天皇在位30年式典の裏で安倍首相が皇太子取り込みを画策! 力ずくの圧力でも天皇・皇后を封じ込められず…

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2月21日、誕生日の会見を行う徳仁皇太子『宮内庁HP』より


 政府主催の明仁天皇の在位30年式典がきょう、東京の国立劇場で開かれている。だが、その一方で、安倍首相が奇妙な行動に出た。22日の午後、元赤坂の東宮御所を訪れ、約30分間、皇太子と面会したのだ。

 総理大臣が天皇に国内外の情勢を報告することは「内奏」と呼ばれ、年に数回ほど行われているが、現役の首相が皇太子と一対一で面会をするのは異例のことで、政府は内容を明らかにしておらず、菅義偉官房長官も定例記者会見でノーコメントを貫いた。

 マスコミ各社は〈5月1日に新天皇に即位されることを踏まえた対応とみられる〉(毎日新聞)、〈皇位継承の流れを報告したとみられる〉(産経)などと伝えているが、実際、安倍首相の面会の目的が「代替わり」に関する説明だけだったはずがない。そこで話された内容は不明だが、少なくとも安倍首相にとっては、直々に皇太子と会って話すという行為自体に価値があったのだろう。宮内庁担当記者がこう解説する。

「周辺では元号関連の調整をしたのではないかとも見られているが、それだけなら側近間で終わるはず。わざわざ、皇太子と面会したのは、直接会うことで“取り込み”を図ったのではないでしょうか。周知の通り、安倍政権と今の天皇皇后両陛下の関係は良くない。安倍首相から見れば、皇太子の新天皇即位は皇室との関係を修復するまたとないタイミングですから」

 本サイトでも何度も指摘しているように、天皇と安倍首相の関係は非常に悪い。明仁天皇と美智子皇后は、安倍首相が推し進める改憲や歴史修正主義、“沖縄いじめ”に対して不快感を抱き、釘を刺しているとしか思えないメッセージを発してきた。一方、安倍政権は天皇の口をふさごうと、陰に陽にプレッシャーを与えてきた。

 対立のはじまりは、2013年4月28日に政府主催で初めて「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」だった。安倍首相は天皇と皇后を出席させたが、このときも天皇・皇后は事前段階から周辺に拒絶感を吐露していたといわれている。実際、2016年12月24日付の毎日新聞朝刊記事によれば、〈陛下は、式典への出席を求める政府側の事前説明に対し、「その当時、沖縄の主権はまだ回復されていません」と指摘されていた〉という。

 そして2013年末、明仁天皇が誕生日に際した会見のなかで踏み込んだ“護憲発言”を行うと、翌2014年の「正論」(産経新聞社)5月号に「憲法巡る両陛下のご発言公表への違和感」と題した文書が掲載された。執筆したのは、安倍首相のブレーンのひとりと言われる八木秀次・麗澤大学教授。〈両陛下のご発言が、安倍内閣が進めようとしている憲法改正への懸念の表明のように国民に受け止められかねない〉〈宮内庁のマネジメントはどうなっているのか〉と明仁天皇の“護憲発言”を批判するもので、すなわち「改憲の邪魔をするな」という安倍側からの圧力に他ならなかった。

 また、「生前退位」に関しても、明仁天皇は少なくとも2015年の秋には宮内庁を通じて官邸に伝えていたとされる。主な窓口は当時の風岡典之宮内庁長官と杉田和博官房副長官。だが、官邸は難色を示した。翌年に控えていた参院選と改憲スケジュールへの影響、そして天皇の地位や権威が揺らぐのではないかとの懸念から、「生前退位」問題を棚上げにしてきたのだ。

 その結果、天皇側が出さざるをえなかったのが、2016年7月のNHKによる「生前退位の意向」のスクープと、その後の明仁天皇による「おことば」だったわけだが、これに官邸は激怒し風岡長官を事実上更迭。次長の山本信一郎氏を長官に繰り上げ、後任次長には警察官僚出身で内閣危機管理監だった西村泰彦氏を充てるという“報復人事”を行なっている。

皇太子は秋篠宮が問題提起した「大嘗祭への国費拠出批判」にコメント拒否

 その後も、「生前退位」をめぐる有識者会議では、安倍首相が送り込んだ日本会議系のメンバーが明仁天皇を公然と批判するなど、政権と天皇・皇后との溝はどんどん深まっていった。事実、昨年10月23日に行われた「明治150年」を記念する式典に、天皇・皇后の姿はなかった。この明治日本=大日本帝国を礼賛する政府主催式典は安倍首相の肝いり。前述の西村泰彦次長は「政府からお声がけがなかった」としているが、実際には、欠席には天皇と皇后の強い意向が背景にあったという見方が強い。

「安倍首相も当初は、陛下の周辺に様々なルートを使って働きかけてたいたようですが、最近は懐柔するのを完全に諦め、自由な発言を封じるような動きばかりしていた。毎日新聞のベテラン記者に月刊誌で暴露されていましたが、オフレコの席で天皇を批判するような言動をしていたという話もありました」(前出・宮内庁担当記者)

 そんな安倍首相がある時期から期待をかけ、しきりにアプローチしていたのが、皇太子だったという。今度はベテラン皇室ジャーナリストがこう分析する。

「皇太子殿下は波風を立てるのが嫌いな性格ですし、雅子妃は小和田恆元外務省事務次官の娘で、本人もエリート外交官で、政治的には安倍首相の考えに近い可能性がある。しかも、皇太子夫妻は天皇皇后両陛下と距離をとっていますから、安倍首相としては、皇太子夫妻なら取り入れると考えても不思議はない。2016年に外務省出身の小野田展丈氏を東宮大夫にしたのもその一環といわれていますし、ほかにも、別の外務省ルートを使って雅子妃にアプローチをしているという話もあります」

 もしかしたら、安倍首相のそうした目論見はすでに成功しつつあるのかもしれない。今月21日には、23日の皇太子の誕生日に際した記者会見が東宮御所で行われたが、そこで記者から「大嘗祭のあり方」について質問を受けた皇太子は、「今回政府が決定をした内容について、私がこの場で何か述べることは控えたいと思います」とコメントを避けた。昨年、秋篠宮が「宗教色が強いものを国費で賄うことが適当かどうか
「身の丈にあった儀式にすればよいと思う」と踏み込んだ発言を行ったのとは対照的だ。皇室ジャーナリストがさらに続ける。

「秋篠宮殿下の発言は天皇陛下の意向を代弁したものでした。皇太子殿下が立場上、明言できないのはわかりますが、婉曲的な表現さえなかったというのは、安倍政権のアプローチが効いているのかもしれません。いずれにしても、官邸は今後も、皇太子殿下への働きかけを強めていくでしょう。とくに雅子妃に狙いを定めてくる可能性が高い。もともと、雅子妃は結婚の際『皇室外交をしていただく』と説得されたといわれます。これから官邸が、そうした雅子妃の自己実現を材料にして、皇太子殿下をコントロールしようとするかもしれない。一方で、秋篠宮殿下は陛下の意志を継承しようとする。安倍政権がご兄弟の対立をつくりだす構図になるかもしれません」(前出・ベテラン皇室ジャーナリスト)

 いずれにしても、安倍首相は、平和主義や護憲の立場を示す明仁天皇の在位が終わり、新たな天皇を即位させるときに一気に動いてくるだろう。引き続き注視する必要がある。

最終更新:2019.02.24 03:11

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