に回るという情報も出てきており、ますます総裁選の“台風の目”として河野氏の存在をクローズアップしている。この体たらくでは、安倍前首相と同じ恐怖のポピュリスト政治家を増長させるばかりだろう。
(編集部)
最終更新:2021.09.06 08:56
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