山本貴光+吉川浩満トークイベントレポート

ネット時代こそ本を読め! でもどうやって…膨大な数の本に戸惑っている人のための読書術

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • 印刷
yoshikawayamamotorepo_01_150313.jpg
左/吉川浩満『理不尽な進化──遺伝子と運のあいだ』(朝日出版社)は本サイトの記事でも取り上げた。 右/山本貴光『文体の科学』(新潮社)


 このところのニュースへの反応を見ていると、今さらながら痛感するのは、ネットが「共感と反発」を増幅するメディアだということだ。社会心理学の知見によると、人は自らの主張を裏付ける情報にばかり注目し、そういう情報を集める「確証バイアス」なる傾向があるらしいが、インターネットはこれにぴったりのようだ。知りたいキーワードを検索窓に打ち込み、読みたい記事をクリックし、共感した記事にいいね!を押してシェアする(もしくは、意に沿わぬ記事はSNSでくさして溜飲を下げる)──この一連の流れは、ほとんど自己完結している。

 これは私たち情報の送り手も同様で、荒々しいネット言論に身を置いているうちに、いつのまにか、自説をどう説得力をもって伝えるか、そのことにのみ関心が集中し、多様性や柔軟性をどんどん失っているような気がする。

 このタコツボ的状況を抜け出すにはどうしたらいいんだろう。

 月並みだが、答えはやはり「ネットの外」に出て新しい世界を知る、それしかないのではないか。たとえば、「本と雑誌のニュースサイト」であるリテラの人間なら、今まで読んだことのない本に出会って、自分とは異なる経験や思考に触れること。

 そんなことを考えていたら、ヒントを与えてくれそうなイベントにでくわした。池袋の書店、リブロ池袋本店で開かれたトークショー「いかに探し、読み、書くか? ネット時代の〈本〉との付き合い方」。

 パネラーは山本貴光氏と吉川浩満氏(以下敬称略)のコンビだ。二人とも博覧強記の哲学研究者でありながら、同時にウェブやゲームなどの仕事に就いていた経験もあり、ネットサービスやデジタルガジェットにもくわしい。そんな二人が、今回、それぞれの単著の刊行記念イベントとして、本の探し方や読み方のテクニックを開陳してくれるというので、参加してみた。

(山本貴光+吉川浩満「いかに探し、読み、書くか? ネット時代の〈本〉との付き合い方」2015年2月10日(火)リブロ池袋:池袋コミュニティカレッジにて開催)


■いかに本を探すか(1)──書棚という物理環境を大事にする

 現在、年間の新刊点数は8万点を超える。実に、1日に200冊以上の新刊が出ているのだ。本は多すぎる。すでに300年前ドイツの哲学者・ライプニッツが言ったように、「書物の数はたえず増大していき、人々は書物の氾濫にうんざりする」。

 では、どのように必要な本を探せばいいのか。山本は物理環境の重要性を強調する。

「ブックガイドを書く仕事を例に説明してみましょう。テーマを与えられたら、私はまず自分の書棚を眺めてみます。たいした蔵書ではありませんが、棚を眺めながら、これはと引っかかる本を抜いていくんです。最初に見るのは岩波文庫を並べた棚です。というのも、岩波文庫は六千冊に近い規模で古今東西の古典を集めた一種学芸の百科全書になっているのですね。それだけに、特に学術にかかわるテーマを念頭に眺めると、なにかしらのヒントが得られます。そんなこともあるので、岩波文庫は仕事机から見える場所に並べているわけです」

「いいね!」「フォロー」をクリックすると、SNSのタイムラインで最新記事が確認できます。

この記事に関する本・雑誌

文体の科学

新着芸能・エンタメスキャンダルマンガ・アニメビジネス社会カルチャーくらし教養

ネット時代こそ本を読め! でもどうやって…膨大な数の本に戸惑っている人のための読書術のページです。LITERA政治マスコミジャーナリズムオピニオン社会問題芸能(エンタメ)スキャンダルカルチャーなど社会で話題のニュースを本や雑誌から掘り起こすサイトです。編集部読書の記事ならリテラへ。

人気記事ランキング

総合
いいね! 数
1 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
2 ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
3 テレ朝が萩生田に全面謝罪した背景
4 幹部から新人までほとんどが商売右翼
5 『朝生』で百田尚樹が徹底論破され大恥
6 寂聴「憲法を汚した安倍は世界の恥」
7 イノッチが夫婦別姓反対派を一蹴!
8 葵つかさが「松潤とは終わった」と
9 市原悦子が語る戦争と安倍政権への怒り
10 テレ東が番組で統一教会信者隠しと捏造
11 水木しげるが描いた慰安婦「地獄だ」
12 ローラが所属プロと奴隷契約トラブルも
13 久米宏、さんま、村本も東京五輪批判
14 『永遠の0』は恐い!元特攻要員が批判
15 グッディ!土田マジギレ真の原因
16 グアム北ミサイルは存立危機事態でない
17 高橋洋一ら安倍応援団が特区ビジネス
18 手塚治虫が描いた戦争をいま読み直す
19 岸田『ひるおび!』出演にネトウヨが
20 吉川晃司が安倍の核禁止条約拒否を批判
1吉川晃司が安倍の核禁止条約拒否を批判
2ウーマン村本こそ“最強反戦芸人”だ!
3有森裕子が東京五輪の現状を批判
4菅官房長官が壊れ始めた!トンデモ会見
5加計幹部が官邸訪問、安倍と下村が
6 Nスペ731部隊検証にネトウヨ錯乱!
7森友新証拠!佐川の虚偽答弁が明らかに
8久米宏、さんま、村本も東京五輪批判
9加計が職員を安倍首相の選挙に動員
10安倍改造内閣はハレンチ閣僚だらけ!
11高橋洋一ら安倍応援団が特区ビジネス
12内閣改造で加計学園人脈のお友達が出世
13灘中校長が語る自民党とネトウヨの圧力
14長崎のメッセージも安倍には届かず!
15市原悦子が語る戦争と安倍政権への怒り
16安倍応援団が発狂状態でメディア攻撃
17安倍は原爆の日も核兵器禁止条約を黙殺
18グアム北ミサイルは存立危機事態でない
19獣医学の重鎮が加計と安倍首相を一刀両断
20手塚治虫が描いた戦争をいま読み直す
PR
PR 飲むだけで女性のカラダの悩みを解消!?

人気連載

アベを倒したい!

室井佑月

室井佑月が斎藤貴男と「共謀罪」を徹底批判!「安倍政権に逆らう人が片っ端から逮捕される」

アベを倒したい!

「売れてる本」の取扱説明書

武田砂鉄

"体育会系相田みつを"松岡修造は本当に「ブレない男」なのか? 年を追うごとに変わっていく修造語録を読み解く

「売れてる本」の取扱説明書

ネット右翼の15年

野間易通

高市早苗はいかにして"ネオナチ"と出会ったか

ネット右翼の15年

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」

赤井 歪

戦争を放棄せよ! 軍事力がなくても侵略と闘う方法はある、自由のために闘える!

左巻き書店の「いまこそ左翼入門」