タレントに関する話題……本と雑誌のニュースサイト/リテラ
能年玲奈は本当に独立できるのか? 事務所に飼い殺しされバッシングを受けた3年間 、「干されて終わる」と叫ぶテープ
能年玲奈オフィシャルファンクラブ「くるぶし。」公式サイトより
所属事務所・レプロエンタテインメントとのトラブルで長らく芸能活動が停滞していた能年玲奈が、今年6月いっぱいで切れるレプロとの契約延長の打診に応じず、独立する方針であることが発表された。これからは、ブレイク前より演技指導などをしてもらっていた滝沢充子氏と一緒に設立した個人事務所で活動していくことになると思われる。
「日刊スポーツ」の報道によれば、〈レプロ側は最後まで契約延長をあきらめていない〉(5月24日付)となっているが、それはまったくの嘘だろう。能年玲奈を干しあげ、飼い殺しにしてきたのは他ならぬレプロだからだ。
『あまちゃん』(NHK)での大ブレイク後、能年はこれからの日本の映画界・ドラマ界を背負って立つ若手女優として皆から期待されていた。しかし、その後、目立った活動は、映画『ホットロード』『海月姫』やドラマ『世にも奇妙な物語』(フジテレビ)への出演ぐらい。あとはほとんど仕事らしい仕事を与えず、干しあげていた。
そして、能年が事務所側のマネジメントに不信感をもち、独立を願い出ると、ブレイク前から指導を受けてき滝沢氏に「洗脳」されている、として、独立を認めず、すべての仕事を剥奪。能年は全く仕事のない飼い殺し状態におかれてしまった。
それだけではない。週刊誌やスポーツ紙に独立騒動の情報を流し、能年バッシングの流れをつくりあげた。逆に、そのリークに乗らず、能年側に立って、『あまちゃん』出演時のギャラはたった5万円だった、などひどい待遇を報じた「週刊文春」(文藝春秋)には訴訟まで起こして、マスコミを黙らせてしまった。
その間に、同じく『あまちゃん』からブレイクした有村架純は、映画『ビリギャル』や『アイアムアヒーロー』など、興行的にも批評的にも高い評価を得る作品に次々と出演。『ビリギャル』にいたっては日本国内のみならず、中国でもヒットを記録し、『あまちゃん』以降失速してしまった能年とは対照的に、若手女優として確固たる地位を築いている。また、順調に活動していれば能年の立ち位置であったであろう清純派若手女優の枠には、広瀬すずがおさまり、こちらも、『海街diary』に『ちはやふる』シリーズと、話題の映画に次々と出演。揺るぎない地位を固めている。
能年は、なぜ事務所を辞めたいのかと問いつめるレプロ社長に対して、「仕事をさせてもらえないからです。事実、連ドラは入れてもらえていません。もうすぐ私の20歳という歳が干されて終わる」と悲痛の叫びをあげている。実際に彼女の20歳という歳は干されて終わってしまった。いや、それどころか、すでに21歳も干されて終わっており、22歳ももうすぐ終わることになる。
しかも、ここにきてようやく、レプロとの契約が切れたとはいえ、本当に能年ちゃんがすんなりテレビやスクリーンに戻ってこられるかはまだ、疑わしい。レプロのバックには芸能界のドン・バーニングプロダクションがおり、独立しても、このまま仕事を干しあげ続ける可能性があるからだ。
実際、今回のスポーツ紙の報道などを見ていると、前述したようにレプロ側を被害者のように扱い、能年を悪しざまに批判している。
本サイトでは、1年前に起きたこの一連の騒動について、数回記事を配信している。そのなかのひとつを再録するので、いったい、能年は事務所にどう干され、芸能マスコミからどんなひどいバッシングを受けてきたのか、この機会に改めて知ってほしい。そして、能年ちゃんが自由になれるようぜひ、応援してほしい。
(編集部)
********************
「洗脳騒動」渦中の「逆ギレメール」と「録音テープ」 能年玲奈「もう気が狂う!」暴走ヒステリー現場をスッパ抜く――。
こんなタイトルで能年玲奈のバッシング記事を載せたのは今週発売の「週刊ポスト」(小学館)6月5日号。さらにこれを追いかけるかたちで、同じ小学館発行の「女性セブン」も、同内容の記事を掲載した。
実は本サイトは先週末の記事で、こうした新たなバッシングの動きがあることを予測していた。能年の所属事務所・レプロエンタテインメントが能年の新たなネガティブ情報を週刊誌に書かせようとしており、彼女がヤンキー口調で事務所を罵倒する録音テープが流出しそうになっている、と――。
周知のように、今回の能年の洗脳騒動の背後には、能年本人とレプロエンタテインメントの対立がある。能年が心酔する演出トレーナーの滝沢充子氏とともに無断で個人事務所を設立したことから、レプロのワンマン経営者であるH社長がツイッターで不快感を示し、洗脳を示唆。これを受けて「東京スポーツ」、「女性自身」(光文社)などが“洗脳疑惑”を書き立てた。
一方、「週刊文春」(文藝春秋)5月7・14日合併号は能年サイドに立ってこの洗脳を真っ向から否定。逆に能年が事務所からいかにひどい扱いを受けていたかを暴露した。月給はわずか5万円、『あまちゃん』後に仕事を干され、彼女が望んでいた『進撃の巨人』の出演を勝手に断わられ、さらには事務所のH社長からパワハラ発言を浴びせられた……。
すると、レプロはこれに対して「能年本人が『文春』にしゃべっているとしか思えない」と激怒。自社タレントに対する反撃を開始したのだ。
第一弾は5月20日に発売された「週刊新潮」(新潮社)5月28日号だった。記事は、月5万円と書いていた能年のギャラが途中から「20万円にアップされていた」ことなど、「週刊文春」の記事をことごとく否定する内容で、そのほとんどは、事務所関係者しか知り得ない、どう考えてもレプロのリークとしか思えないものだった。
続いて出てきたのが今回の「ポスト」と「セブン」記事である。本サイトが予測していたにもかかわらず、この記事は芸能界ではかなり驚きをもって受け止められた。ベテランの週刊誌芸能担当記者がこう話す。
「これまでも、タレントの独立問題で所属事務所サイドが揺さぶりのためにタレントのネガティブ情報を書かせるというのはありましたが、だいたいは事務所のリークというのを巧妙に隠した上で、自社のタレントは直接傷つけず、新しいビジネスパートナーや結婚、恋愛相手のせいにするのがパターンでした。ところが、今回の『ポスト』の記事は事務所関係者が証言するかたちをとって、モロに自社タレントのわがままぶりを糾弾している。しかも、その中身が説得力がないというか、強引なんですよね。こういうのはあまり見たことがない」
たしかに、記事を読んでみると、かなり露骨で、能年を叩くために無理矢理書いているような印象を受ける。
まず、「ポスト」は出だしから、「文春」の記事を「事情を知る関係者に取材を進めると、ずいぶん違った側面が浮かび上がった」と否定し、事務所を擁護する姿勢を鮮明にする。
そして、昨年4月、俳優部門を統括する責任者のX女史が能年の「厳しい言葉」のストレスで体調を崩し、長期休養に入ったことを紹介。そのX女史から相談を受けてきた知人のA子さんの証言というかたちで、能年の「ヒステリー現場」を次々に記述するのだが、これがなんというか、まったくたいした話ではないのだ。
「現場マネージャーが挨拶しても目を合わせなかったり、舌打ちをしたり、大声でマネージャーを非難することもあった」「数分間も電話口で怒鳴られた」
能年でなくとも、芸能人やアイドルなら、この程度のことは十分あるだろう。和田アキ子なら「数分間」どころか3時間説教し続けてもおかしくない。
しかも、能年は「Xさんに大声を出したあとは電話やメールで“さっきはすいませんでした”と謝るのが常だったそうです」とも書かれており、むしろいい子のような気さえするのだが、「ポスト」が、これを「自分をコントロールできなくなっていた」と批判するのだ。
とにかくどこをどう読んでも海千山千の芸能プロダクションの責任者が精神的に参ってしまうような横暴さとは思えないのだが、実はX女史が体調を崩し、会社に行けなくなったのには別の理由があるらしい。レプロの内情に詳しい関係者が語る。
「Xさんが体調を崩したのは、能年から『事務所を辞めたい』と通知があったことに、H社長が激怒。責任者としてH社長から責められて、板挟みになったということだと聞いていました。ただ、今でもレプロには在籍していますから、事務所側について能年のせいと証言するしかなかったんでしょう」
他の能年批判もかなり無理がある。たとえば、能年が『ホットロード』のクランクイン前に、「不良役やヤンキー役は天野アキとかけ離れすぎている。ファンが逃げる」と出演を渋り始めたと糾弾しているが、これはむしろ、能年の戦略のほうが正しいといえるだろう。実際、映画やドラマ関係者の間でも「『あまちゃん』後の最初の映画で『ホットロード』というのは事務所の選択ミス。しばらくは『あまちゃん』のイメージで押すべきだった」という意見が圧倒的だったのだ。
能年が熱望していた『進撃の巨人』の出演を事務所が勝手に断った問題でも、「ポスト」は奇妙な論理で事務所を擁護し、能年を批判している。能年がこのとき、事務所の頭越しに同映画の監督と接触するという「芸能界のタブー」に触れたために話は白紙になったというのだが、女優が直接、監督に出演を売り込むのは珍しい話ではないし、タブーでも何でもない。
また、出演話がなくなったことを知った能年が“私以外の誰かがやると考えると、気が狂いそう”と事務所に訴え、“出演させてもらうために土下座しに行きたい”というメールをX女史に送ったことを「ポスト」は「常軌を逸した」行動と書いているが、これは女優として当然の感情で、むしろその情熱を評価すべきだと思うのだが……。
「女性セブン」も見出しにしていた“キスNG”問題となると、もはや言いがかりとしか思えない。『あまちゃん』で能年が福士蒼汰とのキスシーンを拒否し、“疑似キス”になったというのだが、そもそもNHKの朝ドラでリアルなキスシーンが放映されることなどめったになく、逆に『マッサン』でキスシーン放映された際に異例だと騒ぎになったくらい。『あまちゃん』の設定は17歳であり、NHKがキスを要求することはありえない。
しかも、驚いたのが、発売前から噂になり、記事のタイトルにもなっていた「逆ギレメール」や「録音テープ」の内容だ。「逆ギレメール」は演出トレーナーの滝沢氏との関係を糺したX女史に“次に私の恩師をバカにしたら許しません。怒りで仕事どころじゃなくなる”と書いているだけ。
「ヤンキー口調」という噂もあった録音テープの中身は、なぜ辞めたいのかという事務所の社長に対して能年が「仕事をさせてもらえないからです。事実、連ドラは入れてもらえていません。もうすぐ私の20歳という歳が干されて終わる」という、むしろ悲痛な心叫びともいえるものだった。週刊誌関係者が語る。
「ようするに、『ポスト』の記事はレプロのH社長の指示通りに書いたからああいう無理矢理な感じになったんでしょう。もともと、今回の記事は、『ポスト』『セブン』だけでなく複数の週刊誌にレプロ側から持ち込まれていた。ただ、最初はそういう激しい口調のテープやメールがあるという話だったのに、詳細を聞いてみるとたいした内容でもない。これでレプロを擁護し、能年を叩くのは無理があると、みんな引いちゃったんです。そんななか、『ポスト』は上層部がH社長と親しく、引き受けてしまった」
しかし、そう考えると、つくづく不可解なのが、どうしてレプロはそこまでして能年のイメージを損ね、商品価値を下げたいのか、ということだ。事務所からの独立を考えているとはいえ、現段階ではまだレプロに所属していて、しばらくの間稼いでくれる存在である。能年の希望通りの仕事を与えて、やる気を引き出せば、まだ関係修復もありうるような気がするのだが……。しかし、前出のレプロの内情に詳しい関係者はこう語る。
「H社長のキャラクターとしかいいようがないですね。とにかく感情的な人で、一度キレたら手がつけられない。素材を見ぬく目はもっているんですが、自分の感情や思いつきを押し付けすぎるので、その後の作品選びや戦略で失敗しているケースが多い。計算ができないんですよ。能年についても、もう、商売とかどうとかじゃなくて、子供の喧嘩みたいになっている。そういう意味じゃ、芸能プロデューサーとしては失格かもしれませんね」
実際、事務所の戦略ミスやマネジメントの強引さによって、能年は彼女のいうように20歳、そして21歳を期待以上に輝けないまま終えてしまった。しかも、今、レプロはその存在を完全にツブシにかかっている。つまらない意地とメンツで希有な才能の女優生命を断ってしまうことが、日本の映画やテレビドラマにどれだけ大きな損失を与えるかが、こういう連中にはおそらく理解できないのだろう。
(時田章広)
最終更新:2016.05.24 05:04
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