つるの剛士が『ワイドナショー』で「五輪やってほしい」「コロナでも元気という人もいる」、“パクチー泥棒”差別ツイート“でも被害者ヅラ

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
つるの剛士が『ワイドナショー』で「五輪やってほしい」「コロナでも元気という人もいる」、パクチー泥棒差別ツイートでも被害者ヅラの画像1
『ワイドナショー』に出演するつるの


 おいおい、大丈夫なのか? 画面に向かってそうつっこんだ視聴者も多かったのではないだろうか。6月27日、つるの剛士が『ワイドナショー』(フジテレビ)に初出演したのだ。

 つるのといえば、Twitterなどで、“気のいい兄ちゃん”のふりをしつつも政権擁護や野党批判、中韓攻撃を連発。一方で、日本会議系の「親学」イベントで講演したり、外国人差別を煽る「パクチー泥棒ツイート」をして炎上し、ネットで“ネトウヨタレント”と認定される存在になっていた。

 ところが、昨年9月、ツイッターで「非公開リスト」が表示されてしまうというバグが発生した際、つるののアカウントの「非公開リスト」に「幸福の科学」関係者を集めたリストがあることが発覚。SNS で一斉に「幸福の科学とどんな関係が?」とつっこまれることになり、以降、政治的な発言をほとんどしなくなっていた。

 それが、このタイミングで、松本人志率いる『ワイドナショー』に出演するとは……。

 もちろん、これは、番組や松本らがつるのの“過去のネトウヨ活動”を知らずたまたまキャスティングしたわけではない。実際、番組の冒頭では、視聴者の反発を予想するように「なんか僕、大丈夫なんですかね」と聞くつるのに、松本人志がすかさず「大丈夫じゃないです。絶対炎上しますよ」と返答。三浦瑠麗氏がつるのの印象を「けっこう突っ込んでいくなと思いながら、政治ネタとかね〜」と語り、さらに松本が「ちょいちょいあるんじゃないんですか、突っ込んでいくこと」と、からかう一幕もあった。

 もっとも、つるののほうは、以前、Twitterで炎上したときのように “自分は政治的な意図を持って発言したことなんてない”というカマトトポーズをとり続けていた。東野幸治に過去の炎上例を紹介していいか?と問われても「いいですから、もう過ぎた空気感ってあるじゃないですか」と拒否し、「ネットとかで、何とかに苦言とか、痛烈批判とか(いわれているけど)、僕なんにも批判とかしてないですよ」などと、言い張っていた。

 しかし、いくら取り繕っても、その本音、ネトウヨ的体質はダダ漏れしてしまうもの。この日の『ワイドナショー』でもいかにもつるの剛士らしい発言がいくつか飛び出した。

つるの剛士が「五輪は本当にやってほしい」「コロナで入院したけど元気っていう人がいてもいい」


 
 まず、話題が東京五輪の会場でのアルコール販売問題やウガンダ選手団の陽性判明や濃厚接触者判断をめぐるドタバタに及んだときのこと。

 意見を求められたつるのは、住んでいる藤沢市の観光親善大使として、開催に向けて取り組んできたことを滔々と語り、「個人的にはもう今までこんなにやってきたので、本当にやってほしいし、地元でしかも開催なので、しかも僕、聖火ランナーで」と無邪気に開催を主張。

 そのあと、「僕、実際コロナに去年なっているんで、僕は入院してるんですよね」と切り出したので、“だから、医療従事者のことを考えると……”と殊勝に語るのかと思いきや、つるのはなんと、こう続けたのだ。

「でも、今、元気なんですよ、すごい。こういう人もいるんですよ」
「だからそろそろ、何か入院して退院してくる人も沢山出てきてるので、なんか元気ですよっていう人も現れていいなと思っていて。個人的には」

 この男はいったい何を言っているのか。いま、お前が元気なのは、コロナに感染しても、入院して治療ができたからだろう。しかし、感染者が増えれば、医療崩壊が起き、入院したくてもできない人が続出し、命を落とす人も多数出てしま。いや、すでに、大阪や東京ではこの間、そういう事態が起きている。

 だから、多くの国民は「五輪を強行すれば、再び感染が拡大し、同様の事態を繰り返しかねない」と心配し、開催に反対しているのだ。

 それなのに、自分は入院しておきながら「いまは元気」だからという理由で、「コロナになっても元気という人がいてもいい」などと言い出して、五輪の開催を主張するとは……。旧・N国の立花孝志党首が、コロナに感染して入院しながらあいかわらず「コロナはただの風邪」と言い張って批判を浴びていたが、自分本位の身勝手な主張というほかはない。

 しかし、考えてみれば、これこそがネトウヨたるゆえんというやつなのかもしれない。やたら国士ぶっていろいろ言っているが、大事なのは、自国の利益、自分の利益、目先の経済的利益だけ。他人の命や弱者の保護、福祉の重要性なんて露ほども考えていないのだ。

ビリー・アイリッシュの差別動画問題と自らの「パクチー泥棒差別ツイート」を同列に語ったつるの剛士

 さらに、もうひとつ、つるのらしさが出たのが、ビリー・アイリッシュのアジア人差別問題での発言だった。ビリー・アイリッシュが14歳の頃アジア人差別用語を口にしている動画が流出し大きな問題に、「当時、差別だと知らなかった、いまは愕然とし、吐き気がする」「無知さや年齢は、人を傷つけてしまった事実の言い訳にならない」と謝罪したのだが、まず、EXITの兼近大樹が「いまの彼女が言っているわけではない、そのときの彼女は何も知らなかった、無知で差別的な意図はないから、謝罪で終わりでいいのでは」と、ビリーを擁護。

 すると、冒頭であれほど、過去の炎上に触れられることを嫌がっていたつるのがいきなり自分から、外国人差別を煽った「パクチー泥棒ツイート」の一件を持ち出し、こう語ったのだ。

「自分もけっこう、こういうことあります。過去に。あの別に差別発言したわけじゃなくて、過去のツイートを、あのなんかこうほじくりかえされて」
「あの、うち畑があって、そこでパクチー育ててたんですよ。それでそこに、前々からずっと足跡が残っていて、で、うちの義理の弟がその畑管理しているんですけど、次来たら絶対捕まえるって。で、現行犯で捕まえたんですよ。で、まあその方が外国の方で、ちょうどツイートで農水省だったかな、そのツイートでそういった畑の被害がありますのでという警告、注意喚起があったので、あの自分も実はこの間、畑でこういうことがあってあの全然日本語が通じない方だったんですけども、みたいなことをツイートしたら、ものすごい、あの、たくさんの方たちから、あの差別発言だって言って叩かれて」
「被害者なのに、そんなことを言ったら差別だと。それでいろんな人たちがそこに乗っかってきて、どんどん膨らんで」

 いろいろありすぎて、何からツッコめばいいかわからないくらいだが、まず呆れたのは、自分の差別扇動発言を、ビリー・アイリッシュのケースと同列に扱ったことだろう。

 ビリーの場合は、約5年前、まだ正しい判断能力のない14歳の頃の動画が流出し問題になったが、つるのがくだんの差別扇動発言をしたのは、昨年の9月、わずか1年前のことで、つるのは45歳だ。しかも、つるのの炎上は、過去のツイートをほじくり返されたわけでもなんでもなく、その日に、ツイートしたものが批判されたもの。

 それを「自分もけっこう、こういうことあります。過去のツイートをほじくり返されて」って、何を都合よく記憶を改竄しているのか。

現行犯と言いながら伝聞情報で「日本語わからないの一点張り」と外国人差別を煽っていたつるの剛士

 しかも、ビリー・アイリッシュは5年前のものでも、「無知や年齢は言い訳にならない」ときちんと謝罪をしたが、つるのは差別について一切謝罪していない。それどころか、今回の出演でも“自分は被害者で、全然差別するつもりはなかったのに、外国人差別をしているといわれた”と、あたかも言いがかりをつけられた被害者のように言い張っていた。

 しかし、これ、完全なごまかしだ。あらためて、騒動をおさらいしよう。問題の発端は、つるのの昨年9月4日13時すぎの投稿、農林水産省の9月3日のツイートをリツイートし、こうコメントしたことだった。

〈うちの畑も最近パクチーやられました(現行犯でしたが※「日本語わからない」の一点張り)ので気をつけてください。悲しいですが監視カメラ取りつけました。〉

つるのがリツイートした農水省のツイートは〈生産者の皆さまが手塩にかけて育てた家畜や農作物、トラクター等の機械の盗難被害が発生しています〉と注意喚起を呼びかけるもので、それが外国人による犯罪などということは一切書いていない。農水省の目的はたんに盗難被害の注意喚起と防止策のアドバイスで、実際、続けて、防止策をツイートしていた。

 ところが、つるのは、そこにわざわざ〈「日本語わからない」の一点張り〉と外国人による仕業であることを示唆したのだ。 

 しかも、驚いたことに、このエピソードは自分が体験したことではなく、伝聞でしかなかった。

 つるのがツイートに「現行犯」と書いていたため、当初はつるのが犯行現場に直面して、警察に通報、実際に外国人が現行犯で逮捕されたと解釈していた。だが、この少し後、ユーザーから警察への通報について質問を受けると、つるのは〈一応反省してたみたいなので。つぎは必ず。〉と返答。つるの家の畑のパクチー窃盗事件は警察が犯人を特定するどころか、被害者が通報すらしていなかったのである。

 つるのは通報しなかった理由について〈反省してたみたいなので〉と説明していたが、これ、くだんのツイートで犯人が〈「日本語わからない」の一点張り〉だったと述べていたのと辻褄が合わないだろう。

 そして、つるのは、犯人と対峙するのは危なくなかったかという内容のユーザーの問いに、こう返していた。

〈見つけたのは義理の弟です〉

 そう、つるのは自身が犯人を見たわけではなかったのだ。義理の弟から聞いただけの、警察沙汰にもしていない話をクローズアップし、外国人の現行犯とほのめかしたのである。

「畑近くの工場で働いてる外国人」「あそこ怪しすぎて困ってます」と露骨な差別ツイートも

 つるのは、今回の『ワイドナショー』で、「日本語が通じない方だったんですけども、とツイートした」だけであることを強調し、「全然(差別を)しているつもり(ない)、むしろ何人だろうと人の畑でパクチー盗んだらダメなわけだから」と語ってたが、何人でも関係ないなら、伝聞レベルの話で、わざわざ外国人の犯罪であることをほのめかす必要があるのか。

 しかも、つるのがツイートした外国人差別扇動は〈「日本語わからない」の一点張り〉というものだけではなかった。

 つるのは、ユーザーから、通報しなかったせいで犯人が逃げてしまうのではないかと問われて、こんなツイートまでおこなっていた。

〈一応目星がついていますので。畑近くの工場で働いてる外国人。もちろん次見つけたら通報します。〉

 完全に犯人を外国人と決めつける差別ツイート。さらに、土地勘のあるユーザーから〈近くに●●●(原文では特定の業種名)あるのでそこら辺の外国人だと思いますよ〉というリプを受けると、こう返した。

〈まさに笑。つか、なぜうちの畑知ってるんすか!!〉
〈やっぱり。。あそこ怪しすぎて困ってます。〉

 つるのは、犯人と疑っている人物の勤務先の業種まで特定するようなリプを飛ばし、「怪しい」などと偏見をひけらかしたのである。

「ふじさわ観光親善大使」を務めるなど藤沢市在住であることを明かしているつるのがこんなツイートをしたら、近辺で犯人探しが起きてしまう可能性も高い。あおり運転事件でデマが拡散され無関係の女性が犯人扱いされるという事件があったが、つるのの近辺に住んだり働いたりしている外国人が、こうした被害に遭う危険性も十分ある。重大なヘイトクライムを引き起こしかねないものだ。

当時も『ワイドナショー』でも自分のツイートの差別的本質を認めず「自分は被害者」と主張するつるの

 いずれにしても、こうした流れや経緯を見れば、つるのが農水省の農作物盗難被害の注意喚起ツイートをRTする際に、意図的に外国人の仕業であることをほのめかすツイートをしたのは明らかだろう。つるのが、日常的に外国人ヘイトを連発しているネトウヨ文化人をフォローしていた事実もある。

 改めて言っておくが、犯罪は個人の問題であり、国籍、外国人か日本人かは関係がない。事実であったとしても「犯人は外国人」とあげつらい、「外国人による犯罪」などと強調することは、それ自体がヘイトスピーチであり、前述したように、最悪の場合はヘイトクライムを引き起こす可能性もある。

 実際、つるののツイートと前後して、外国人のことを何も書いていなかった農水省の注意喚起の投稿にも外国人排外を訴える差別的なリプが殺到する事態となっていた。

〈被害防止はむやみに外国人を入国させないことです!〉
〈農林水産省がメインでは有りませんが、外国人を無防備過ぎに入国させた為に起きている事件〉
〈農水省も分かってると思いますが、外国人が地方に入り始めてから、圧倒的に増えてます〉

 にもかかわらず、つるのは当時、こうした差別的コメントをいさめるどころか、「目星はついてる 畑近くの工場で働いてる外国人」「あそこ怪しすぎて困っています」などと露骨なリプまで飛ばしていた。そして、一方では、批判に対して、こう反論していた。

〈日本人だろうが外国人であろうが、農産物を盗む行為は歴とした犯罪。差別でもなんでもなく事実です。今回は武士の情けで許しました(義弟)が、このような言いがかりをつけられることは予想もしていませんでしたので次こそ必ず通報致します。近隣の畑も同じ被害を受けてますので連携して防犯に努めます。〉
〈敢えて国籍やら今回伏せてますが、言いましょうか?偏見?犯罪は犯罪です。〉
〈皆さん気分害してごめんね!!被害者側がなんで糾弾されなきゃいけないのか?!理不尽すぎてホントアタマくるわ〉

 そして、あれから1年弱。少しは反省したかと思いきや、まったく同じごまかしで、「差別なんてしていないのに、差別といわれた」と言い張っているのだ。

 しかも、『ワイドナショー』にノコノコ出てきたところを見ると、“政権応援団活動”を再開するつもりなのではないか。懲りない男、というほかない。

最終更新:2021.06.28 04:36

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

新着 芸能・エンタメ スキャンダル ビジネス 社会 カルチャー くらし

つるの剛士が『ワイドナショー』で「五輪やってほしい」「コロナでも元気という人もいる」、“パクチー泥棒”差別ツイート“でも被害者ヅラのページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。つるの剛士ビリー・アイリッシュワイドナショー人種差別東京五輪の記事ならリテラへ。

マガジン9

人気連載

アベを倒したい!

アベを倒したい!

室井佑月

ブラ弁は見た!

ブラ弁は見た!

ブラック企業被害対策弁護団

ニッポン抑圧と腐敗の現場

ニッポン抑圧と腐敗の現場

横田 一

メディア定点観測

メディア定点観測

編集部

ネット右翼の15年

ネット右翼の15年

野間易通

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

政治からテレビを守れ!

政治からテレビを守れ!

水島宏明

「売れてる本」の取扱説明書

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄